建国の日である今日は、初代天皇として、神武天皇が御即位された日である。
これを"紀元節"といい、その由来は『日本書紀』にある「辛酉年春正月」を太陽歴で換算し、二月十一日となった。
戦後、国民の大多数の反対があったにも関わらず、"紀元節"は廃され、建国の日として今日に至る。
日本人にとって、最も大切な日である"紀元節(建国の日)"だが、昭和四十四年二月十一日に、国会議事堂前にて、ガソリンをかぶり焼身自決した青年がいたのだ。
名は江藤小三郎といい、歳は二十三歳。江藤新平(明治維新に活躍した)の曾孫にあたる小三郎は『覚醒書』を遺し自決した。その内容を紹介する。
覚醒書
混沌たる世界、暗雲立籠る皇國。自然科学におかされ地獄道に落ちし民族。これを救う道、一事に極む。これ大自然に沿いし無私の心なり。無私の心、真我に通ず。真我集へば破るる事なし。國の大事、すべて無私に始まる。ここに気付き行えばあとは康し。
一皇万民、天皇の許に真我が集う時、皇國毅然として興る。皇子皇民、一丸となり熱鉄玉を呑む勢いにて行えば世界万民を救う道をなすこと難くなし。我、神命により不生不滅の生我「建国の日」に魂魄(コンパク)となりて、民族の危機にあたるものなり。
あらあらし 空にこみとり大楠の 大御心を誰ぞ知る
かくせれば かくなるものと知りつつも やむにやまれぬ 大和魂
昭和四十四年二月十一日
壮絶な死であり、現代日本人では「愚かなことを…」と感じるだろう。
しかし、その死は決して無駄にしないよう、国を憂い亡くなっていった人々を、心から敬うことが出来るようになりたい。