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京都旅行記(2023・秋)宇治 晴耕雨読と平等院

2024年01月19日 | +京都

京都旅行記(2023・秋)の続きです。これまでの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・秋)京町家ランチと、圓通寺の庭園
2.京都旅行記(2023・秋)先斗町寿司よし乃
3.京都旅行記(2023・秋)ブーランジェリー 進々堂の朝食

2日目は、進々堂さんでボリュームたっぷりの朝食を楽しんでから、ホテルをチェックアウトし、京阪電車とJR奈良線を乗り継いで、宇治に向かいました。というのも、息子が宇治にどうしても食べて欲しい担々麺のお店があるというので。

担々麺が、旅行のメインイベントというのも変ですが、息子はこの日のためにわざわざ予約を入れてスタンバイ。ついでに平等院に行ったことがないという夫のために、あわせて平等院に行くことになりました。

JR宇治駅の前には、茶壷の形の郵便ポストがお出迎え。宇治といえば平等院、そしてお茶どころ。駅から平等院に行く参道に伊藤久右衛門、中村藤吉、福寿園をはじめ、歴史を感じるお茶の名店が軒を連ねています。

こちらは中村藤吉本店です。中庭には黒松の巨木、ショップは伝統とモダンがセンスよく融合した、とてもすてきなお店でした。なんといってもお茶屋さんの、お茶を焙煎する香りが大好きなんです。

子どもの頃、近くのお茶屋さんの前を通る度に、いい匂いだなーとくんくんしたことを思い出しました。参道にある別のお茶屋さんで、まとめておみやげを買い求めました。

平等院の横を流れる宇治川です。これは屋形船でしょうか。風情がありますね。この日はイベントで舟のレースが開催されていましたよ。

柔らかなグラデーションの紅葉がとてもきれいでした。

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この後、20分くらい歩いて、息子のお勧めのまぜそば屋さん、晴耕雨読 さんにお昼を食べに行きました。

お店のホームページを見ると、意識高い系という感じですが、見た目はどこにもありそうな、こじんまりとしたラーメン屋さん(失礼)で、ご年配のご夫婦が2人で切り盛りしています。私は看板メニューの汁なし担々麺をいただきました。

フェットチーネ風の平打ち麺に、花椒(ホアジャオ)のよく効いた肉そぼろと、ナッツ、たまねぎなどの野菜がのっていて、びりりと痺れるような辛さが刺激的。香ばしいナッツがまろやかさを添えて、とてもおいしかったです。

ただ、量が私には多すぎて、がんばったのですが、3分の1ほど残してしまいました。汁なし担々麺は好きなのですが、残さず食べたことがありません。小盛りがあったらうれしいのですが、申し訳なく思いました。

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この後再びもどって、今度は平等院に入りました。

この頃には雨がポツポツきて、あいにくの空模様でしたが、鳳凰堂の美しさは変わりません。平等院については、以前記事にしているので、今回は説明は省きます。

【過去記事】宇治 平等院 (2018-05-15)

今回もミュージアム鳳翔館に入りましたが、雲中供養菩薩像はやっぱりかわいいなーと思わず顔がほころびました。こちらで今回の旅行記はおしまいです。長々とおつきあいくださり、ありがとうございました。

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京都旅行記(2023・秋)ブーランジェリー 進々堂の朝食

2024年01月13日 | +京都

京都旅行記(2023・秋)の続きです。これまでの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・秋)京町家ランチと、圓通寺の庭園
2.京都旅行記(2023・秋)先斗町寿司よし乃

京都の街は、喫茶店や珈琲店など、おいしい朝食がいただけるお店が多く、いつも楽しみにしています。今回は宿泊したホテルの1階にある、進々堂 三条河原町店で朝食をいただくことにしました。

進々堂さんは、1913年創業の京都の老舗ベーカリー。京都に13店舗ありますが、京都以外に進出していないこともあって、これまで知らず、入る機会を逸していました。

三条河原町店はベーカリーレストランとなっていて、朝食からランチまで、店内でパンとお食事が楽しめます。(東京で言えば、神戸屋キッチンに近い業態かな?と思います。)

