5月 31日

2024-05-31 05:24:10 | Weblog
                          雪ノ下・鴨足草・虎耳草





                     




          無明庵やさしき花を鴨足草            沢木欣一


          筧水鴨足草に落ちてゐし             細見綾子


          雪ノ下崖にはびこる貴船道            小西照子


          鴨足草花の枝垂るる政子の井           服部満代


          路地めぐる水の豊かに鴨足草           神尾朴水


          水しぶく崖にはりつく鴨足草           萩野文子





                     




          ふるさとや井戸草と呼ぶゆきのした        山口青邨


          年寄の知恵さりげなし鴨足草           黛 執


          虎耳草流人の家に栄えける            佐藤春夫


          花もつれもつれもつれて雪の下          清重国子


          奥宮の御手洗小さし鴨足草            轡田 進


          湧き水を汲むたびに濡れ鴨足草          鷹羽狩行





                     




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5月 30日

2024-05-30 05:26:15 | Weblog
                               青葡萄





                     




             ご承知の通り青葡萄は 青々とした未熟な夏の葡萄のこと。 熟しても青い種類(例えばシャインマスカット)
             では有りません、季語としては晩夏の季語となっています




          青ぶだうの中に一粒青錆びて           細見綾子


          青葡萄一房ごとに影やどす            牧 啓


          ボヘミアのガラス工房青ぶだう          本多俊枝


          青葡萄の前に休むときめてをり          中川幸子


          アルプスの風に粒立つ青葡萄           豊田紀久子


          教会の点字の聖書青葡萄             日野圭子





                     




          やうやくに倦みし帰省や青葡萄          水原秋櫻子


          青ぶだう山一重づつ暮れかかり          鍵和田釉子


          一房の葉にかくれたる青ぶだう          上野小百合


          まだ誰も触れない涼気青葡萄           今瀬剛一


          青葡萄しだるる隙に湖の紺            佐野美智


          青葡萄山から村の時計読む            大峯あきら





                     




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5月 29日

2024-05-29 05:42:41 | Weblog
                      花茨・花うばら・野ばらの花・茨の花






                     




          青山河茨の花を折り持てば            細見綾子


          花うばら児への片仮名軍事便           矢野孝子


          見はるかす津波禍の土手花茨           国枝洋子


          野茨の花が枝張る舟着場             伊藤範子


          湯の町を分つ渓流花うばら            小原米子


          湖見ゆる姫街道やうばら咲く           掛布光子





                     




          野いばらの水漬く小雨や四手網          水原秋桜子


          花茨馴れては恋ふる荒瀬かな           中村汀女


          野いばらや水よりひかるものを言ヘ        夏井いつき


          女の学校紅旗かかげて花茨            中村草田男


          湖の波岸を打つ音茨の花             右城暮石


          野茨つむわれが欺せし教師のため         寺山修司
 





                




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5月 28日

2024-05-28 05:57:38 | Weblog
                          紫陽花・四葩・七変化





                一年を通して桜の頃、紅葉の頃と同じように紫陽花の開花が時候を教えてくれる
                代表的な花です 開花時間も長く少しの間七変化を愉しみましょう




                      




          寺町が晩学の宿濃紫陽花             栗田やすし


          紫陽花の重みを母の乳房とも           河原地英武


          父の供花少し小振りの濃あぢさゐ         岸本典子


          あぢさゐの藍をつくせし寺の庭          黒木純子


          七変化たつぷり活けて美容院           梶田遊子


          白紫陽花幼き毬は薄みどり            巽 恵津子





                     




                     




          紫陽花や一日は水もむらさきに          林 翔


          子の渦に保母ひとりづつ濃紫陽花         福永耕二


          四葩咲き夕べ疲れし掌              菖蒲あや


          七変化はじまる白は毬なさず           吉年虹二


          あぢさゐや夢にはいつも医師の父         水原 春郎


          飽くほどの平和おそろし七変化          伊丹三樹彦





                     




                     




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5月 27日

2024-05-27 05:50:55 | Weblog
                          夏椿・沙羅の花・さらの花




             ツバキ科の落葉高木。十メートルほどの丈になる。白い花びらに黄色の蕊をもつ。咲いてもその日の
             うちに落ちてしまう一日花。花の形が椿に似ていることから「夏椿」ともいう。
             沙羅双樹とは、夏椿のことではありません。 沙羅双樹は、寒さに弱く、日本で育てることは
             できないのです。 では、平家物語の一節に読まれている沙羅双樹とは何の木のことなのでしょう。
             実は、沙羅双樹の代用として、日本では「夏椿」が植えられていました





                     

                         沙羅双樹




          あはあはと沙羅の花びら空にあり         沢木欣一


          本堂に遠き潮騒沙羅の花             武藤光晴


          夏椿縁切り状の墨薄れ              日野圭子


          雨しとど沙羅の蕾の落ちるまま          小栁津民子


          沙羅散るや鑑真廟の苔の上            角田勝代


          朱印押す僧の手白し沙羅の花           前田史江





                     




