5月 1日 

2020-04-30 14:58:18 | Weblog
                      メーデー・労働祭

            2020年のメーデー=労働組合の連合はこのほど、都内で予定している
            第91回メーデー中央大会について、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、
            インターネット配信を中心とした開催にすると発表しました

          May Day」のルーツは、ヨーロッパに古くから伝わる五月祭といわれ、
     初夏の若草の出づる野に集い、花を摘み、歌い踊る楽しい祝日だったという。現在のメーデーは、1886
     5月1日、米国の労働者が「8時間の労働、8時間の休息、8時間の教育」を
     叫びストライキ、デモを行ったことに始まる。3年後の第二インターナショナル創立大会で、この日を
     <万国労働者団結の日>と定め、労働者の祝日とした。翌年に第1回メーデ
     ーを開催。日本でのメーデー初集会は、1905年(明治38)に平民社で開催された「メーデー茶話会」だが、
     労働組合主催で公然と行われたのは、1920年(大正9)5月2日の上野公園でのメーデーが最初。
     戦後の1952年のメーデーは、デモ隊と武装警官の流血事件となった。
 



     主婦たたら踏むメーデーやヒロシマに         沢木欣一


     メーデーや昭和に我等汗臭く             武藤光晴


     黒鉄の汽罐車艶に労働祭               秋元不死男


     メーデー歌うたふ踵に力こめ             菖蒲あや


     黒鉄の汽罐車艶に労働祭               秋元不死男


     メーデーの行くさきざきの赤躑躅           山田みづえ


     メーデーを太く詠みたし詠めざりし          大牧 広


     ガスタンクが夜の目標メーデー来る           金子兜太


     メーデーや我が青春のコッペパン            原 昭二



          


     2009年のメーデーを吟行として俳句の仲間と日比谷公園に行きました
     その折授かった拙句


     メーデーの列動きだす土埃 

     先導は若き警官労働祭

     メーデーの空突き上ぐる団結旗 

     履き慣れし靴の破れや労働祭
 
 



                     
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4月 30日 荷風忌

2020-04-29 13:59:06 | Weblog
                     荷風忌・永井荷風の忌日

          明治・大正・昭和にわたる小説家・永井荷風(ながい かふう)の
          1959年(昭和34年)の忌日。
          1879年(明治12年)12月3日、現在の東京都文京区春日に生まれる
          作品には。『腕くらべ』(1918年)珊瑚集』(1913年)、
          小説『つゆのあとさき』(1931年)、『濹東綺譚(ぼくとうきだん)』(1937年)、
          日記『断腸亭日乗』(1917~1959年)などがある。


      色町や真昼ひそかに猫の恋

     深川や低き家並のさつき空

     行春やゆるむ鼻緒の日和下駄          永井荷風



          


     荷風忌やタイル張りなる喫茶店          河原地英武


     素うどんにやげんの七味荷風の忌         矢野孝子


     どぜう屋の下足の木札荷風の忌          石原筑波


     シネマの灯消えし六区や荷風の忌         佐藤とみお


     蝙蝠の骨折れしまま荷風の忌           中野一灯


     海老太き天麩羅そばや荷風の忌          森垣一成


     荷風忌やアメリカ映画好む妻           荒川英之


     未だ色気残りし吾や荷風の忌           下山幸重


     空襲を語る母亡し荷風の忌            山口耕太郎



          



     荷風忌の踊り子がガムを噛む楽屋         伊藤黄雀


     木場丸太浮きつぱなしに荷風の忌         小島千架子


     独り身の自由が淋し荷風の忌           山田具代


     荷風忌や雨よりも日にあやめ褪せ         成瀬桜桃子


     荷風忌の近しひそかに潮上げて          片山由美子


     荷風忌を駱駝に乗りて遊びけり          有馬朗人

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4月 29日 昭和の日

2020-04-28 16:06:13 | Weblog
                     花茨・花うばら・野ばらの花・茨の花


     青山河茨の花を折り持てば            細見綾子


     花茨散らし鷲翔つ明日香川            清水弓月


     見はるかす津波禍の土手花茨           国枝洋子


     花うばら児への片仮名軍事便           矢野孝子


     湖見ゆる姫街道やうばら咲く           掛布光子


     水見色の瀬音ゆかしき花茨            矢野愛乃


     野茨の花が枝張る舟着場             伊藤範子


     大鼠横切る疾さや花茨              水野時子


     花茨軍艦島の闇深し               玉井美智子


     とうさんとつぶやいてみる花うばら        幸村志保美


     湯の町を分つ渓流花うばら            小原米子




          



     野茨つむわれが欺せし教師のため         寺山修司 


     恙なく家族居ぬ昼花うばら            寺井谷子


     女の学校紅旗かかげて花茨            中村草田男


     サーバーはきっと野茨風が立つ          坪内稔典


     野いばらや水よりひかるものを言ヘ        夏井いつき


     誰彼の咳に散りしく花うばら           横山房子




          