ガイドブックなどでも紹介されているのか、国内外を問わずお客様が多く、順番待ちとなっていましたが、15分くらい待って店内に案内していただきました。朝食メニューは種類が豊富で、いつもならさんざん迷うところですが、御多分に洩れず、今回も迷いました。^^

フライドエッグセットです。ワンプレートに半熟の目玉焼き、ベーコン、サラダ、5種類から選ぶパンのトースト、そしてコーヒーがつきます。ザ・定番な朝食メニューですね。

こちらのお店の朝食セットにはすべて飲み物がつき、コーヒーでしたらお代わり自由です。

私はトーストサンドと迷いつつ、こちらのフレンチトーストヨーグルト添えセットにしました。これが大正解。これまで食べたフレンチトーストの中で一番、というくらいおいしかったです。バゲットの切り方も細長くておしゃれですね。

オニオングラタンスープの好きな息子は、スープブレックファストセット/オニオングラタンスープにしました。こちらはブレッドサービスといって、食べ放題のパンがつきます。

店員さんが店内を回っていて、お好みの焼きたてパンを次々サーヴしてくれます。回ってくる度に違うパンがあるので、少しずつ分けて選ぶのがよいみたいです。パン好きにはたまらない魅力的なお店でした。

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京都旅行記(2023・秋)先斗町寿司よし乃

2024年01月12日 | +京都

間が開いてしまいましたが、京都旅行記(2023・秋)の続きです。前回の記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・秋)京町家ランチと、圓通寺の庭園

今回宿泊したのは、ロイヤルパークホテル 京都三条です。前回宿泊したロイヤルパークホテル京都四条が満室だったのでこちらにしたのですが、これが正解でした。このエリアは四条よりも飲食店が多く、先斗町も歩いてすぐです。

ロイヤルパークホテルはリーズナブルながら、シンプルでシックなお部屋が心地よく、お部屋の浴槽が大きいのが私にはうれしいです。(大浴場よりお部屋のお風呂の方が落ち着くので) 家で愛用している入浴剤を持参して、自宅と同じようにくつろげました。

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さて夕食は、お寿司が食べたいという息子の希望で、ホテルから近い 先斗町寿司よし乃 さんを訪れました。


いかにも京都らしい風情のあるお店ですが、お寿司屋さんとしては比較的リーズナブルと思います。予約をしていなかったのですが、早い時間だったのでテーブル席が1卓だけ空いていてラッキーでした。

奈良のお酒 三諸杉 (みむろすぎ) をいただきました。すっきりとした口当たりでおいしかったです。奈良県三輪のお酒で、三輪山や大神神社とも深いつながりがあると知り、親しみを覚えました。

【過去記事】小説「奔馬」の舞台 三輪山へ (2018-11-04)

付き出しはたぶん、たこの酢味噌和えかな? さっぱりとおいしい。

鰻の白焼きをいただきました。鰻の白焼きはいつか食べたいと思っていましたが、鰻屋さんに入るとやっぱり蒲焼が食べたくて、白焼きをいただく機会がありませんでした。

めずらしくお寿司屋さんのメニューにあったので、夫がせっかくだから食べてみたら?とたのんでくれました。関西風のパリッとした焼き方でしたが、淡泊なお味でおいしかった。最近、食の好みが醤油味から塩味に変わりつつあります。

このあと、西京焼き (写真を撮り忘れ)、そしておまかせでお寿司をいただきました。

炙った甘鯛と、太刀魚。これが一番気に入りました。

鳥貝としめ鯖。

おまかせといっても、それほどめずらしいネタはなかったけれど、全体的に小ぶりで、ごはんが少なめなのが私好みでした。

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京都旅行記(2023・秋)京町家ランチと、圓通寺の庭園

2023年12月16日 | +京都

7月に京都に行ったばかりですが、11月にまたもや夫の京都出張に便乗し、私は東京から、息子は奈良から合流して、週末の京都旅行を楽しんできました。

まずは京都駅で息子と待合せして、二人でお昼をいただくことに。息子は特に食べたいものはないというので、その場でGoogle Mapsをチェックして、五条にある「食と森」という京町家のカフェに行くことにしました。

