セレンディピティ ダイアリー

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Art Archives @山梨県立美術館 & ワイナリー・サドヤ

2020年12月31日 | グルメ

山梨県立美術館でアートを楽しんだ後は、美術館内のカフェ Art Archives (アート・アーカイブス) でお昼をいただきました。ランチには洋食、ティータイムにはケーキがいただける、明るく落ち着いた雰囲気のレストランです。

これはスパゲティミートソース、ビーフシチュー、チキンのクリーム煮と、お店の人気メニューがセットでいただけるスペシャルプレートです。これに、サラダとスープがつきます。

私は「栗田宏一・須田悦弘展 -Contentment in the details-」にちなんだ特別展メニュー、大地のカレー ミニ植木鉢ティラミスセットをいただきました。ごはんは白米と雑穀米が選べます。

シェフこだわりのスパイスと野菜ピューレで煮込んだカレー。特別展にちなみ、オリーブとツナで表現した「土」がさりげなく散らしてあります。お店の農園で収穫したという新鮮な季節野菜といっしょにいただきます。

雑穀米に添えられた豆苗や、スコップの形のスプーンなど、須田さんの「植物」や栗田さんの「土」を連想させる楽しいアイデアがいっぱい。新鮮野菜もまろやかなカレーもおいしかったです。

デザートは植木鉢型の器に入ったティラミス。ココアパウダーで「土」を表現しています。ミントの葉はともかく、シリアルは何を表しているのかしら? こちらにもスコップの形のスプーンがついています。コーヒーとともにおいしくいただきました。

食後は美術館のある芸術の森公園を散策しました。甲府盆地を取り囲む山々の美しさに魅了されました。右に見えるのは同じく公園内にある山梨県立文学館です。

公園内にはところどころに彫刻作品が置かれています。これは佐藤正明さんの「ザ ビッグ・アップル No.45」という作品です。

紅葉・黄葉もきれいでした。

この後、車に乗って甲府市内にある1917年創業の「ワイナリー・サドヤ」を訪れました。

敷地内にはレストランや結婚式場があり、ヨーロッパの町を思わせる雰囲気です。

こちらのワイナリーでは、ワイナリーと地下セラーの見学ツアーを行っていますが、残念ながらこの日は既に予約でいっぱいだったので、ショップでテイスティングだけ楽しむことにしました。

お店のスタッフに相談して、きりっとした味わいのスパークリングワインをいただきました。豊潤ですが甘すぎず、口当たりがよくておいしかったです。

ショップに整然と並ぶワインボトルが美しい。

スパークリングではないですが、おみやげにワインを買って帰りました。

***

この記事で今年のブログ納めといたします。
本年もたいへんお世話になりました。
みなさま、よい年をお迎えください。

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山梨県立美術館 コレクション展/栗田宏一・須田悦弘展

2020年12月30日 | アート

今月初めにドライブがてら、山梨県立美術館に行ってきました。

場所は甲府市の芸術の森公園。設計は東京都美術館を手掛けた前川國男さんです。手前の彫刻はヘンリー・ムーアの「四つに分かれた横たわる人体」を後ろから見たところです。

山梨県立美術館といえばミレーの「種をまく人」で知られていますが、その他にも魅力がたくさんあってすっかりファンになりました。地元の人たちに愛されている美術館であること (県ナンバーの車が多かった)。企画展だけでなく、常設展示が充実していること。

ミレーに端を発してバルビゾン派の作品がコレクションの核となっていますが、山梨県出身の芸術家の所蔵作品も多く、県のアーティストの魅力を発信していること。館内にスタッフを多く配置しているところも好感が持てました。

館内は、ミレー館、常設展示室、萩原英雄記念室、特別展示室の4つのパートで構成されています。まずはミレー館から見て回りました。

 

農村の風景や農民の生活を描いた作品の多いミレーをはじめバルビゾン派の、色彩のトーンを抑えた作品が、展示室の赤い壁によく似合います。美術館のトレードマークでもあるミレーの (左) 種をまく人。そして (右) 落穂拾い、夏。

それぞれオランダのゴッホ美術館、アメリカのセントルイス美術館に貸出していたのがもどってきて、2つ並べて展示されていました。農民の姿が力強く描かれた本作は、発表当時は高く評価されましたが、一方で政治批判と捉えられ、議論を巻き起こしたそうです。

