自分が弱いことを知れば知るほど強く成れます

自分の肉体とは直ぐに消え去る泡（アワ）であることをよく自覚して、
自分が影のようなはかない存在であると真から思えたならば、
悪魔が仕向けるサガ・性という「花」のワナを自ら切断して、
死神から遠ざかる生活をすることが可能に成ります。
「原始仏典　ダンマパダ　第4章（第3節）46番」

（感想）
見かけが美しい花のことを、仏典では「悪魔が仕向けるサガ・性のワナ」と表現をしています。釈尊が、人間のサガ・性のことを「花のようなもの」としています。
考えて見ますと、花は良い匂いがして美しいのですが、必ず枯れてしまう存在です。
そして花を摘み取って、自分の手に入れた時から、その花は枯れ始めます。これは仕方がないことです。期間限定だからこそ、より美しく感じられるものなのです。

手にすれば必ず枯れ始める花のワナ（浮気・不倫など）から離れることは、死神から遠ざかることに成り、逆に花のワナに自ら近付くことは死神に近いことを意味するというのです。
２０００年以上も前のインドでも、「花のワナ」が刃傷沙汰と死を伴う社会問題だったようです。人類には避けることが出来ない男女のテーマだと言うことです。嫌がらずに正しく静観を致しましょう。

この章で大切なことは、
「自分とは泡のような、必ず消え去る存在であることを深く自覚したならば、
それは死神から遠ざかり逆に長生きをすることが可能に成る」
という内容です。
自分自身を病気にしている原因とは、
「自分が必ず死ぬ存在であることを忘れている」
ことだと言えるのです。
実際に、自分の死を自覚した人が奇跡的な病気の回復をすることも有ります。

昔から言われるエピソードに、「自分は００歳まで“絶対に”生きる」と宣言した人は、それよりも早期に死ぬことに成ることがあります。
これは、その年令までの期間は、逆に「死を忘れています」宣言でもあるからです。
死を忘れていますと、逆に死は近付いていると釈尊がこの章で述べています。
つまり人間とは、いつも今日が自分の最後の日だと思って、明るく執着なく生き切る人が、気が付けば長生きをしていたという事態に成るのです。

極端な話、今日自分が死ぬという時に、誰を恨む必要がありましょうか？もう怒ることもアホらしく成ります。
怒るどころか、誰にでも感謝の言葉を人は思いたくなるものです。
もし自分がまだ怒りたいならば、それは自分が本当に死ぬことをまだ信じていない・自覚が出来ていないからです。

釈尊の教えの重要なテーマに、「明るく死を自覚して生きること」が何度も出て来ます。
これが死神・不幸を遠ざけることに成るからです。
今日も明るく、自分がいつか死ぬ存在であることを忘れずに、少しでもより良く生きて見ましょう。
時間限定ですから、死を前にすれば、どんなことも本当は大した問題では無いのです。皆さん自我（じが：ワレヨシの思い）にダマされています。
これに気付くことが、悟りとも言えます。

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