なくもの哲学と歴史ブログ

哲学と歴史のブログです。
フォロバはします。気軽にフォローしてください。
西洋、東洋哲学
世界史、日本史
西洋神話

北欧神話の「フレイヤ」

2023-11-13 22:11:00 | 西洋の神話

【フレイヤ】
 フレイヤは、もともとヴァン神族の女神です。当時、アース神族との戦争で、劣勢だったヴャン神族は、和睦の条件として人質交換をすることにしました。アース親族とは、神々の王オーディンが属する一族のことです。フレイヤは、アース神族の人質として、家族と共にアース神族に加わりました。家族とは、兄のフレイと父のニョルズです。

 フレイヤの住居は「フォールバング」と呼ばれる美しい館です。フォールバングには「セスルムニル」と呼ばれる美しい広間がありました。フレイヤの乗物は、小人が作った「ヒルディスヴァーユ」という魔法の猪です。ヒルディスヴァーユは、人間の愛人オッタルを変身させたものでした。別の説では、フレイヤは、二匹の猫の戦車に乗るとされています。フレイヤは、ビーナスと同一視され、英語の金曜日「Friday」の語源となりました。

【愛の女神】
 フレイヤは、すべての女神のなかで最も美しかったとされています。そのため、神々の憧れの的でした。フレイヤは、女王気質で、非常に自尊心が高かったとされています。そのため、彼女が認めた相手しか、触れることが出来ませんでした。しかし、フレイアは、愛を司る女神です。自由奔放で恋多き女神でした。オーディンとは、愛人関係にあり、兄のフレイとも関係を持っていたとされています。ただし、夫への愛情も深く、旅に出て失踪した夫を慕って、黄金の涙を流しました。また、フレイヤには、積極的に人々の恋愛の悩みを聞いてくれるという側面もあります。

【ブリージンメーガン】
 フレイヤには、欲望のためなら、手段を選ばないという大胆さがありました。彼女の象徴は、魔法の首飾り「ブリージンメーガン」です。それを手に入れるためには、製作者の小人にも体を許しました。ブリージンメーガンは「炎の首飾り」という意味の黄金の首飾りです。それを身をつけたものは、魅力が高まったとされています。しかし、フレイヤが、小人と寝たことを見ていたロキが、それをオーディンに密告しました。ロキは、トラブルを起こさせる北欧神話におけるトリックスターです。そのため、フレイヤは、オーディンから罰を受けました。また、ブリージンメーガンは、そのロキに盗まれたこともあります。その時は、光の神ヘイムダルが、変身してロキと戦い、取り返してくれました。

【豊穣と死の女神】 

 豚は、フレイヤの聖獣とされています。そのため、フレイヤのあだ名は、雌豚を意味する「シル」です。豚は、多産の象徴とされています。そのため、性に開放的だったフレイヤと結びつけられました。多産は、豊穣とも関連しています。そこから、農業を司る女神ともされました。

 また、フレイヤは、ヴャルキリーたちの統率者だとされています。ヴャルキリーとは、戦場の戦士たちの生死を決定する戦乙女のことです。そのことから、フレイヤは、死を司る女神ともされました。そのヴャルキリーは、オーディンの使者でもあります。フレイヤとオーディンは、戦場で死んだ英雄の半分を分かち合い、それぞれ自分の館に引き取りました。

【人質】
 フレイヤは、絶世の美女だったので、よく巨人が手に入れようとしました。巨人スリュムが、トールのミョルニルを盗み、それと引き換えにフレイヤを所望してきたことがあります。ミョルニルとは、対巨人戦における最強の武器のことです。それを、ロキが探しに行くことになりました。その時、フレイヤは、ロキに被ると鷲に変身出来る羽衣を貸しています。神々が、巨人に城壁作りを依頼した時、フレイヤは、その報酬とされました。しかし、それに怒った雷神トールが、その巨人を殺しています。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