          沙羅の花捨身の落花惜しみなし          石田波郷


          和紙よりも縮れ微妙に沙羅の花          山下美典


          惜みなく咲くは落るは夏椿            飯島晴子


          沙羅の花雲霧は末の散りやすし          鷲谷七菜子


          飛石のほどよき湿り沙羅の花           西畑幸子


          沙羅双樹慈眼に細花莟もつ            能村登四郎





                     




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5月 26日

2024-05-26 05:18:59 | Weblog
                            柘榴の花・花柘榴





                    




          ざくろ濃く咲く築城の石切り場          岸本典子


          雨細し紺屋の庭の花柘榴             大津千恵子


          下宿屋の暗き階段花ざくろ            関根切子


          鬼子母神祀れる庭の花ざくろ           安藤幸子


          花ざくろあつさり落ちてころがれり        中山敏彦


          逆縁てふ悲しき響き花ざくろ           ころころ   





                     




          十年経てば悲しみも実に花石榴          中村草田男


          子のあらばつけたき名あり花石榴         片山由美子


          見上げては人みな通る花石榴           佐藤 ともえ


          八十のゲーテに恋の花石榴            妹尾亮山


          深爪を剪りし疼きや花ざくろ           鈴木真砂女


          花石榴すでに障子の暮色かな           加藤楸邨





                     


                       八重ざくろ・花ざくろ<園芸品種でふつう結実はしません>




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5月 25日

2024-05-25 06:03:08 | Weblog
                            棕櫚の花・花棕櫚





                     




          昏れぎはの空が明るし棕櫚の花          関根近子


          海へ向く五百羅漢や棕櫚の花           中村たか


          棕櫚の花ギター教師の庭先に           松本恵子


          曇天やぼつてり垂るる棕櫚の花          菊池佳子


          棕櫚の花芭蕉の句碑へこぼれけり         福田邦子


          棕櫚の花咲き継ぐ島の天主堂           ころころ





               




          村落に洋館ありて棕櫚の花            政岡子規 


          棕櫚の花こぼれて掃くも五六日          高濱虚子


          異人住む赤い煉瓦や棕梠の花           夏目漱石 


          棕梠の花海に夕ベの疲れあり           福永耕二


          空深し花棕梠の黄は誰も見ず           上関ふみ子


          棕櫚は花をぐいと曲げたる萱庇          石田勝彦
 





                     




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5月 24日

2024-05-24 05:41:27 | Weblog
                      楝の花(あうちの花)・花楝・栴檀の花





             暖地の海岸近くに自生する。本来の自生は四国までとされるが、公園などに植えられたものの逸出、
             野生化で関東地方~宮城でも自生が見られる。古名のアフチは「淡い藤」から。
             樹高は30mにもなるものも有ります





                



          吉野川青き流れの花楝              細見綾子


          栴檀の花や高空曇りがち             梅田 葵


          肩組める予科練像や花楝             岩上登代


          車椅子押す手に零る花あふち           熊澤和代


          栴檀の匂ひ満ちたる毛利墓所           上杉和雄


          でこぼこの溶岩に降り継ぐ花楝          角田勝代





                




          見返るや門の樗の見えぬ迄            正岡子規


          栴檀の花のさかりの睡き昼            日野草城


          樗咲き子が借りにくるわが机           福永耕二


          防人の島のかんざし花樗             鷹羽狩行


          樗咲き敢て甘ゆる姉娘              林 翔


          ひろがりて雲もむらさき花樗           古賀まり子





                




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5月 23日

2024-05-23 04:56:41 | Weblog
                               柿の花





                




          幼な日の苗代に散りし柿の花           細見綾子


          銃後てふ母の青春柿の花             畑ときお


          柿の花土塁崩れし曲輪跡             安藤幸子


          曇天に散りて錆をり柿の花            武藤光晴


          髪型を変へし女教師柿の花            斉藤陽子


          柿の花こぼれ尽きたり長屋門           小山 昇





                




          役馬の立ち眠りする柿の花            小林一茶


          据風呂の中はしたなや柿の花           夏目漱石


          こぼるるもくだつも久し柿の花          富安風生


          柿の花落ち尽すかに落ちにけり          加藤洋子


          犬小屋はいつもからつぽ柿の花          木村 さだ


          風来ると見れば禅僧柿の花            鷲谷七菜子





                




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5月 22日

2024-05-22 06:08:41 | Weblog
                         馬鈴薯の花・じゃがいもの花





                     




          事もなげにじやがたら芋の花咲ける        細見綾子


          じやがいもの花の中より北狐           栗田せつ子


          一畝の馬鈴薯咲かせ島に住む           久野和子


          畑一面むらさき淡き藷の花            石川紀子


          最果ての牛乳うまし薯の花            垣内玲子


          馬鈴薯の花に隠るる開墾碑            ころころ





                     




          みつしよんの丘じやがたらの咲く日かな      中村汀女


          わが教卓馬鈴薯の花を誰か挿す          福永耕二


          東京の宅地に畑薯の花              木檜和久


          じやがいもの花の起伏の地平線          稲畑汀子


          畝高きじやがいもの花晴れ女           佐藤鬼房


          廃銀山馬鈴薯の花ここに尽く           皆川盤水





                



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