悠の食虫植物 ネペンテス普及委員会 (和名 ウツボカヅラを世に広める会)

食虫植物のネペンテスを広めていくためのブログ。

ネペンテス栽培記 513 栽培テクの一つ、頂点芽カット法

2019年07月18日 01時09分03秒 | 悠のネペンテス栽培記
よし、
長らく、
自分だけのコレクションで満足していましたが、
そろそろ、
私の秘蔵ネペンテスが増えてきましたので、
皆さんにもですね、
分譲できる日がついに、
やってきたんじゃないかと、
そう思っている時期がですね、




私にもありました




そう、
あの時は、
本当にそう思っていたんですよね~(遠い目)



そんな今日この頃、
いかがお過ごしでしょうか。


こんばんは、
ネペンテス普及委員会、
代表兼会長の悠です。



最近ですね、
人づきあいが苦手な腰抜けの悠に代わりまして、
普及委員会のメンバーが大活躍をしてくれていまして。


いつも連絡をくださる、
優しい読者の方々とのメールのやり取りという活動だけで、
大満足している悠ですが、
そろそろブログ自体が消滅するんじゃないかという危機感をおぼえ、
ようやく重い腰を上げてですね、
書き始めたわけですが、

が、

肝心の栽培の方が、
新しく始めた登山という趣味ですっかりおろそかになり、
えー、
ほぼ何もしていないという、
そう言って差し支えない現状となっております。


えー、
そういうわけで、
どっちかというと、
トレッキングについて語りたいのですが、
そんなことを書いていたら、
ますます消滅の危機を迎えてしまうので、
今日はまじめにネペンテスについて書こうと思います。



で、
本題なんですが、
ネペンテスを増やす際に、
幾つかの難題にぶつかりまして、
その研究の途中経過の報告になります。


私が増殖をする際に、
急ブレーキがかかった要因ですが、

1 緯度的に成長シーズンの期間が短い

2 室内栽培時、超乾燥状態のため、成長が完全にストップする

3 上記の影響により、株に致命的なダメージがでる


です。


言わんこっちゃない


これらはあくまで、
増殖に関する案件なので、
親株というか、
元株は問題なく育っているものがほとんどです。


どういうことかと言いますと、
挿し木に適した植え付け時期があるのですが、
その期間があまりにも短く、
また、
挿し木株が安定期に入る前に、
シーズンが終了してしまうため、
非常に不安定な状態のまま、
上記のダメージ期間を過ごさなければならないというね。


今年は日照時間が少なく、
大変な地域もありますので、
それをここで引き合いに出すのはいささか不謹慎ですが、
私のネペンテスの栽培場だけに限って言えば、
毎年、
そのような悪条件と戦っているわけであります。


これ、
マジで大変なんすよ。


よく、
湿度がとか、
そんなことしなくても、
条件を整えれば育ちますよとか、
そうアドバイスを頂くときがあるのですが、
私の地域では、
最低気温が10度を下回る日が、
年間で250日くらいあるわけですよ。

冬の数か月なんて、
数度の温度で、
なんか今日はずいぶん暖かいね、
と本気で言う地域なんですよ。

かと言って、
夏が涼しいわけでもなく、
そのぶん日照時間が長いかと思えばそうでもなく、
高山性に適しているわけでもない。


だから、
私は本当は言いたいわけですよ。


それ、



こっちでも同じこと言えんの?




ただそれを言ってしまうとね、
いやなら育てるなで話が終わってしまいますので、
決して言いませんけれども。



まぁそういう背景があり、
こっちではなかなか育たないネペンテスを、
こんなマイナス要素だらけの環境の中で、
丈夫に元気に育ててくれるユグドラシルシステムは、
私にとっては夢の培養装置であり、
アンプラリア、
ラフレシアナ、
バイキングといった、
今まで袋をつけることすら難しかった低山種を、
次々と鈴なりを実現させた救世主でもあるわけです。


これ、
本当にすごいことなんですよ。

イメージがわきづらいと思いますが、
南の方に住んでいる方は、
6月~8月の時期がすっぽりないと思って頂いて大丈夫です。


作物ヤバいっしょ。

そんなユグドラシルですが、
まだ克服できていない難題があります。

それが最初の話、
そう、
挿し木増殖株の維持、
です。


もうほとんど2パターンでして、
室内栽培時に力尽きるパターンと、
なんとか乗り切るものの、
野外栽培時に調子を崩してそのまま召されるパターンです。


どこが悪いのか以前に、
良い要素がないので、
検証のしようがない年が続いていましたが、
遂に、
解決策の足掛かりを見つけてしまったかもしれません。


それがこちら、
表題にある通り、
「頂点芽カット法」
です。


その名の通り、
頂点芽をカットするだけの方法ですが、
これの新しいところは、
挿し木増殖でもなく、
脇芽更新でもなく、
頂点芽枯れ対策でもなく、
単純に、
草体維持のために頂点芽をカットする、
というところにあります。