京都駅からは歩いて10分くらい。住宅街の縦横十字に続く小路を気持ちの赴くままに歩いて行きましたが、京都はなんでもない街並みも味わいがあって、おしゃべりしながら歩くだけでも楽しいです。

着いたお店はこじんまりとした、なんとも愛らしい佇まい。入ってすぐの土間がキッチンとなっています。靴を脱いで、二階のお部屋を案内していただきました。

細くて急な階段を上ると、昭和のレトロな空間が広がっています。ちゃぶ台席とテーブル席があって、私たちはテーブル席にすわりました。書棚には赤茶けた文学書もあれば、最近の画集もあり。オープンリールの録音機やラジオ、ナット・キング・コールのLPレコードなど。

古いもの7割に新しいもの3割くらいの、絶妙なバランスがいい感じ。

こちらのお部屋には古いタンスにテレビ、柳行李のバスケットに火鉢、姿見など。「三丁目の夕日」に出てきそうです。この他、廊下には古い書棚や、長持など。子どもの頃、母の実家に大きな長持があり、何が入っているんだろう、と怖かったことを思い出します。

ランチのセットはワンプレートで、この日は白身魚や野菜の天ぷらに、サラダや野菜のおかず数種がついていました。ごはんは十穀米か玄米が選べて、これにお味噌汁がつきました。ヘルシーながらボリュームたっぷりのおいしいランチでした。

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この後、ホテルで夫と合流して向かったのは、京都市左京区にある圓通寺 (えんつうじ)です。これまで知らなかったお寺ですが、michiyoさんから「比叡を背景にした借景がすばらしい」とお聞きして、訪れたいと思っていました。

京阪電車と叡山電車を乗り継いで、木野という駅から約30分歩きました。郊外の住宅街をぶらぶら歩いて着いたお寺には、なぜか巴瓦に菊のご紋。この後、お寺で説明を受けて知ったのですが、このお寺はもとは後水尾天皇の山荘、幡枝離宮だったそうです。

その後、後水尾天皇が修学院離宮を造営したのにともない、こちらの幡枝離宮は後水尾天皇の希望により、禅寺として開基したということです。

【過去記事】修学院離宮(2018-06-13)

圓通寺の見どころは、比叡山を借景に取り入れた広大な枯山水の庭園です。境内ではこの庭園だけが撮影が許されています。枯山水といえば、水紋を描いた白砂利に石を配した石庭を思い浮かべますが、この庭園は、苔を主体に石を並べてあるのがユニークでした。

また立木の間から比叡山を望む風景に、私が思い出したのは葛飾北斎の「冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷」です。

神奈川県の今の保土ヶ谷から富士山を望んだ風景で、この絵が描かれたのは1830-33年。圓通寺のもととなる幡枝離宮が造営されたのは1639年ですから、後水尾天皇が北斎のこの作品を知る由もないのですが、不思議な偶然を思いました。

【過去記事】北斎とジャポニズム(2017-12-17)

四季折々の自然が美しい圓通寺。この時は紅葉にはやや早かったですが、実をつけた柿の木、赤い千両の実など、秋の風情をそこここに感じました。

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京都旅行記(2023・夏)河井寛次郎記念館

2023年11月15日 | +京都

だいぶ間があいてしまいましたが、京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町
4.京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング
5.京都旅行記(2023・夏)畳アート @東福寺光明院

畳アートを見た後は、東山五条のオムライス屋さんでお昼をいただいてから、河井寛次郎記念館を訪れました。

清水寺からほど近い住宅街にある、味わいのあるこのお家は、柳宗悦、浜田庄司らとともに民藝運動に携わった、陶芸家の河井寛次郎が生前住んでいた住宅で、現在は寛次郎の記念館となっています。

