仏教発祥の地であるブッタガヤには、紀元前3世紀にアショーカ大王が建てた世界最大の寺院「摩波菩提(マハボディー)寺」があります。
ここはチベット仏教とタイ仏教の総本山になっており、周りにはテラバーダ(伝統仏教)のお寺が多く建ち並び、近年スリランカやベトナムからの巡礼者も増えてそこのお寺も建ちました。
日本のお寺も50年前から建っており、そこは宗派を超えた統一仏教のお寺として、学校や病院などの社会貢献活動を行っています。
この世界一と言ってもよい仏教聖地を歩くと、まず確実にインド人から日本語で話しかけられてチャイを奢られます。
彼等の日本語レベルはかなりのモノで、その営業努力は涙ぐましい程ですが、残念ながらこちらは長旅のタメ、商売目的の話には乗れずにお茶を濁すコトとなります。
そのお詫びの気持ちから、純粋に日本語の練習をしたいと言う若者には付き合って、チャイや食事を奢ってあげました。
彼等はいつか日本で働きたいと希望しており、そうした日本への出稼ぎで成功した人がブッタガヤには多く居り、日本語ブームを巻き起こしております。
しかし、そんなブッタガヤもコロナによるロックダウンの影響でお土産店やレストランなどは打撃を受けて、未だに立ち直れない面も見受けられます。
そもそも貧しくて人口の多いビハール州には観光以外にさしたる産業がないタメ、ブッタガヤにそうした店が集中し過ぎているのも問題です。
昨日は「幸(Sachi)」と提携している小学校で45分間のクラスを受け持たせて貰い、折り紙と唱題を教えてかなり大変な思いをしましたが、その後で日本寺の図書館に行こうとしたらお昼休みで、門の前で待っていたら案の定インド人にチャイに誘われて、その日本語の巧みさに心を掴まれてしまいました。
彼は40年もお土産屋で働いており、家族を養うタメにどうしてもお金が要ると訴えられ、わたしも120玉の数珠が欲しいと思っていたので彼から買うコトにしました。
こうした買い物はわたしには最もハードに感じられ、向こうの言い値で買うワケには行きませんが値切りすぎるのも悪く思われます。
120玉の数珠は無かったので一緒に菩提樹の種で作り、結局6000千円ほどで買って友好的に別れられました。
その特別大きな数珠を首に掛けて摩波菩提寺に行き、歩きながら唱題行をしたら地元の子供たちが10人ほど後を付いて来ました。
彼等はみんなモンクの格好をしており、「オムマニペメフム」を唱題してお布施をねだる遊びをしていました。
そんな彼等に手拍子に合せた「南無妙法蓮華経」を教えましたが、真面目に習う気は無いようでただ付いて来るだけでした。
一方で、同じく地元の人ですが大人の偽モンクは唱題行に真剣に取り組んでおり、それで生計を立てているので一緒に唱えてくれました。
彼はお布施を盗むからと子供たちを蹴散らしてしまいましたが、わたしとしてはみんなで唱題行をしたく、その方が遥かにお布施も多く集まると思えます。
明日はまた「幸」と提携している教室に行く予定で、そこは日本へ海外実習生として行くコトを希望している青年達のクラスで、かなり気合いが入っているそうです。
そんなこんなで、「ブッタガヤでの修行」はもう少し長引きそうです。