これは、
生育の悪いネペンテスグループを観察してて思ったのですが、
どうもネペンテスは傾向として、
親芽優勢よりも、
脇芽優勢の方が、
成長が早いんじゃないか、
ということです。


ネペンテスの調子がいいと、
どうしても優勢の方を大事にしてしまいますが、
私は実験として、
意図的に脇芽優勢に操作するようにしています。


まぁ要は、
ブルーベリーのような感じですね。


通常の木は、
ひこばえが生えると、
樹勢が落ちますが、
ブルーベリーはシュートの方が、
勢いもよく、
結実もするという、
まぁそういうイメージです。


特に注意しなければならないのが、
親芽から脇芽への、
優勢交代の転換期です。


ここでまごまごしてしまうと、
親芽に栄養が行き渡らないばかりか、
親芽に無駄に栄養が流れてしまうので、
株自体の調子を崩す要因にもなってしまいます。



まぁまだ、
この頂点芽カット法については、
様々な検証段階の途中なので、
あまり断定的なことは言えませんが、
こと寒冷地においては、
低地性のネペンテスを栽培するにあたって、
必須スキルになっていくのでないかと思っております。


今のところのコツとしては、
頂点芽カット法は、
親芽の頂点芽で、
幹部分が瑞々しくがっしりしている、
ギリギリの上部ラインでカットする。


カット部分は、
ただちに専用の薬剤か、
ボンドかロウでフタをするようにしっかりと塗りたくる。






そのあとに出てくる脇芽のケアですが、
一番優勢なのを残して、
どんどん取ってしまった方がいいでしょう。




ちょっともったいない気もしますが、
その後の樹勢を考えれば致し方なく、
また、
寒冷地では全部の芽が元気に育つのは稀です。


たまにそういう種もいますが、
こと低山種に限っては、
やめておいた方が無難でしょう。


加えて、
ほっといても、
優勢芽を残して他が枯れる場合が多く、
どっちにしろ無駄になるエネルギーなら、
優勢芽に集中させてあげたほうが、
ネペンテスにとっても都合がいいと思います。


また、
このカット法を繰り返せば、
必然的に挿し穂も安定的にできることになりますので、
バックアップの面から言ってもおすすめです。

あ、
ちなみに画像は、
頂点芽まで枯れ上がったので、
やむなく脇芽更新にしたものです、
押忍。

実際のカット法は、
脇芽への樹勢転換期なので、
画像の状況とは違います、
押忍。

難点としては、
成長シーズンが超短期の地域での栽培法のため、
一定のサイズで交代期が来る時がほとんどになり、
目の覚めるような大型株に育てるのはなかなか難しいということです。



っと、
寝る時間です。




ではでは、
また次回、
お会いしましょう。




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2 コメント

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Unknown (sonsiru2)
2019-07-18 22:33:51
なるほど!
ユグドラシルは逆に
低温乾燥地域に特化した栽培法
になるのかもしれませんねヽ(*´∀`)
しかし培養に課題がある
ということですね!

ネペンテスの栽培法は
地域や環境によって全く変わる
というの私も実感しているところです。
最近思うのは
梅雨最高ですね!
虫さえ気をつければ高山種以外は
めちゃくちゃ成長してくれますね!
高山種も袋はつけ難いものの
小さい株以外は
今のところ悪くないですねヽ(*´∀`)
師匠、難しいところですが
せっかく委員会に
挿し木増殖事業部が出来たので
何だったら
ここは任せても良いのではσ(^_^;)
そういう私も
人任せではいけないので
そろそろ挿し木やってみようかなヽ(*´∀`)
蛙さんもジルさんもやってますからね!
やらねば!
出遅れておりますσ(^_^;)
返信する
そん知るさんへ ()
2019-07-19 00:44:46
こんばんは!

地域や住んでる環境によって、
栽培条件はどうしても変わってきますから、
一概に良いとも言えないですし、
悪いとも言えないところが、
なんとも難しいところです(;´∀`)

まぁそこが、
毎日発見のある趣味のおもしろいところなんですがね笑

そうなんですよ、
お気づきになりましたか(*‘ω‘ *)

私が台風の前や、
大雨の日にせっせと作業していると、
なんでこんな日にと誰もが思われるでしょうが、
ちゃんと私なりに理由があるわけでして(^_^;)

挿し木増殖は、
バックアップの意味でも、
連携させてもらうのが一番安全ですが、
まだどうしても私自身が研究したいので、
もうちょっとだけサンプルを手元に残しておきたい状況です(;´∀`)

ただ、
選抜品種に関しては、
ぜひ増やして皆さんに見て頂きたいので、
もうちょっと安定する大きさまで成長したら、
早急にお願いしたいところです(*'▽')

挿し木は実際にやらないと、
難しさとおもしろさがなかなかわからないものであり、
色々と新しい勉強にもなりますから、
徒長し始めた株で、
ぜひチャレンジしてみてください(^^)/
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