明るく、死を忘れないこと

「コノ世の私たちは、誰もが必ず死ぬ存在である」
ということを覚悟しましょう。
多くの人がこの必然を忘れています。
しかし、私たちがこの「誰もが死ぬ」という真理を思い出せば、すべての争いは静まっていきます。
（原始仏典　ダンマパダ６番より）

（感想）
「お前は必ず死ぬのに、コノ世のことで何を悩むことがあろうか」
「誰もが死により、途中のままで終わって行くのが道理なのだよ。
だから慌てるな。争うな」
「必ず死ぬからこそ、もう少しだけ全力で走ってみないか？」
という、釈尊のお声が聞こえて来そうな章です。

必ず死んでしまう存在であるのに、アノ世に持っては行けないモノを必死に取り合っているのがコノ世の人間です。
「明るく死というものを」常に自分が忘れなければ、
＊　争いを避け、
＊　他人に情け深く成れ、
＊　少しでも貴重な残り時間を有効に使い、
コノ世を軽やかに楽しむことが出来るのではないでしょうか。

意外にも医師には、進行の遅いガンで死にたいと思う人がおられるようです。
その理由は、
＊　前もって遺言も含めた準備期間が有るから。
＊　生きている間に、感謝すべき人にはお礼が言えて、
謝りたい人には笑顔で、「私はガンに成りましてね。アノ時は本当にごめんなさいね」
と自分の心残りが無いように出来るから。
＊　行きたい場所に最後のお別れをすることが出来るから。
などが有るようです。

医師ならば、多くの人の突然死のような他人に見られることをまったく考慮していなかった死に様も見ているものです。
やはり死という誰もの必須のイベントを、常に「明るく」自覚している生き方と、完全に忘れて思い上がった生き方では、その運命が変わって行きます。

弱くても良いんだ。
間違っていても良い。
ただ、いずれは必ず死ぬということを日々に「明るく」忘れなければ、その継続により
＊　弱くても、出来ることをして置きたい。
＊　少しでも自分を正して置きたい。
と人は思えると感じます。

太陽こそは、朝に生まれて、夕方に死んで行きます。まさに一日一生（いちにちいっしょう）です。
人間も、心は永遠に生きますが、先祖から借りている肉体は有限であることを忘れないで居ましょう。
このような心境が、逆に幸運を起こして行きます。

生かして頂いて　ありがとう御座位ます

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