ハンペンの詩 入江嘉幸今一枚のハンペンを炙っている弟が生まれた日病院へ行くときお祭りのように心浮きたっていたいつもは台所に立たない父赤ちゃんに会いに行くためお弁当を作った炙った一枚のハンペン切り目も入れずアルミの弁当箱のご飯の上に乗せた初めてで最後の父親弁当父が亡くなった日一枚のハンペンを炙って献杯したその強い印象は67歳の今日も記憶に刻まれています今日一枚のハンペンを炙っている