太い梁と柱、どっしりと風格のある住宅に、寛次郎のぽってりとした厚みのある陶芸作品、ひいては日々の暮らしを見つめ続けた、寛次郎の実直な生き方に通じるものを感じました。

古風で伝統的な日本住宅ながら、どことなくモダンで粋なところも感じられるすてきなお家でした。

住宅から長く続く廊下を通って、奥の窯のあるエリアへと向かいます。白砂が敷かれたシンプルな中庭に、凛とした清潔感を感じました。

廊下にはガラスのケースがあり、寛次郎の作品が展示されていました。ルーシー・リーを思わせる美しいローズピンクにうっとりしました。

八角形ですが、角の取れた四角形といった感じで、やわらかさを感じる器です。温かみのある青色と、幾何学模様の美しさに惹かれました。

寛次郎の作品を見ると、飾りたいというよりは、日常生活に取り入れて日々大切に使ってみたい、と思います。まさに民藝運動が目指した用の美、ここに極まれりです。

廊下を抜けたところから奥は、窯のある作業場となります。これは素焼窯。乾燥した粘土の段階の作品は、この窯に入れて焼きます。

奥の離れも、趣のある建物で、庇に藤棚がありました。この離れにも、寛次郎の作品のほか、東京高等工業学校 (現・東京工業大学) の窯業科を卒業した寛次郎の、克明に記された勉強ノートなどが展示されていました。

さらに奥にある登り窯です。素焼きにした作品は、釉薬をかけた後、この窯で焼きます。登り窯は共同窯で、近隣の20軒が使っていたそうです。このあたりは清水寺に近いので、清水焼の窯元がたくさん集まっていたのでしょうか。

登り窯には階段状に窯が並んでいます。

各窯の室は、こんな風になっています。

再び住宅にもどって、今度は2階に上がってみることにしました。奥に見える階段を上ります。階段の下に収納がついていて、家具のようになっています。

寛次郎の書斎です。

再び1階にもどりました。お座敷の中央に寛次郎のオブジェがあります。

寛次郎は猫を飼っていたようで、今も看板猫が受け継がれていました。ちょっぴりおデブな猫ちゃんが気持ちよさそうにお昼寝の最中でした。

寛次郎の作品、寛次郎の暮らしぶりに触れ、東京にもどったら、寛次郎らが開館に携わった駒場の日本民藝館も訪れよう、と心に決めました。

これで京都旅行記(2023・夏)の〆といたします。長々とおつきありくださり、ありがとうございました。

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京都旅行記(2023・夏)畳アート @東福寺光明院

2023年10月29日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町
4.京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング

珈琲店で朝食をいただいた後は、清水五条から京阪電車に乗って鳥羽街道へ。紅葉の名所で知られる東福寺の塔頭 (たっちゅう) 光明院を訪れました。光明院は「虹の苔寺」の異名を持ち、重森三玲作庭のみごとな枯山水庭園で知られますが

ここ数年はアートギャラリーとしても人気が高まっているようです。2023年7月1日~30日は、「すごい畳」で知られる山田憲司さんの個展があると知り、今回是非訪れたいと思っていました。

門をくぐると、建物入口までのアプローチまでもが庭園のような佇まい。白砂に水紋が描かれ、白砂青松の風景でした。

建物の中に入ると、白砂に石を配して大海を表現した主庭のダイナミックな風景に圧倒されました。

山田健司さんは、岐阜県で創業150年という老舗、山田一畳店の五代目ですが、2018年頃から伝統的な畳を使った新しいデザインを考案し、畳のアーティストとして国内外で活躍していらっしゃいます。

畳をいろいろな形に作ってパッチワークのように組合せ、ひとつの絵を作り上げていますが、おもしろいのは畳の色を変えるのではなく、織目の角度を変えることで光の反射を利用して、色のグラデーションを作り出していることです。

