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株価分析では「少数株主持分」に注目せよ!!

2005-08-13 | 株価分析では少数株主持分に注目

記念すべき初投稿の今回は、いきなりマニアックで恐縮ですが
連結決算でおなじみの「少数株主持分」を取り上げました。

 

なぜ取り上げたかといいますと、今後連結財務諸表における位置づけが微妙に変わってくるからです。
場合によっては、株価形成に影響を与えるかも知れません。

 結論からいいますと、今後改正される連結財務諸表において「少数株主持分」は、新たに設けられる「純資産」の一項目に含まれることとなります。これまでは、資本と負債の中間項目でした。 株式投資をされている方なら「1株当たり純資産」(BPS)になじまれているでしょう。これまで純資産=株主資本でした。

ところが今回改正されますと、「純資産=株主資本+少数株主持分など」となります。 BPSでいう純資産の再定義がまずもって必要だと思いますが、この字句通りにとらえてしまうと、BPSが上昇する=PBRが低下する企業が結構出てくるのではないでしょうか。

昨今のM&Aブームの中で買われやすい企業として「低PBRランキング」なるものが良く出回りましたが、私だったら「少数株主持分」込みで再計算しますね。(それが正当な企業価値評価かどうかは別にして)。

 むしろ大事なのは、なぜそういう改正が行われるのか、この背景を考えることが大事だと思います。この点はおいおいご説明しましょう。

いずれにせよ、少数株主持分が純資産に含まれ、また今後のPBRも少数株主持分込みで計算されるとしたら、経営者としても買収のインセンティブがより働いて、結構おいしいのではないでしょうか。

 少数株主持分の"お引越し"がM&Aブームに拍車をかけそうです。

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