        《 昭和の日に因んで 》

     春眠し昭和一桁ことに眠し            大牧広


     短足の昭和一桁浜蒲公英             中村棹舟


     昭和など忘れて久し春時雨            高野ムツオ


     ソメイヨシノ昭和の端を歩いてきた        岡崎淳子


     ステテコや彼にも昭和立志伝           小沢昭一




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4月 28日

2020-04-27 15:36:24 | Weblog
                     薔薇・花薔薇・蔓薔薇・白薔薇・薔薇園


     薔薇植ゑし手足のよごれ四月尽           細見綾子


     背を曲げて古寺の路傍の薔薇を嗅ぐ         沢木欣一


     バラ園のホースの水を天に放つ           栗田やすし


     友若しバラの香に顔深く埋め            下里美恵子


     蔓薔薇や百葉箱にペンキ塗る            矢野孝子


     赤き薔薇棺に載せて出棺す             鈴木みすず


     薔薇の雨立子の小さき硯箱             伊藤範子


     薔薇の門くぐる画集を繰るやうに          米元ひとみ


     みどりめく少女の裸像薔薇盛り           梅田 葵


     ペルシャ猫見ゆる出窓や薔薇屋敷          千葉ゆう


     ひとり居に一人のリズム薔薇の花          井沢陽子


     仏間にも薔薇活け母へ香を分つ           桜井節子


     朝摘みし花匂ひ立つ薔薇の風呂           服部達哉




          



     少女美し薔薇もチョコレートも売れる        安住敦


     その国の子が出て薔薇の大使館           鷹羽狩行


     おほぞらは素顔の青さ薔薇出荷           岡本眸


     棘に触れ薔薇より紅き薬塗る            林 翔


     薔薇の門家庭教師として潜る            能村登四郎


     白薔薇の花の尖りの弛みたる            松本たかし




          


          


          
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4月 27日

2020-04-26 17:19:39 | Weblog
                     竹皮を脱ぐ・竹の皮散る・竹の皮


     実朝の墓で拾ひし竹の皮             細見綾子


     竹皮を脱がず白壁越えにけり           河原地英武


     竹皮を脱ぐかそけそよ業平寺           下里美恵子


     竹の皮脱ぎ散らしたるけものみち         国枝隆生


     竹皮の終ひの一枚反りて付く           梅田 葵


     竹皮を脱ぐや清浄無垢の肌            夏目隆夫


     竹皮をぬぐや真青な露しづく           武田稜子


     師の句碑へ竹つややかに皮脱げり         山本光江


     竹皮を脱げり小町の化粧井戸           伊藤旅遊


     竹の皮脱ぎし真竹に絹の雨            高橋幸子


     竹皮を脱ぐ静けさの師弟句碑           大島知津


     竹皮の散る音かすか綾子句碑           塩坂恵子




          



     三回も幹にあたりて竹皮落つ           今瀬剛一


     竹皮を脱ぐ少年の反抗期             小松絢子


     竹皮を脱ぐひとときの無風かな          桂 信子


     竹皮を脱ぐにあそべる烏骨鶏           野沢節子


     竹皮を脱ぐ押し合ひし光かな           長谷川久々子


     朝月や竹の皮散る小督塚             相島虚吼
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4月 26日

2020-04-25 17:03:56 | Weblog
                     卯の花・空木の花・箱根うつぎ・谷うつぎ・梅花うつぎ

                       < 卯の花 >


     朝霧の晴れて山見ゆ花うつぎ           細見綾子


     卯の花や白川郷へ橋一つ             栗田やすし


     廃鉱の錆色の路はなうつぎ            岡田佳子


     水の鳴る木橋のほとり花空木           田畑 龍


     峠路にまぶしき白さ花うつぎ           内田陽子


     卯の花や釣瓶井残る生家跡            佐藤とみお


     虚子へ向く立子の墓や花卯木           熊澤和代


     卯の花や板張り粗き外厠             武藤光晴


     魚はねて空木の花の影ゆらす           牧 啓子


     師の庭の光あふるる花卯木            長江克江


     踊り子のドガのスケッチ姫空木          山下帰一


     国盗りの城にこぼるる花空木           市江律子


     九頭竜に沿ひたる山路紅うつぎ          金田義子



          

           谷空木


     卯の花や一握となる洗ひ髪            鷲谷七菜子


     梅花卯木とはいみじくも呼びなせる        富安風生


     優しかり卯の花どきの湯殿山           佐藤鬼房


     かすみつつこころ山ゆく花うつぎ         飯田龍太


     谷ゆけば硫黄こぼるる花卯木           秋元不死男


     卯の花やみちのくぶりの大鎧           水原秋櫻子




          

           梅花空木


          

           箱根空木
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4月 25日

2020-04-24 14:32:35 | Weblog
                      杜若・燕子花・白かきつばた


     天然の風吹きゐたりかきつばた          細見綾子


     綾子亡し風と遊べるかきつばた          栗田やすし


     かきつばた男川女川のひゞき合ふ         下里美恵子


     縄文土器大目まんまる燕子花           山 たけし


     咲き揃ふ花びら重き杜若             内田陽子


     雲映す流れかそけし燕子花            宇田鈴枝


     池の面の光やまずよ杜若             利行小波


     綾子師と吹かるる心地かきつばた         熊澤和代


     かきつばた触れ合ひて色濃くしたり        鈴木真理子


     水音の絶えぬ木曽路や杜若            清水聡子


     戒壇を叩く雨粒かきつばた            金原峰子


     杜若茶室に白湯のたぎる音            日野圭子


     産卵の鮒が揺らせり杜若             中本紀美代




          



