1950年代から1960年代のいわゆる古典的な「シャンソン」は、メロディラインやフランス音楽の特質といっても良い和音の美しさとは少し距離があるように感じます。どちらかと言えばフランス語の美しさを前面に出した『語り口』が特徴なのでしょうか?1960年以降のイギリスやアメリカのポップシーンの影響を受け入れた「フレンチポップス」とは一線を画した何か高級で理知的な雰囲気を醸し出していますが・・・
実は、大学時代にフランス現代詩の授業で大好きなジャック・プレヴェールやルイ・アラゴンなどのレポートを出すと、一部の同級生からは鼻で笑われました。ランボーを研究していた先輩、ベケットに夢中だった先生・・・プレヴェールのような「俗謡」は仏文の研究対象ではなかったのです。
日本という国はどうしてこのように間口も心も狭いのかな・・・現在も沢山活躍している「シャンソン歌手」の皆さんは、基本的には1950年代から1960年代の「フランス歌謡曲」を歌っていらっしゃるのでしょう。我々日本人も(町内会の役員になって改めて発見しましたが・・・)同じように自分の青春時代の歌謡曲(演歌のジャンルもありますが・・・)を歌っているのですし、私のこのブログもまた自分自身の青春の歌を取り上げているのですが、何となくカテゴリー分けするような世界から脱却はしていないように感じますね~~~~なので、余り気にせず好きなことだけ取り上げましょう。
といっても、このジェラール・ルノルマンは当時さほど好きでもなく、だた極端にグラム、プログレに走って行くアメリカンポップスに比べ優しいメロでいラインと、自分の勉強分野だったフランス語の相乗効果で、そこそこ受け入れてはいました。
でも、やたらとベートーベンを語る(今から思えば噴飯物でしたが)同級生の前で、フレンチポップスを語ることは出来ない情けない青春でした。
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