コレクションの中では、山梨出身の画家 佐藤正明さんの「ニューススタンド」シリーズに圧倒されました。多民族・多文化都市であるニューヨークのエネルギーが、細密描写の作品からあふれ出すように伝わってきます。

特別展は「栗田宏一・須田悦弘展 -Contentment in the details-」が開催中でした。お二人とも山梨県出身で、国際的に活躍している現代アーティストです。特別展は、撮影が可能でした。

須田悦弘さんは彫刻家です。木を繊細に彫り出して彩色した作品は、どれもリアリティたっぷり。このスルメイカ?も思わず手を伸ばして確かめたくなりました。

この他、朴の木を薄く薄く削り出して彩色したさまざまな花の彫刻を、それぞれのために特別に用意した空間とともに展示するインスタレーションが印象的でした。

写真はタイサンボク。アメリカではマグノリアとよばれる南部を象徴する花です。弧を描いた白く細長い空間の奥にひっそりと咲いていました。別の空間ではマグノリアの花びらが散り、芯だけが残っていました。

円い池を模したツルツルとした板の上に咲いていた水連。これも木を薄く削って作られています。この他、コンクリートの割れ目から顔をのぞかせる、ツユクサなどの雑草を削りだした彫刻作品も存在感がありました。

栗田宏一さんは土をテーマにしたインスタレーションで知られるアーティスト。日本中そして世界各地の土を採取し、それを乾燥させてふるいをかけることで、それぞれの土が持つ固有の表情を引き出します。

土は湿っている時は茶色ですが、乾かすと思いがけない色が現れるのだそうです。上の写真はどう見てもカレーのスパイスですが^^ これが全て土であることに驚かされます。

日本各地で採取した土のコレクション。四角い和紙の上に四角く均一に広げられていますが、これだけで気が遠くなるような作業です。この作業の過程も作品の一部です。

それにしてもピンクとか紫とか水色とか、ほんとうにこんな色の土があるの?というくらい、それぞれの土が持つ表情の豊かさに驚かされます。

こちらは日本中から集めた土がふるいにかけられ、微小な粒子がそれぞれ試験管のような共通の瓶に納められています。ずらりと並んでいると圧巻で、一見絵を描くパステルのようですが、それぞれにはラベルがつけられ、まるで実験試料のようです。

そういえば山梨県出身のノーベル生理学・医学賞受賞者 大村智博士は、やはり世界各地の土を採取して人体に有効な微生物を集めたことを、以前本を読んで知りましたが、偶然とはいえ栗田氏との不思議なつながりを覚えました。

会場では、栗田宏一さんと須田悦弘さんのインタビュー映像も上映されていましたが、お二人のお人柄も垣間見え、興味深いお話をうかがいました。

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ピカールのクリスマス 2020

2020年12月27日 | 料理

帰省した息子を交えて、遅ればせながら家でクリスマスのお祝いをしました。昨年までは4~5時間かけて焼くローストターキーや手作りケーキを用意していましたが、今年はがらりと路線変更して

フランスの冷凍食品専門店ピカール (picard) のお料理を使ってみました。ピカールのベーグルが気に入って何度か買ったことはありましたが、お料理は買ったことがなかったのでちょっと心配でしたが

クリスマスのチラシにあった、鴨やフォアグラ、エスカルゴなど、ピカールだけでフランス料理のフルコースディナーが用意できるとの触れ込みに、ちょっと試してみたくなりました。今回購入したのはこちらの4点。

左上:フランス南西部産鴨肉のコンフィ
右上:ムール貝の漁師風(白ワイン、クリーム蒸し)
左下:4種類のBIO野菜のスープ
右下:フルーツティラミス

こちらは自分で用意しました。きのこ (しいたけ・しめじ・まいたけ) のアーリオオーリオ・ペペロンチーノと、ミックスナッツのメイプルシロップがらめ クミン風味。フレシネ (スペインのスパークリングワイン) で乾杯しました。

TRASPARENTE (トラスパレンテ) のバゲットと、いただきものの生ハム。

葉っぱの形のオイルランプは、軽井沢のクラフトショップ Gallery日曜館 で一目惚れして購入しました。鉄を薄く薄くたたいて作られた味わい深いランプは、ティッシュで作ったこよりと植物油だけで灯すことができます。

