アインシュタインは「神はサイコロを振らない」として、「観察者によりデータが変化する量子力学」を否定していました。
でも一方で、アインシュタインが反論した量子力学の研究においては、
・ そもそもこの世界というものは、観察者抜きには成立しない世界。
・ 観察する側から見ただけの、見える世界を一方的に信じ込んでいる世界。事実とは違う。
ということが様々な実験の検証から徐々に明らかになって行きました。
アインシュタインの主張と、量子力学の提唱者との論争において、大きな転換点が1964年に北アイルランド出身の物理学者、ジョン・ベルにより発表されます。
・ 遠く離れている２つの電子同士は、片方の電子を刺激すると、どんなに離れていても、もう１つの電子にも反応が瞬間的に起こる事実。
・ これは、距離を通過して起こる現象では不可能。
・ つまり、２つの電子は距離感から離れているように「見える」「見る側の思い込み」だけであり、どんなに離れていても「全体で１つ」「分離していない」「１つの中での２つの電子」である。
という理論を発表します。
1970年代以降、このベルの理論を実験的に検証する試みが世界中で多くなされ、1980年代に入ってようやく、ある決定的な実験の事実が発表されることになります。
その結果、量子力学が完全に成り立ち、その正当性が確定することに成ります。
でも、この時にアインシュタインは生存していません。もし、生きていれば、どんな反証をしたのか？に夢があります。
以上の話は難しく、面白くないかも知れません。
でも、コノ世の真理への重大なヒントを、この量子力学の話は示唆しています。
・ 誰もが、自分側から見える内容だけを、一方的に信じ込んで喜怒哀楽をしています。
・ 人は、自分が見るモノ、信じるモノに、自ら無意識に近付いて「そう成っているだけ」が真相。
・ 自分が信じる・見えるその自分自身は、実は違うという真相。他人からは、別の自分に見えている事実。
・ 私達は、「見える」ということだけを頼りにして、幻想を事実として喜怒哀楽を繰り返す。
ここで話が変わりますが、
・ 生まれながらに目が見えない人に、高い精神性からほとばしる微笑みを絶やさない人を見掛けます。
・ 生まれつき目が見えない人に、物凄い霊感者がたまに出ます。でも、高度な能力者ほど、すべての顛末が分かる為に、自分の霊感を内緒にされます（有料先生に成るのはニセモノ）。
つまり、「見える」ことから生じる自我の「思い込み」が、目の不自由な人には生じ難い為に、真相を感じることが可能に成る訳です。
私達は、自分の人生を悪くする「自分の思い込み」に注意をしなければ生けません。
・ 例えば奥さんが旦那さんを見る視点も、初めから「あなたは、そういう人だから」という前提での喧嘩。
・ 子供を叱る場合も、過去のパターンから思い込んで「一方的に叱る」。
これでは、旦那も子供も、「分かってくれない」「違うのに」という感情が蓄積し、将来に違う形で爆発します。
こういうことも、量子力学が言う、
・ 観察者（奥さん）により、データ（旦那や子供）が変化する事実。
奥さんの思い込みの視点を止めて、
・ 「今の」相手を見ようとする努力。
・ 見える光景だけで、激怒しない。それには相手側の事情も有るだろうから。
こういうことで、物理学の法則として、改善する可能性を知って置いてください。
以上は、私なりの独自の解釈であり、量子力学への誤解もあるかも知れません。
ただ、こういう見方の面白さに気付いて頂ければ幸いです。
＊読者による補足。
「ＥＰＲパラドックスとベルの不等式 」
量子力学の理論では遠く離れた二つの電子について瞬時に情報が伝わる、ということを最初に言い出したのはアインシュタイン自身ですね。これはアインシュタインを含めて、共同で論文を出した３人のメンバーの頭文字をとってＥＰＲパラドックスと呼ばれています。ただし、アインシュタインたちはこの内容を量子力学が不完全であることの理論的な証明として提唱しました。どういうことかというと、当時、相対性理論の正しさは広く受け入れられていましたが、相対性理論によると、二つの離れた点の間に伝わるいかなる情報や現象も、光の速さ以上の速さでは伝わらないとされます。これが相対性理論における因果律です。一方、当時まだ出来上がったばかりの量子力学に基づくと、互いに相関のある二つの電子が離れた場所にある場合、片方の状態を測定して観測すると、もう片方の状態も瞬時に決まることをアインシュタインたちは指摘しました。これは情報が光の速さを超えて瞬時に伝わること、すなわち相対性理論の因果律を破ることになります。従って、相対性理論の因果律を支持する立場からすれば、量子力学は相対性理論の因果律を破るので正しくなく、パラドックス、すなわち矛盾があるというのがアインシュタインたちの立場でした。
しかしその後、実際には実験によってこのような瞬時に情報が伝わる現象が確認されたために、今ではこれはパラドックスではなく、量子力学の特徴として受け入れられています。
生かして頂いて 有り難う御座います
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