伊勢ー白山 道

集団では無く、社会の中で心身の健康を正しく個人で目指します

生きようとした姿は尊い

2012-01-27 15:09:36 | 再検証シリーズ

「すべては自分の為だった」(2010-11-23 http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/e/ea9d4543eb7e3e8825c61a0cf2568f7f

読者:
死んだら、悩んだ苦しい状態で凍結するのかもしれませんが、生きながらにして苦しいのであれば、身体もなく、知人のいないところで一人で苦しむ方が、大勢の中の孤独よりも一層楽なような気がします。それが、精一杯に生きた結果であれば、許されるのではないでしょうか?
私の親友は、15年ほど前に、自ら命を絶ちました。当時の彼女の孤独や苦しみを理解できていなかった自分が本当に情けないですが、精一杯生きた彼女は、今はきっと楽になっていると信じています。そして、今は彼女の当時の気持がよくわかります。
人によって、限界は異なり、その人なりの限界までがんばって生きれば、それで許されるのではないでしょうか?
感想:
この読者は、15年間が経過しても自死した友人のことを思い出し、そして理解してあげられなかった自分自身のことを情けないと悔やんでいます
しかし最初の文章では、自分が他人に分からないように自死するのは、許されるのではないかと言っています。
読者自身にも家族や知人がおり、もし音信不通になれば、逆に遺体が無いために生涯にわたり
「どうしているのか?」「元気でいるのだろうか?」「なぜ連絡をくれないのか?」「自分に非があるから絶縁されたのか?」「自分が悪かったのか」・・・
と、悩み続けることを他人に与えるでしょう。
たとえ他人が悩まないにしても、後味のよくない気持ちを周囲の人々に与え続けます。おそらくどこかで、一人寂しく死んでいるんだろうなという、嫌な気持ちを他人に与え続けます。
私が読者の親ならば、老後にボケて、玄関先で子供の帰りを忠犬ハチ公のように待ち続ける行動をしているかも知れません。

これが、他人に悪影響しないと言えることなのでしょうか?
10年、20年、と生きる限り定期的に思う人間の気持ちの磁気量とは、たいへんな物です。
人類には、他人の死が気に成る本能があるのです。猿人の化石を見ましても、埋葬の習慣が発見されてもいます。それほど古くからある本能なのです。
やはり、内在神という共通した1つ成る神性を人類は共有するために、心の奥では他人の生死に対して特別な感情を持ちます。
内在神の発露の具合は、各人で違いの段階がありますが、心の奥に潜れば1つなる神性に行き着きます。

意識表面の自我(ワレヨシの気持ち)では相克(そうこく:対立して争うこと)をしていても、本当の心の深奥では誰もが「全体責任」を感じているのです。だから気に成るのです。
自我(じが)=個人主義。
真我(しんが)・内在神・良心=全体主義。 なのです。
自我は、時間と共にいずれ消えて行きます。死後の49日間のバルドォ期間(http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/e/42500ffa369a71867e738e71dd1977d4
)で解体されます。
自我が消え去った時、人生という短い期間が、特別な特別な恩寵(おんちょう:神様からのプレゼント)だったことを思い出します。
期限付きの短い間(人生)の苦労や嫌な事は、それは貴重な意味ある「自分の為」のイベントだったことを思い知ります。
この時、申し訳なさと感謝の気持ちに包まれます。
まあとにかく、どんな形でも良いですから、最後まで生き切ろうとしましょう。
その姿勢で生きたならば、大往生は間違いありません。絶対です。

(感想)
最近のニュースでは、寒い北海道に住む40代の姉妹が、マンションの自室で死亡しているのが発見されました。
姉は、知的障害のある妹を世話されていました。この頼みの綱である姉が、急性の脳内血腫のために先に亡くなられたのです。その後、期間を置いてから障害のある妹さんは、飢えと寒さにより凍死されました。
姉妹のご両親は、昔に既に亡くなっておられます。

生前に姉は生活保護を受けたいと思い、何度も区役所へ出向きましたが、具体的な指示のないまま時が過ぎたようです。
そうこうする間に、家賃を始めとする入金不足から、電気・ガスなどが止められてしまいました。暖房が止められた極寒の部屋は、とても危険です。
姉の死後に、知的障害のある妹は助けを求めようとして、姉の携帯から何度も「111番」に電話していた履歴が残されていました。
ほんとうは「110番」に電話をしたかったのですが、最後の番号が違っていたのです。なんとも言えない悲しさを、これに感じます。

このニュースは1度しか聞いていませんが、私は今でもたまに思い出して姉妹の御冥福を思っています。
やはり気になるのです。
なぜ気になるのか。それは、姉妹が最後まで生き切ろうとしたからです。
これが自殺ならば、ここまでは気にならないでしょう。
やはり最期まで、けなげに生きようとした人間の死とは、とても崇高なのです。
胸を打つものがあります。
姉妹の内在神への敬意を感じさせます。
姉妹が生きようとしたことは、最後まで内在神を大切にしたことに成るのです。

最後まで守られた姉妹の内在神は、その任務として姉妹を良い世界へと導いています。
肉体を脱いだ妹さんは、障害の縛りが解けて正気に戻り、
「私、111番に電話していたんだよ」と、姉と笑っているように私には感じます。

どんな形であれ、「自分の良心に基づいて」最後まで生きようとすれば、それでその人間は救われるのです。人生の結果などは関係ありません。
すべてを見て知っている、母なる内在神(良心)が必ず祝福してくれます。
「よく頑張ったね、お帰りなさい。」と。

生かして頂いて ありがとう御座位ます


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コメント (388)
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