ピカールのムール貝は袋ごと電子レンジで解凍してできあがり。買う時はてっきり殻つきだと思っていたので、ちょっと予想外でしたが、小粒ながらたくさん入っていました。

タコのマリネサラダは、タコ・きゅうり・プチトマト・パセリをドレッシング (酢・グレープシードオイル・塩・はちみつ) であえて、直前まで冷蔵庫に入れておきました。赤と緑のクリスマスカラーを意識して作りました。

ピカールの野菜スープ (ズッキーニ・にんじん・たまねぎ・ポロ葱) は電子レンジでチン。上にパセリのみじん切りを散らしました。

メインディッシュの鴨のコンフィ。これも電子レンジでチンです。付け合わせのマッシュポテトと、野菜の蒸焼き (ブロッコリー・芽キャベツ・ズッキーニ・なす・自家製セミドライトマト) は自分で用意しました。

鴨肉がほろほろに柔らかくておいしかったですが、やや塩味が強かったかな?

少しひと休みしてからコーヒーを淹れて、デザートにしました。

ピカールのフルーツティラミスは、朝 冷凍庫から冷蔵庫に移しておきました。ちょうど3人で食べ切れる量でした。ティラミスというよりは、ベリー仕立てのレアチーズケーキといった感じですが、今回買い求めた4品の中では一番おいしかったです。

さて今回のピカールでクリスマス。正直言うと、自分で作り慣れたお料理の方が、食べ慣れているので落ち着くと感じました。市販のお料理はどうしても味付けが濃く感じます。でも目新しさがあって、話題も盛り上がり、楽しいディナーとなりました。

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万平ホテルのカフェテラス

2020年12月25日 | +軽井沢

見晴台からホテルへともどりがてら、旧軽の商店街でお買いものをしました。

10月のことで、チャーチストリートの前にはかわいいハロウィーンのディスプレイ。

別荘地を走る観光用の人力車。

車を置いていた万平ホテルにもどり、旅の最後にカフェテラスで遅めのお昼をいただくことにしました。お茶を楽しむ人たちで満席で、すぐには入れなかったので、しばらくロビーで順番を待ちました。

万平ホテルといえば、館内各所にあるステンドグラスも見応えがあります。これはメインダイニングとロビーの間を仕切る、2枚のステンドグラスのうちのひとつです。江戸時代の参勤交代を描いたものでしょうか。籠に乗ったお殿様を運ぶ御一行の様子が見えます。

背景には白煙を上げる雪の浅間山も描かれています。

そしてこちらがもう1枚のステンドグラス。こちらは避暑地として知られるようになった初期の頃の軽井沢を描いたものでしょうか。クラシックカーにゴルフバッグを積んだ人たち。その向こうには乗馬を楽しむ人の姿も見えます。

そうこうしているうちに、席の順番が回ってきました。

小ぶりのナンが2つついたキーマカレー。まろやかなお味でした。

私はグリルサンドをいただきました。ハムとチキン、チーズをはさんだシンプルなホットサンドは、ふわっと柔らかくてほのかに温かく、塩気もちょうどいい具合でとてもおいしかったです。

深煎りのコーヒーとともに旅の余韻にひたりました。

さてこちらのカフェテラスはアップルパイが人気ですが、おなかがいっぱいになったので、ならば買って帰ろうと思ったら、テイクアウトはしていないそうです。残念ですが次回のお楽しみにしましょう。

軽井沢旅行記はこれでおしまいです。最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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旧碓氷峠見晴台ハイキング

2020年12月23日 | +軽井沢

軽井沢最終日は、旧碓氷峠見晴台までのハイキングを楽しみました。見晴台へは、万平ホテルの前から赤いボンネットバスが出ていますが、歩いても1時間ほど。旧軽の商店街を北へと抜けて、ショー記念礼拝堂前の二手橋がスタート地点です。

道路を進むと右手に遊歩道の入口があるということでしたが、私たちはその入口を見逃してしまい、行きは車道をずっと歩いて見晴台まで上ることになりました。でも後になって、それが正解だったと納得しました。

