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Psychiatric Assessment from the Perspective of Personality Profiling
殺人事件を正しく取り扱うFBIの性格プロファイリング方法を研究する。
殺人と云う事実を取り扱うには、相当程度の学的な見識が必要である、ということを啓蒙している本があります。『FBI心理分析官』『快楽殺人の心理』を書いているロバート・K・レスラー、アン・W・バージェス、ジョン・E・ダグラスらの書物です。翻訳されている『快楽殺人の心理』で、ロバート・K・レスラーは、殺人者の性格プロファイリングについて次のように述べています。殺人をおこなう者、あるいは、殺人をおこなった者から学べる教訓は、道徳観やモラルの欠如といったところや、不利な立場になったとか、社会的な信用の利益に損害をこうむったということに求められるのではない、と述べています。では、何が教訓になるのでしょうか?それは、遠くさかのぼって、殺人者の乳・幼児期、幼児期、少年期、思春期の各時期の家庭環境、両親との関係の内容はどうであったか?ここを詳しく調べて理解することでなければならない、と述べています。そして、ロバート・K・レスラーは、殺人者に直接面談してリスト・アップした『チェック・リスト』の24項目の経験の頻度をパーセンテージで傾向性をとらえ、これが、乳幼児期から思春期を経て成年期にまで持ち越されていく流れの中に殺人と云う行動に到達していくという脈絡を見ています。この傾向と流れ、そして、脈絡を支えて行動を確実にするものが白日夢と呼ばれる空想癖である、と指摘しています。ロバート・K・レスラーが、「FBI心理分析官」としての地位を定着させたのは、この、「殺人者」は「くりかえし白日夢のように空想をしつづけるのである」という点に着目したからです。
「白日夢のように空想し、自分を現実の場面に置いて行動している光景をリアルに思い浮かべ続ける」という想像癖は、幼児期、思春期の頃の家庭環境と家族構成の体験の中に求められると考えました。殺人者の空想ないし想像癖と結びついている幼児期、思春期の頃の個人の体験であるとしてピック・アップしたのが、24項目の『チェック・リスト』です。
- 白日夢
- 脅迫的マスターベーション
- 周囲からの孤立
- 虚言癖
- 夜尿症
- 周囲への反抗
- 悪夢
- 器物の破壊
- 放火
- 盗癖
- 子どもへのいじめ
- 身体象の未発達
- 情緒不安定
- 不眠
- 大人に対する攻撃的な言動
- 何らかの恐怖症
- 家出
- 動物への虐待
- 事故の多発
- 頭痛
- 破壊衝動
- 食欲の異常
- 痙攣の発作
- 自性行為
ロバート・K・レスラーは、殺人の現場に残されている情報を集めて「犯人像」を明らかにしていくという演繹の方法(プロファイリング)で犯人を突き止めていく有効性の実証、すなわち、容疑者を特定することは、77パーセントであると述べています。
殺人の現場がある。当然、容疑者はそこにはいない。そこで、殺人の現場から「情報」を収集する。これに基づいて「犯人像」の性格プロファイリングを組み立てて「容疑者は誰か?」を演繹していく。その結果、容疑者まで到達したという成果が77パーセントであるということです。この『77パーセントの実証率』の裏付けがある性格プロファイリングを、松田美智子の書いているドキュメントの『大学助教授の不完全犯罪』(女子大生殺害、一家心中事件)に当て嵌めてみます。
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