日本のトップスケーターとして3度の冬季五輪に出場し、2010年バンクーバー五輪でフィギュアスケート日本男子初のメダルとなる銅を獲得するなど、世界の舞台で長年活躍した高橋大輔(28)=関大大学院=が14日、岡山市内で現役引退を表明し、「いいことも悪いことも全てが思い出。色んな方に導かれ、感謝の気持ちしかない」と話した。今後はアイスショーに出演しながら、次の道を模索する。
岡山市の公益財団から賞を贈呈された高橋は、その流れで「引退を決断いたしました」と自ら口にした。
続く会見では「すっきりした」と、安心しきった笑顔で応じた。初出場の06年トリノ五輪で8位入賞した後、バンクーバー五輪で銅メダル。「表彰台から見た景色を鮮明に覚えている」と一番の思い出に挙げた。
その後、世界選手権、グランプリ(GP)ファイナルでも日本男子初の優勝を果たした。日本男子を世界トップレベルに引き上げたが、今年2月のソチ五輪では痛めた右足の影響で6位に。「また4年できるのかを考え、今の僕では不可能と思った」と、20年間の競技人生に区切りをつけた理由を語った。
高橋は岡山県倉敷市出身で、倉敷翠松(すいしょう)高から関大に進んだ。出身地の岡山県で会見が行われたことに触れ、「この街に生まれなければフィギュアに出会っていなかったかもしれない。ここで引退を伝え、次のスタートの場にしたかった」。今後については、「アイスショーには出るが、スケートから一歩引いて次のことを考えたい。ダンスや語学など、やりたかったけどできなかったことをやりたい」と思いをはせた。
引退高橋に羽生「いつまでも憧れ」 金メダリストが先輩に感謝の言葉
高橋の背中を追い、今年2月のソチ五輪で日本男子フィギュア初の金メダルを獲得した羽生結弦(ANA)もコメントを発表し、「高橋選手にいつも引っ張っていっていただきました。高橋選手に今の男子フィギュアを作っていただいたと思っています。スケートの相談などもさせていただいたり助けていただいたことも何度もありました。スケーターとしても先輩としても、いつまでも憧れの存在です。今までたくさんの感動を、本当にありがとうございました」と、感謝の言葉を綴った。
織田信成氏(27)が14日に自身のTwitterで、現役引退の意思を固めたバンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔選手(28)をねぎらった。
高橋選手は同日、岡山市内の会見で、現役を引退する意向を明らかにした。
高橋選手の発表を受けて、織田は、「大ちゃん長い現役生活お疲れ様でした」とコメント。「怪我もあり苦渋の決断だったと思いますが、これからも大ちゃんらしく笑顔で突き進んで行ってほしいです」とともに男子フィギュア界で闘ってきた仲間で、同じ関西大学の先輩でもある高橋選手にエールを送った。「一緒に練習できた事、試合に出た事は僕にとって大切な思い出です。本当にお疲れ様でした」とねぎらった。
安藤美姫 高橋に感謝「共に過ごした時間は大切な思い出」
引退発表した高橋大輔(左)に感謝の言葉を送った安藤美姫
岡山市内で14日に会見し、現役引退を発表したフィギュアスケートの高橋大輔に対し、安藤美姫が自身のフェイスブック(FB)で「サンキュー大輔」とねぎらいの言葉を送った。
安藤は英語でFBを更新。「Thank you Daisuke.」と切り出し、「私はあなたを誇りに思います。スケート選手として、共に過ごした多くの時間は大切な思い出です!!!!!。あなたがいたから私はスケート選手として強くなれたし、あなたのスケートで幸せにしてくれた!!!。」と高橋に感謝。
「次のステップに向かって頑張って。そしていつまでも輝いていてください!!!!!」と愛情を込めてエールを送った。
▼荒川静香さんの話
数々の記録を樹立し、長年日本男子スケート界をけん引してきた唯一無二のスケーターに、たくさんの感動と希望をありがとうと言いたい。
▼町田樹の話 日本のフィギュアスケートがここまで発展したのは、高橋選手の功績だと思う。高橋選手に憧れて努力してきたし、多くのことを学んだ。フィギュア界にとって非常に大きな存在が引退するのだなと、大変感慨深い。
▼長光コーチ「スケートの理想を具現化してくれた」
高橋選手を中学生のころから指導してきた長光歌子コーチは「私の青写真の中ではバンクーバーの年で引退と思っていたので、その後の4年間はすばらしいプレゼントをもらったという思いです。10日ほど前に引退すると言われたときは、『自分自身が決意したことであればかまわない』と思っていたので『お疲れさま』と声をかけました」と話しました。
そのうえで、「私のスケートの理想を具現化してくれた選手だった。ジャンプだけでなく、欧米の選手に負けないスケーティングや表現力を高めてくれたと思う」と話していました。
▼小中時代の恩師「ことばを失う感じ」
高橋選手がスケートを始めた8歳から中学生のときまで指導を続けた、地元、岡山県倉敷市にある「倉敷フィギュアスケーティングクラブ」の佐々木美行監督は、「いつかこんな日が来るとは思っていましたが、いざ来るとずっしりと重く、ことばを失う感じがします。今までスケート以外でやりたかったこともあると思うので思い残すことのないよう、いろいろなことに挑戦してほしい」と話していました。
▼母親「ほっとした気持ち」
高橋選手の母親の清登さんは、「覚悟はしていましたが、寂しいようなうれしいような、ほっとした気持ちでいっぱいです。『今までよく頑張った。お疲れさまでした』とことばをかけてあげたいです。今後は、これまでお世話になった人たちに少しでも貢献してほしい」と話していました。
▼橋本聖子会長「彼を目標に多くの選手育った」
高橋選手の引退について、日本スケート連盟の橋本聖子会長は、「長い間、日本の男子フィギュアスケート界のエースとしてここまで引っ張って頂き感謝しています。日本男子初のオリンピックのメダル獲得、そして世界選手権金メダルの功績は非常に大きく、彼を目標とし、また憧れて、多くの選手が育ちました。本当にお疲れ様でした」とコメントを出しました。
記者会見では、スッキリとしたような表情に見えました。
高橋大輔選手、
本当にお疲れ様でした。
素晴らしい演技をありがとうございました。
※画像はお借りしました。