本展では、光明院の紋である鶴を畳で表現していますが、二間続きの部屋に二羽の鶴がそれぞれ羽を広げていて、大迫力でした。畳のまわりをぐるりと歩くと、光の反射によって色が少しずつ変化していくのがわかりました。

鶴もすばらしかったですが、私の心をとらえたのはこちらのお部屋です。

六角形の小さな畳が敷き詰められていますが、これらはすべて同じ畳です。置く向きによって織目が60°ずつ変化し、6色のグラデーションを作り出します。色の濃淡を利用して、模様や絵を作ることもできますね。

庭もすばらしいですが、それを取り囲む建物もみごとでした。

階段を上ったところにある離れの間には、龍の絵に敷き詰められた畳がありました。お寺という空間をみごとに生かしたアートでした。

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京都旅行記(2023・夏)高木珈琲店のモーニング

2023年10月28日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE
3.京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町

京都といえば宇治茶が有名ですが、実は珈琲店も多いです。それもレトロで趣のある昔ながらの珈琲店。こうしたお店では、たいていモーニングを提供しているので、ホテルではなく、珈琲店で朝食をいただくのを楽しみにしていました。

今回は、ホテルの近くにある 高木珈琲店 高辻本店 で朝食を楽しみました。

ビルの1階にありながら、さりげなく歴史を感じる店構えです。どこに行っても自転車が止まっているのが、京都らしい風景です。

朝の目覚ましの一杯のなんておいしいこと。アフリカや南米のコーヒー農園では、昔は収穫したコーヒー豆をロバで運んでいたのでしょうか。物語を感じるイラストが味わい深い。

こちらは、名物リッチモーニング。厚切りトーストに、スクランブルエッグ、ソーセージ、ポテトサラダがついたプレートです。トーストの焼き色と溶けたバターがたまりません。

私はホットケーキをいただきました。懐かしさを感じる優しいお味です。

ブラウンを基調にした落ち着いたインテリアが居心地よくほっとします。キッチンの中では親子3代?おじさまたちが忙しそうにお仕事しています。クチコミで評判が広まっているのか、外国の旅行者の方たちも多かったです。

カウンターの上に出ている棚状の板が何かしら?と気になって、ひょっとして昔はテレビを置いていたのではないかしら?とコーヒーを運んできた3代目らしき若いお兄さんにお聞きしたところ、ちょっと考えて (煙草用の) 空気清浄機だと思います、との答えでした。

(お客様がひと段落して、スタッフの方が隅の席で休憩タイム)

がっかりした顔に見えたのか、その後お兄さんは (上の写真にある) 壁のくぼみを指して、テレビはここにありました、と教えてくれました。はずれたけれど、当たらずとも遠からず。ちょっとうれしくなりました。^^

たしかに昔のテレビはブラウン管で重かったので、薄い板では支えきれなかったでしょうね。空気清浄機用の棚は店内に3ヶ所あって、その昔は煙草を吸うお客さんが多かったんだろうなーと想像しました。

しばしの間、昭和にタイムスリップしたような感慨を覚えました。

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牛若丸が弁慶に出会ったとされる、京の五条の橋の上。
下を流れるのは鴨川。左に納涼床を設えた料亭が並んでいます。

 

 

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京都旅行記(2023・夏)草風土 うしのほね @先斗町

2023年10月22日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回までの記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)
2.京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE

おいしいコーヒーでひと休みした後は、いったんホテルにもどってしばしくつろいでから、先斗町 (ぽんとちょう) に夕食を食べにでかけました。先斗町は、鴨川沿いに続く長い長い路地で、飲食店が並ぶ趣のある繁華街となっています。

7月の18時前に撮った写真なので、まだ明るくて本来の雰囲気をお伝えできていませんが...

