妄想と戯言2

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はじめに!を読んでください。

花より、(ガロ金)

2024-04-22 23:46:00 | 漫画
お花見するガロ金ですがガロ金要素少ないです。






色素の薄い花びら越しに見た空は、青というよりも水色に近かった。その淡い色が花びらをより一層、映えさせているように感じて、その事実に気がついた男が、へぇと感心したように呟く。
ゆっくりと花見をする人生ではなかった故に、男は新しい発見が妙に嬉しく感じた。

背後に座る男に教えてやろう、と口角をあげて振り返る。そこには、妹にお茶を渡したり、口の回りを汚す少年の為におしぼりで拭いてやったりと、甲斐甲斐しく世話を焼く姿。今日も気合いの入ったリーゼントで形付けされた黒髪が、ふわふわと風に揺れている。

「なぁ、おい」

呼ばれ、黒髪が振り返る。
あン?と短く返した男の手には、可愛らしくカットされた星形のニンジン。それを妹に食べさせる為に爪楊枝で取り上げた所だったらしく、思いの外、穏やかな顔で首を傾げている。

「なんだよ?」

その見た目に反した家庭的な部分には等に慣れていたつもりだったが・・・男は目をぱちくりと瞬きさせて、案外器用なヤツだな、とおそらく妹にせがまれて作ったであろう星形のソレを見つめる。後ろでは彼の妹が、違う爪楊枝でニンジンを頬張っていて、おいしーい!と少年にもオススメしていた。
呼んだはいいものの妙な顔で固まる男の、その視線を辿った黒髪の男が呆れた様子で息を吐いた。そして、行き場の無くなったソレを男の口元まで持っていってやる。

「ん」
「あ?」
「?食いたかったんだろ?ほら」
「・・・あ、」

所謂、あーん、というやつである。
パクリと一口でニンジンを頬張って、その家庭的な味を堪能する。

「んまい・・・けど、甘ェ」
「甘いニンジン、タレオが好きなんだと」
「・・・まぁ、うまけりゃ文句はねーよ」
「なんだそりゃ」

ニンジンが無くなった爪楊枝で、次はタコの形をしたウィンナーを刺す姿を眺めて、まあいいか、と男は水色の空の眩しさに、目を細めた。





短いので書き直すかもです!




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