途中で私たちを追い抜いて行ったのは、赤いバスのほか数台の車だけという静けさ。道路わきの色づく木々を眺めながら、舗装された道路をのんびり上っていきました。

見晴台に着いて、私たちを迎えたのはすばらしい紅葉。思わず、わあ~っと声を上げました。

ここは長野県と群馬県の県境で、両方の県の風景を眺めることができます。

こちらは南東方面。左の向こうに広がっているのは、下仁田などの群馬県の町です。

こちらはちょうど南方面。目の前を日本アルプスの深い森が、どこまでも連なっていて圧倒されました。吸い込まれそうで怖くなりました。富士山もこの山々の向こうにあるはずです。

すぐ西には、雪の帽子をちょんと冠った浅間山が見えます。今頃は、雪で真っ白になっているでしょうね。

見晴台は公園のように整備されていて、紅葉もみごとでした。

帰りは見晴台の横に、遊歩道の入口を見つけ、無事に遊歩道を通って下りることができました。

最初はこんな感じの明るい森でしたが、途中からだんだん深い森になり、道も細くわかりにくくなっていきます。人が通らず、表示板がほとんどないので、行きだったらひょっとしたら道に迷ったかもしれません。

幸い帰りはある程度様子がわかっていたので、無事に下りることができました。

私は例によって、ジーンズにスニーカーという軽装でしたが、何組かすれ違った人たちはみんな本格的な山登りの装備で、熊の鈴を鳴らしながら歩いていました。

後で知ったのですが、この道は夏はヤマビルも出るそうで、何事もなく下りてこれたのはラッキーだったかもしれません。別荘地に出た時にはほっとしました。

二手橋の前にある軽井沢ショー記念礼拝堂は、カナダの聖公会宣教師アレクサンダー・クロフト・ショーによって創設された、軽井沢最古の教会です。この奥には、ショーが1888年に建てた、軽井沢最古の別荘が復元されています。

ショーがこの地が気に入って別荘を建ててから、軽井沢が外国人たちの間で別荘地として人気が広まったそうです。

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軽井沢 川上庵

2020年12月16日 | +軽井沢

ホテルにもどってひと休みしてから、旧軽井沢の商店街をぶらぶら歩いて、夕食は軽めに 軽井沢 川上庵 でお蕎麦をいただくことにしました。

お蕎麦屋さんというより、カフェといった佇まいのお店です。商店街はそろそろ人が途絶え、静かになっていましたが、ここだけ軽井沢中の観光客が集まってきているのではないか?!というくらいの賑わいでした。

予約はしていませんでしたが、早めの時間に訪れたので、待たずに席に着くことができました。

名前は忘れてしまいましたが、信州の日本酒をいただきました。突出しは蕎麦屋の定番、板わさときゅうりです。一日の余韻にひたりつつ、ほっと落ち着きました。

牛すじ肉と下仁田こんにゃくの味噌煮込み。ほろほろとくずれるほどに柔らかく煮込んだ牛すじ肉が絶品。こんにゃくにもしっかり味噌味がしみ、しみじみと味わい深い一品でした。小さな鉄鍋もかわいいです。

レンコンの海老はさみ揚げ。少し厚めにカットしたレンコンが、さくっといい食感です。

私は、お蕎麦屋さんではまず冷たいお蕎麦しかいただかないのですが、この日は夕方からぐっと気温が下がり、体が冷えたので、めずらしく温かいおろしそばをいただきました。さっぱりとしておいしかった~。

店内にはジャズや R&B が流れ、ちょっぴり大人の空間です。

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ヴィラデストカフェ

2020年12月14日 | +軽井沢

東御のワイナリーやチーズのお店を巡った後、ランチの予約の時間になったので再びヴィラデストにもどりました。

中にショップとカフェ、玉村豊男さんの作品を飾ったギャラリー、ワイナリーがあります。この日はメディアの取材があり、玉村さんもいらっしゃいました。

カフェでは、ガーデンで採れた野菜やハーブ、地元農家の野菜、長野県内の食材を使ったお料理がいただけます。ランチは前菜、主菜、デザート、飲みもののコースです。

まずは、野菜の入ったケークサレ(甘くないケーキ)。メニューになかったものなので、思いがけずうれしかったです。

前菜は2種類から選びます。私は「季節の野菜づくし」にしました。きのこに根菜、葉物野菜、くるみがふんだんに使われ、ワイルド&シンプルに、野菜本来のおいしさがストレートに味わえる一皿でした。

