数年前、左右両眼とも白内障の手術を受けた。従って静止視力は「裸眼」(と言えるのかどうかわからないが・・・)で双方とも1.2である。十分な視力があると言っていいだろう。眼内レンズを入れた方はご存じと思うが、眼内レンズは単焦点と遠近双方の複焦点がある。保険適用は短焦点のみで遠近両用は片方で約30万円、両眼で60万円の自由診療となる。
勿論私は保険診療の単焦点レンズを選んだが、車の運転は当然遠くがよく見える方が良い。譜面台に置いた楽譜を見るためには1メートル前後に焦点距離が合って欲しい。本やPCを見るためには30センチ程度。
普通は遠くがよく見えるような眼内レンズを入れ、近くは老眼鏡を掛けて見るということだろう。
が、実は以前から光軸が少々ずれるような感覚があった。光軸がずれる・・・横にずれる典型的な「斜視」とは違って、私の場合は上下にずれている・・・これもまた「斜視」なので、矯正のためには眼科医に検査してもらわねばならない。普段は何ともないが(脳内で画像を矯正しているらしい)眼や脳が疲れてくると見ている画像が左右バラバラになり二つの画像となってしまう。
現役時代(50代かな)光軸のずれを眼科医院ではなく一応ORTの資格がある眼鏡屋で検査してもらい矯正した眼鏡を作ってはいた。眼内レンズを入れればこれまでの近視用の眼鏡はどのみち全部使えなくなる。
なので、光軸を矯正した遠距離・中距離・近距離用の眼鏡を作ることにした。白内障手術を受ける眼科医の医院でORTにきちんと検査してもらえるという絶好の機会ではある。
ということで、手元には三種類の眼鏡がある。これまで近視用に作ったフレームがちょうど3本あったし、軽い方が良いと考えてそれなりの値段がしたものだったから、むしろちょうどよかったかもしれない。
しかし、テレビを見たり一寸近所に出かけたりには眼鏡を使わずともよく見えて何に支障もない。が、やはり手元近くを見るためには不自由である。なので、ついつい譜面台用の眼鏡ばかり使ってしまう。遠距離は「近眼状態」近距離は「足りない老眼鏡状態」だが、斜視が矯正されているから裸眼の場合に時として生じる「二つの画像」状態になることもない。
だが、今日の散歩では些かまずい状態だった。遠くが見にくい近眼状態では弱ってきた足元には不安が付きまとう。
そこで、面倒ではあるが、「裸眼で歩く」ことを基本に、遠距離用の斜視矯正眼鏡と中距離用の眼鏡の二つを持ち歩くことにした。
転倒して介護保険のお世話になるのはまだ先にしたいから・・・。