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新日鉄・住友金属の経営統合に思う  ~あとはコウノトリさん次第?

2011-02-04 | 事業再生・M&A
2月3日、ビックニュースが飛び込んできました。記念としてごくごく簡単にコメントしておきます。オチはありません。

プレスリリース
新日本製鐵㈱と住友金属工業㈱の経営統合に向けた検討開始について

投資家など関係者も概ね好意的な評価しております。
R&Ⅰ 新日鐵が住金との合併検討開始―経営基盤拡充はプラス評価 [2011.02.03]


①世界の鉄鉱石の供給は「資源メジャー」と呼ばれるヴァーレ(ブラジル)、リオ・ティント(英豪)、BHPビリトン(同)の3社が7割を握る寡占状況。日本の鉄鋼業界ひいては産業界はこの資源メジャーにいいようにされてきた。
そんな中での今回の経営統合。アジアカップで資源大国・豪州に劇勝したサッカー日本代表に触発されたかのように反攻のノロシとなるのか。そういう意味ではまさに節目となる1日となったのかも。
だからこそ、節分(2月3日)を発表日として選んだのか。両社とも外圧が統合の理由ではないとしているが、「鬼は外、福は内」と言うしね。


②アナリスト説明会に出席した同僚によると、「日本を元気にしたい」と政治家のような発言もあったとか。
日本を元気にする合併とは、さすが天下国家を論じられるこの会社らしい。まぁ、 「乗れば乗るほど健康になれる車」(2007年・トヨタ首脳)よりは十分実現可能性はあると思う。
今回の統合を機に、国内の様々な業種でM&Aが再度加速するであろうから、少なくとも日本の投資銀行(部門)は元気になるだろう。


③大手鉄鋼業界の財務諸表を比較すると、実は住友金属だけ四半期キャッシュフロー計算書※を開示できており、その開示体制を評価する識者がいる(※:前年度の実績。現在の短信では四半期開示項目となっていないようだが)。
新日鉄は住金のシームレスパイプ以外にも学ぶべきものがまだまだある。


④新生・新日鉄誕生のためには、あとはコウ(公)ノトリ(取)さん次第なのか。






なお、上記③でリンクを張らせていただいた公認会計士の高田先生は最近、ユニークな財務分析の入門書を上梓されています。入門書としてはレベルは高いですが、実務上役に立つ内容が盛り込まれておりまして後日機会を見てご紹介したいと思います。
企業の経営戦略を決算書から見抜く 「財務諸表」読解入門
高田 直芳
日本実業出版社


またいきます。



なかのひと

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エネルギー政策の暗部 (安全保障研究家)
2013-12-31 22:18:04
 こういう論評はもう古い。脱化石燃料が戦後日本の悲願であり、世界の地球温暖化へのチャレンジでもあった。天下国家を論ずるなら、対米戦争に踏み切った軍部に対する直接的動機はなんだったかを考えてもらいたい。明治以来、重税にたえしのびながら対米戦争に備えても沢山の巨大なものや新型の兵器を実用化してきていた。そこに石油の対日輸出がABCD包囲網によって実行された。これはゆくゆく軍部は面子をつぶすことになっていた。なぜなら、重税を国民に課しておきながら、外交交渉で粘り続け1年後戦争もやもうえないとなった状況下で戦艦も戦闘機もオイル不足で戦えない鉄くずとなることがわかっていたからだ。
 とにかく戦後も石油は日本人を右往左往させた。戦後の石油大量消費世界が地球上に広がったが、産油地はアラブ諸国に偏在することとなった。そこは数千年来のアラブVSユダヤの地で、そこで戦争が起こると石油価格が乱高下し、市民は恐怖に駆られなにをおもったかトイレットペーパーの買占めが起こったこともあった。
 そういったことをベースに日本がなぜ、頑なに原子力発電技術へのこだわりがあったかの理解を深めると共に、原子力が駄目だから火力へ安直に移行するのは日本国民はどこかで納得しないことを思い知らないといけない。しかしこういったエネルギーの立体像を国民一人ひとりが津々浦々共有していないのも事実である。
 そこで再生可能エネルギーの話になるが世界の趨勢は、風力>>太陽光なのに、日本は太陽光>>風力になっている。技術的な話や色々ゴタクをならべるやつらがいるが、私は信じない。
 エネルギーに苦しんできた日本の国民と国家を意図的に分断する勢力がいるとしか思えない。いったい誰なのか私にはわからないが、そのうち解るだろう。

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