夏の先斗町は、鴨川に向けて足場を組んでテラスを設える、納涼床が風物詩となっています。(先斗町の納涼床については、以前コチラで記事にしています。) 今回予約したのは和食料理の 草風土(そうふうど) うしのほね

早い時間は納涼床の空きがなく、屋内の席になりましたが、今年の夏はものすごく暑かったので、結果的にはそれが正解でした。窓に近い席でしたので、納涼床の雰囲気を味わうことができてよかったです。お料理はコースではなく、アラカルトをシェアしていただきました。

せっかくなので京都のお酒をいただきたくて、伏見 都鶴酒造さんの純米酒「都鶴」をいただきました。酒米「山田錦」の旨みを生かしたすっきりとした辛口。お料理にもよく合いました。

つきだしですが、何か忘れました...。

好きな肴を選んで、五種盛り合わせにしました。活蛸の炙り 土佐酢ジュレ、鱧の南蛮漬け、うなぎと焼茄子 冷やしとろろがけ、万願寺唐辛子の肉詰め、和牛しゃぶと新生姜きんぴら。

八宝餃子。羽がしっかりしています。

席から納涼床を望めました。ほのかにくれない色に染まった雲がきれいです。

九条葱 あっさり塩ナムル。シンプルですが九条ネギ好きにはうれしい一品。

たぶんサラダだと思いますが、詳細忘れました...。

お店の自家製梅酒をロックでいただきました。

お魚のフライのようですが、これもわからず...。お店のHPのメニューにのっていないようなので、本日のおすすめメニューにあったお料理かもしれません。

〆に特製牛の骨ラーメン。

食事の後は、鴨川縁の河原をのんびり歩きながらもどりました。各店が納涼床を張り出しているのが京都の夏ならではの風景です。このあと四条通を歩くと、祇園祭の御神輿が並んで置かれている場所があり、ほんの少しお祭りの気分も味わえました。

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京都旅行記(2023・夏)新島旧邸 ~ kawaCOFFEE

2023年10月14日 | +京都

京都旅行記(2023・夏)の続きです。前回の記事はこちら。

1.京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)

金閣寺を訪れた後は、バスに乗って京都御所方面へ。御所のすぐ横にある、新島旧邸を訪れました。宗教家であり教育者、同志社大学の創設者である、新島襄 (にいじまじょう) の私邸です。ここは同志社大学発祥の地で、大学が移転した後の跡地に建てられました。

建物は鎧戸のあるアメリカ・コロニアル様式ですが、どこか和の佇まいも感じられます。

新島襄は近代日本におけるキリスト教の祖ともいうべき人物で、クリスチャンの端くれとして一度はここを訪れたいと思っていましたが、公開日が限られていてこれまで旅程となかなか合わず、今回ようやく訪問の念願を果たしました。

アメリカに憧れ、アメリカに渡って大学で自然科学や神学を学び、後に日本でキリスト教の伝道と教育に生涯をささげた新島は、日本を代表する宣教師として、アメリカのワシントン大聖堂にも彫像が掲げられています。

新島襄は、大河ドラマ「八重の桜」で八重の夫として登場しているので(演じているのはオダギリジョーさん!)ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

建物の中には入れませんが、窓越しに中を見学することができました。竣工は1897 (明治11) 年。洋風の外観、そして家具も洋風ですが、間取りは日本風で、日米両方の文化を愛した新島らしい邸宅と思いました。

上の写真は書斎ですが、和と洋の要素がまざりあい、畳のお部屋に洋風の家具を置いているような印象を受けました。西洋風の鎧戸の上に、明り取りの欄間があり、障子がはまっているのがユニークです。壁一面に書棚がありましたが、その8割は洋書ということです。

こちらはダイニングルーム。奥に見えるのは応接間です。洋風のお部屋ですが、間が日本式の襖で区切られているのがおもしろい。お部屋はすべて洋間でしたが、新島亡き後、八重は洋間のひとつを改造し「寂中庵」というお茶室を作りました。

建物の裏側です。同じコロニアル様式でも表側とは少し違ったデザインで、ニューオーリンズのフレンチクォーターに見られる建物に少し似ているように思いました。こちらも窓の上には明り取りの欄間が設えられています。