     蓬莱も比良も雲中かきつばた           鷲谷七菜子


     花どきの水のふくらみかきつばた         鷹羽狩行


     夕暮は人美しく杜若               高木晴子


     父恋ひの色の噴き出すかきつばた         鍵和田釉子


     藍色をもて光琳の燕子花             清崎敏郎


     杜若切ればしたゝる水や空            高浜虚子




          

          岡江久美子さんが亡くなったニュースに
          なぜか涙が出て困った
          朝食の家人の前で涙が
          ただただご本人とご家族の口惜しさ
          如何ばかりだったろうと


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4月 24日

2020-04-23 12:56:29 | Weblog
                     花菖蒲・菖蒲田・菖蒲池・黄菖蒲・白菖蒲


     毛越寺僧の足型か菖蒲田に            沢木欣一


     雲下りて来よ白菖蒲水に咲く           細見綾子


     身籠りて職辞す便り花菖蒲            栗田やすし


     花菖蒲かがめば水の匂ひたつ           渡辺かずゑ


     夕暮の風俄かなり花菖蒲             中山ユキ


     菖蒲守脚抜く時に水濁る             武藤光晴


     血の池に揃ひ立ちたり菖蒲の芽          磯田なつえ


     花菖蒲紫紺に染まる雨の玉            新井酔雪


     雨ためて藍の深まる花菖蒲            加藤純子


     葛飾の水に影置く花菖蒲             石原筑波




          



     池さびし菖蒲の少し生ひたれど          水原秋櫻子


     年寄りにやがて菖蒲の咲く時間          宇多喜代子


     巨き掌をわれに賜ひぬ白菖蒲           石田波郷


     むらさきに佇てば白恋う菖蒲園          花谷和子


     村雨の菖蒲分け行く田舟かな           内藤鳴雪


     どこにでもゐる顔多し菖蒲園           中村苑子


     廣々と紙の如しや白菖蒲             星野立子




          


     
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4月 23日

2020-04-22 15:17:16 | Weblog
                     葱坊主・葱の花


     葱坊主燈台に風鳴るところ            沢木欣一


     空き瓶に水入れて葱坊主挿す           細見綾子


     井戸神は丸き石なり凪坊主            上杉和雄


     葱坊主つつ立つ道を秘仏見に           下里美恵子


     ちちははの声知らず古稀葱坊主          佐藤とみお


     首塚に打ち捨てられし葱坊主           小長哲郎


     「どうして」の増ゆる幼子葱坊主         小原米子


     お互ひを舐め合ふ仔牛葱坊主           後藤暁子


     葱坊主坊主くづして花咲けり           中根多子


     売られ行く仔牛の声や葱坊主           八尋樹炎


     裏畑に葱の花咲く奈良井宿            市原美幸


     しりとりの続きは明日葱坊主           鈴木栄




          



     草臥れてさみしくなりぬ葱の花          岡本眸


     山里に首出す富士や葱坊主            村山故郷


     水溜跳べぬがありて葱の花            石川桂郎


     葱坊主愛のことばは道化めく           平井照敏


     葱の花ふと金色の佛かな             川端茅舎


     葱の花エンタシスてふ青柱            山口青邨


     風呂敷をはたけば四角葱坊主           波多野爽波



          
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4月 22日

2020-04-21 13:49:19 | Weblog
                  虎杖(いたどり)・さいたづま・みやまいたどり・紅虎杖


     虎杖の吹かれてゐたり窯の裏           栗田やすし


     登り窯いたどりは木となりゐたり         沢木欣一


     いたどりの花を活けたり加賀料理         細見綾子


     虎杖の紅き芽吹きや噴火口            中村修一郎


     窯垣の隙に虎杖赤芽立つ             国枝洋子


     虎杖を折れば茎より滴れる            片山浮葉


     虎杖を刈りて広ぐる陶干場            野々垣理麻


     虎杖の節の紅さよ陽を返す            市江律子


     いたどりを噛みて遠き日よみがえる        坂本操子


     虎杖の小枝添へたる山の膳            成田久子


     虎杖の紅く芽吹けり古戦場            渋谷さと江


     虎杖のサラダに能登の塩少し           足立サキ子




          

            紅虎杖


     いたどりを噛んで旅ゆく熔岩の上         野澤節子


     ぽんと音更に又音さいたづま           阿波野青畝


     ゼリイおく虎杖の葉のとびし風          富安風生


     虎杖や蝦夷用水の辺に茂り            高浜年尾


     虎杖や干されどほしの父のシャツ         廣瀬直人


     虎杖をむかし手折りぬ四月尽           石田波郷




          
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