こちらは「茸のクリームスープ」です。きのこの深々としたおいしさが、しみじみと味わえました。

テーブルロールにカンパーニュ。

飾らない温かみのあるテーブルセッティングが、窓から見える豊かな農村の風景にマッチしてすてきでした。お皿のイラストは、どれも玉村豊男さんによるものです。

メインのお料理は4種類から選びますが、2人とも「信州豚ロース肉と丸ナスのグラチネ、トマト風味」にしました。玉村さんが描かれた花ズッキーニが、まるでお料理の一部のようです。

こちらのお皿には葉玉ねぎが描かれています。グリルした豚肉にトマトとナスのグラタンをのせて、オーブンで仕上げたお料理です。グラタンのしっかりとした味付けが豚肉によくしみて、一体感のあるおいしさでした。

「ブドウの葉籠」というすてきな名前のついたデザート。周りを極薄く焼き上げたチョコレート、プレーン2色のチュイールが覆っていて、軽いパリパリ感が秋の落ち葉を連想させます。

ハーブティとともにおいしくいただきました。

窓から見える風景です。手前にはぶどう畑、はるか向こうには千曲川の谷に雲海が広がり、幻想的な美しさでした。

食事の後、マンズワイン 小諸ワイナリーに寄ってホテルにもどりました。ここもコロナの影響でワイナリーの見学やテイスティングはお休みで、ショップのみの営業でしたが、スタッフの方から興味深いお話をうかがいました。

マンズワインには、山梨県の勝沼と、長野県の小諸にそれぞれワイナリーがあり、かつては日本のワインといえば山梨が中心でしたが、最近では温暖化の影響から、ワインの生産地が長野へと移ってきているのだそうです。

マンズワインでも、特に高品質のワインは、今は小諸ワイナリーが中心となっていて、勝沼ワイナリーは規模を縮小しつつあるということでした。千曲川沿いが新しいワインの産地として注目されているのは、こうした背景もあるのですね。

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ヴィラデスト &東御ワイナリーめぐり

2020年12月12日 | +軽井沢

軽井沢の2日目は、軽井沢から車で西に1時間ほど、東御市(とうみ)市にある ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー (Villa d'Est Garden Farm & Winery) を訪れました。

ヴィラデストは、エッセイストで画家の玉村豊男さんが2003年に創業したワイナリーです。玉村豊男さんの「里山ビジネス」という本を読んで以来、ずっと訪れたいと願っていた憧れのワイナリーですが、それから12年もかかってしまいました。

車でしか行けない不便な場所に全くの素人がワイナリーをはじめるとは、途方もない冒険ですが、山を開墾するところからはじめて長い年月をかけ、このようなすばらしい農場とワイナリーを作り上げられたことに、深い感銘を覚えます。

まるで私の大好きな話、ジャン・ジオノの「木を植えた男」のようです。

実際、玉村さんのヴィラデストが種となって、今では千曲川沿いにいくつものワイナリーが生まれ、ワインバレーとして注目を集めているそうです。

ひとつのワイナリーから、地域の発展にまでつながっていることに、驚きと感動を覚えました。

ワイナリーは、残念ながらコロナの影響で現在見学を中止していますが、カフェでランチの予約を入れていたので、時間までの間、近くのワイナリーをいくつか巡ることにしました。

ヴィラデストの兄弟ワイナリー、アルカンヴィーニュ (Arc-en-Vigne)。ワインの架け橋という意味です。2015年には玉村さんの尽力で、ここにぶどうの栽培と醸造、ワイナリーの起業と経営が学べるワイン・アカデミーが開講されました。

スタッフに、アカデミーやワイン工場を案内していただいた後、ショップでアドバイスをいただきながら、赤・白2種類のワインを試飲しました。どちらも飲みやすくおいしいワインで、おみやげにも買っていきました。

これはまた別の、Rue de Vin (リュードヴァン) というワイナリー。ワイン通りという意味です。創業者は荒れ果てたりんご農園だったこの場所にぶどうを植え、ワイン作りをはじめたそうです。

ロゼのワインを試飲しながら、スタッフにうかがったお話では、ぶどうの収穫ボランティアに、都会からも多くの応募があるとか。農業従事者の減少によって荒廃した農村が、ワイン作りをきっかけにして蘇り、活気が生まれていることを知りました。

