Psychiatric Assessment from the Perspective of Personality Profiling
『FBI心理分析官』『快楽殺人の心理』を書いているロバート・K・レスラーは、殺人の現場に残されている情報を集めて「犯人像」を明らかにしていくという演繹の方法(プロファイリング)で犯人を突き止めていく有効性の実証、すなわち、容疑者を特定することは、77パーセントであると述べています。
殺人の現場がある。当然、容疑者はそこにはいない。そこで、殺人の現場から「情報」を収集する。これに基づいて「犯人像」の性格プロファイリングを組み立てて「容疑者は誰か?」を演繹していく。その結果、容疑者まで到達したという成果が77パーセントであるということです。この『77パーセントの実証率』の裏付けがある性格プロファイリングを、松田美智子の書いているドキュメントの『大学助教授の不完全犯罪』(女子大生殺害、一家心中事件)に当て嵌めてみます。
FBI心理分析官のロバート・K・レスラーの演繹の方法(プロファイリング)に基づいて「立教大学助教授の川添邦夫」と「殺害された立教大学院の女子大学生」のそれぞれを、性格プロファイリングしてみると成年期を過ぎてなお言葉や行動にあらわされている『24のチェック・リストの項目』は次の通りです。
- 立教大学助教授の川添邦夫の性格プロファイリング
- 白日夢
- 周囲からの孤立
- 虚言癖
- 周囲への反抗
- 身体象の未発達
- 大人に対する攻撃的な言動
- 情緒不安定
- なんらかの恐怖症
- 破壊衝動
- 殺害された立教大学院の女子大学生
- 白日夢
- 周囲からの孤立
- 虚言癖
- 身体象の未発達
- 大人に対する攻撃的な言動
- 情緒不安定
- なんらかの恐怖症
- 頭痛
- 破壊衝動
- 自傷行為
FBI心理分析官レスラーの心理分析の手法によれば、ここに挙げている『チェック・リストの項目は、これがそのまま殺人などの犯罪に結びつくのではなくて、幼児・小学生・中学生・高校生の年齢の頃の「家庭環境」や「家族との関係」の中の行動にまで遡った時期の「本人」のリアルな体験として理解されなけらばならない、というところに意味があります。
すると、「立教大学助教授の川添邦夫」は、「養父母」という義理の親子関係、「養父母よりも高学歴」「養父母は、義理の子どもの邦夫の高学歴を望んで励ましていた」「幼児の頃に、実母に取り返されることを恐れて、夜逃げして来ているので、最大限に見積もると、中学生のころまでは養父母と同じ部屋に寝ていた」という≪事実≫が考えられます。
こういう≪事実≫を全日本カウンセラー協会の演繹の方法に基づいて性格プロファイリングしてみると、川添邦夫は幼児の頃から「疑似的な気持ちの安心」しか享受できていなくて、ただ「学校の勉強の成績が良いこと」だけが唯一「養父母から子どもである自分の気持ちを安心させてもらうための関係の媒介であった」ということが分かります。これは、「家庭環境」が川添邦夫にとって「つねに無呼吸状態にさらされる心停止の不安を強いられる場所であった」ということです。では、FBI心理分析官レスラーの指摘する白日夢(空想癖)の内容とはどういうものであったのか?というと、それは、「心停止の無意識の不安感」と引き換えに「学校の勉強」を続けたために『右脳』に快感報酬ドーパミンが分泌されなくなったということに対応する『白日夢』(空想癖)であったはずです。
FBI心理分析官レスラーによれば、「成年期」まで原型を保って継続される『白日夢』(空想癖の内容)は、父親か、母親の差し出す快感報酬ドーパミンを分泌させる効果のある「言葉」ないし「行為」によって決定されます。父親が、言葉か行動によって暴力を加えれば、その子どもは、思春期になると「社会の秩序」を意味する対象に対して「嫌悪感」や「憎悪」や「反発心」を持ちながらも執拗にこだわり、自分を同化させていくという観念を身につけます。
これは、自分が「社会的な地位」を手に入れると自分よりも「社会的な地位が低い者」へ凶悪な言葉や行動を向ける、というようにあらわされます。自分よりも「社会的な地位が高い人間」へは、嫉妬にないまぜられた「憎悪」や「拒否」もしくは「否定」という悪感情の表現になるはずです。階級制度に基づく上位の地位にある人間へは、「表面」は忠実に振る舞いながらも、しかし、内心では「憎しみの眼」で相手を蹂躙し続けるはずです。これが白日夢(空想癖の内容)です。しかし、こういう白日夢(空想癖の内容)では、右脳に快感報酬ドーパミンを分泌させることは出来ません。猛毒ノルアドレナリンしか分泌させません。
もちろん、最初のうちは、右脳に快感報酬ドーパミンが分泌されるはずです。そのためだけに、白日夢を思い描くのですから。白日夢(空想)の中で「相手を打ちのめし、蹂躙し尽くすこと」の快感、すなわち「ストレスからの解放感」や「目障りな敵を乗り越えた気分による自由感)で右脳に快感報酬ドーパミンが、「一時的に、刹那的に、」分泌されることはあります。
ところが、この白日夢(空想)を、念仏を100万回唱えるように、百万遍も繰り返し続けると、「打ちのめしたはずの相手」が、現実の中では、本人の目の前に、「正常な姿」であらわれますから、よりリアルな壊し方、破壊の手段を、イメージとして強力に思考し続けることになります。どうしても、何が何でも、力ずくで、破壊攻撃しなければならない、という「わけのわからない恐怖や恐れ」と「脅迫観念」が右脳に思い浮かんで二度と消えることはありません。必然的に、この段階では、快感報酬ドーパミンは完全に消滅しています。どう足搔いても、ドーパミンは分泌されないのです。ただ、常に、猛毒ノルアドレナリンが、途切れることなく、右脳に分泌されます。ここまで来たなら、止めるに止められない、消すに消せない、この猛毒ノルアドレナリンを分泌し続けたままでなおも、白日夢(空想癖)を押し詰めると、精神の分裂症状が発症するのです。そして、この「精神の分裂症状」がつくるイメージを、異常であると不安感の意識で了解すれば「病的な障害意識」となります。しかし、このイメージは現実のことであると安心して解放感を得れば『右脳』で「カルト宗教的な意識」でイメージを形成します。
また、この白日夢(空想癖)にともなって分泌される猛毒ノルアドレナリンを、快感報酬ドーパミンの分泌によって、消滅させて解放感を得ようとすれば、『右脳』に狂暴な性の収奪のイメージを喚起させるしかありません。激しく強烈な 暴力・暴行。 バイオレンス(violence)を実行にうつすことが可能な白日夢のイメージを思い浮かべるということになります。
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