新島襄の生涯を知る上でも、建築物としても、興味深い建物でした。

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新島旧邸を訪れた後、どこかでひと休みしようということになり、ぶらぶら歩いて偶然見つけた珈琲店 kawaCOFFEE (カワコーヒー)  に入りました。

窓際に横並びに4席、キッチンに面したカウンターに4席あるのみのこじんまりとしたお店ですが、町家風の落ち着いた佇まいが心地よく、マスターの気さくな笑顔に誘われるようにして窓側の席に並びました。

メニューは、本格的なコーヒーから、自家製のカステラなどのスイーツまで。カステラは人気のようで、わざわざ買いにみえている方もいらっしゃいました。

せっかく珈琲店に入ったので、ホットコーヒーにしたいところでしたが、この日は冷たい飲み物&甘いものが欲しくて、めずらしくコーヒーフロートをいただきました。冷たいアフォガードといった感じでおいしかった! 生き返りました。

窓の外にはマスターが配達用?通勤用?に使うのでしょうか。お店の名前の入ったかわいい自転車が止まっていて、絵になりました。

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京都旅行記(2023・夏)松粂さんのミニ会席 ~ 鹿苑寺 (金閣寺)

2023年10月08日 | +京都

昨秋の函館旅行記がまだ終わっていませんが、今年7月に訪れた京都の旅行記を先に書くことにいたします。夫の京都出張にあわせて、私は東京から、息子は奈良からやってきて、土曜日に合流しました。

ちょうど祇園祭のさ中。いつものホテルの予約が取れず、今回は四条の ザ ロイヤルパークホテル 京都四条 に宿泊しました。シンプルで使い勝手がよく、お部屋の浴槽が大きかったのが個人的にはよかったです。現地で買った入浴剤を入れて、ゆったりとくつろぎました。

旅は土曜日のお昼に待ち合せた、こちらのお店からスタートしました。

四条と五条の間、烏丸通りからちょこっと入った住宅街にある 松粂 (まつくめ) さんです。趣のある京町家の雰囲気にほっと心がなごみます。とはいえ、エアコンの室外機が表に出ていたり、お店の前にママチャリが止めてあったり、飾らぬ風情がまたよい感じ。

こちらはもとは仕出し料理屋さんだったということですが、お手頃価格で本格的なミニ会席のランチが楽しめます。お隣のテーブルでは女子学生4人が期末試験の打上げランチ?なんとも微笑ましい雰囲気でした。

こちらがお昼のミニ会席のお膳です。酢の物、焼物、煮物、揚物、ごはんとお吸い物がついて、どれもおいしかった! 私は特に関西風のふわっふわの出汁巻き卵と海老真薯が気に入りました。これぞ京都というお味でした。

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おいしいお昼をいただいた後は、市営地下鉄とバスを乗り継いで、金閣寺へと向かいました。

金閣寺は、正式名称を鹿苑寺(ろくおんじ) といい、銀閣寺とともに相国寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつです。でもこの金色に輝く姿は相国寺以上に知られ、国内外を問わず人気がありますね。この日もおおぜいの観光客でにぎわっていました。

1397年に足利義満によって開基された後、2度の落雷、応仁の乱、さらに放火による焼失を経験し、ドラマティックな変遷をもつお寺です。1950年の放火事件は、三島由紀夫の小説でもよく知られています。

2020年12月に京都を旅行した際、金閣寺がちょうど修復中で訪れるのを断念したので、今回予定に入れて楽しみにしていましたが、山々を借景にして水辺に浮かび上がる斜利殿(金閣)の神々しい美しさに圧倒されました。

金閣寺を訪れたのは、ひょっとしたら修学旅行以来でしょうか。当時、中二病を患っていた生徒たちの間では、金閣寺より渋い銀閣寺の方が人気が高かったような記憶があります。^^

でもあらためてこうして見ると、落ち着いた金色が自然の風景の中に違和感なく溶け込んで品格があり、しみじみと美しいと感じました。

後方からパチリ。高低差のある境内全体が広大な庭園となっていて、暑い中ではありましたが散策が楽しめました。

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