こちらはチーズ屋さんのアトリエ・ド・フロマージュ (Atelier de Fromage)。この横にチーズ料理のレストランもあります。手作りチーズがおいしそうで、ブルーチーズやブルーチーズ入りのカマンベールなど数種購入し、自宅に送っていただきました。

ワイナリーが点在する山道を車で走ると、ワイン用のぶどう畑が続く向こう、東御の谷に雲海が広がる幻想的な風景に心を打たれました。ジュリエット・ビノシュ主演の映画「アクトレス」の舞台、スイスのシルスマリアを思い出しました。

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割烹熊魚庵の和朝食と、アメリカンブレックファスト @万平ホテル

2020年12月10日 | +軽井沢

万平ホテルで2泊したので、朝食は和食と洋食とそれぞれいただきました。

2日目の朝は、本館にある和食処「割烹熊魚庵」でいただきました。熊魚庵は京都の料亭 たん熊北店の系列店で、万平ホテルでは離れの料亭と本館の割烹があり、朝食は割烹の方でいただきます。

和朝食の御膳は、ごはんかおかゆが選べます。私は「京の朝粥」をいただきました。ジュース(私はももにしました)、先付・お造り・焼肴・焚合・三点盛り・サラダ・ヨーグルト・玉子料理・漬物・味噌汁・お粥・べっこうあんとあります。

焚合の赤いのはこんにゃくでしょうか。黒花豆がついているのがなんとなく信州らしい。京料理のお店ですが、お料理は味付けがしっかりしていて、信州のお味にも感じました。

お粥は途中から、片口に入ったべっこうあんをかけていただきました。吉野葛のべっこうあんは、生姜の風味が効いています。写真ではわかりにくいですが、しめじも入っていました。とろりとしたおしょうゆ味がやさしく体に沁みました。

3日目の朝は、メインダイニングルームでアメリカンブレックファストをいただきました。中庭の緑がきれいです。

前日もものジュースをいただいたので、この日はりんごのジュースにしました。グリーンサラダと、フルーツの入ったヨーグルト。

3種類のパンと季節のジャム。

卵料理は2人ともオムレツにしました。こちらはソーセージを添えて。

私はハムにしました。美しく形の整ったオムレツは、柔らかすぎず焼き加減もパーフェクト。朝の目覚ましコーヒーとともにおいしくいただきました。

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メインダイニングルームのディナー @万平ホテル

2020年12月06日 | +軽井沢

今回の旅行は、軽井沢に2泊しました。最初の夜は、万平ホテルのメインダイニングルームでディナーをいただきました。ワインで乾杯して、コースのお料理がスタートです。

「マグロとビーツと夏秋イチゴのサラダ バルサミコ酢風味」 このほか、トレビス(赤紫色でほろ苦いレタスのような野菜)、赤いスプラウト、紅芯大根と、赤い食材で統一されていました。マグロは霜降りされています。

テーブルロール2種類。右は全粒粉のパンです。

「栗のクリームスープ 福味鶏のそぼろ餡浮かし」 甘みのあるポタージュがこっくりとした味わいです。福味鶏はこの日の昼間にタリアセンでもいただきましたが、信州のブランド鶏です。お皿に描かれているのはホテルのトレードマークである、スズランです。

「スズキのポワレ ヴァンブランソース」 ヴァンブランというのは白ワインのこと。スズキは身がふっくらとしておいしかったです。ズッキーニ、モロッコいんげん、パプリカなど、信州野菜が彩りよく添えられています。

「国産牛フィレ肉のグリル マデラ酒のソース」 王道ともいえるお料理はかぐわしいソースとともに正統派のお味でした。さつまいも、きのこなどの野菜が添えられ、どことなく秋の装いです。

本日のデザート。上にのっているのはシャインマスカットとアイススクリーム、生クリームです。下はパンナコッタのブルーベリーソースだったような気がしますが、はっきりと思い出せません。

紅茶といっしょにおいしくいただきました。

これは翌日の朝に撮ったロビーの様子。ホテルのエントランスを入って正面、左奥に見えるのがメインダイニングルームの入口です。廊下との間には昔の軽井沢の様子を描いたステンドグラスが嵌められ、広々とした重厚な広間でした。

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