Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

石鎚山環境保全応援団

2016-03-15 | 山のフォークロア

 

間もなく石鎚登山の玄関口である土小屋へのアクセス路、石鎚スカイラインも開通し、

長い冬の間、閉ざされていた石鎚登山のメインルートが開放される。

土小屋から山頂へ至る登山道の維持管理を実質的に担ってきたのは、

お山を御神体として祀ってきた石鎚神社だったと思う。

7月1日のお山開きを前にして、毎年登山道のあちらこちらで修復が行わるのを目にしてきた。

お山開きの10日間は、石鎚神教の信者さんたちが地元の四国、対岸の中国地方や九州からも

バスを連ねて大挙して訪れる。

それは小さな子供から腰の曲がったお年寄りまで「六根清浄」と唱え、

白装束に杖を頼りに一歩一歩足元を確かめながら。

ある意味、一般の登山道と較べると、それは過剰に思えるくらいの整備だったかもしれない。

信者さん以外の一般登山者である私たちは、それを当たり前のこととして甘えてきたのだろう。

昨年、石鎚神社は高齢化に伴う信者数の減少のため登山道の維持管理が困難になってきたことを発表した。

 

先週末だったか、愛大山岳会の白石さんから連絡が入った。

石鎚神社が実質上、登山道整備から撤退することで、これからの維持管理のための費用を捻出しなければならない。

国定公園を管理する国や自治体の予算は限られている。

近年、石鎚山系の山小屋再建やバイオトイレの設置に尽力してきた白石さんたちの活動を

私なりに側で見て来たので、この先、国や自治体を当てにしても埒が明かないだろう。

雪解けの4月から5月の登山道を歩けば分かる通り、

雪の重みや雪解けの崩落で、あちらこちらで土砂崩れや木道の崩落個所が目につく。

白石さんたち石鎚山クリーンアップ協議会は、新たに「石鎚山環境保全応援団」を立ち上げ、

広く一般の皆さんに登山道や二の鎖元バイオトイレ維持管理のための費用を募ることにしました。

 

応援団寄付金 ■ 一口、法人 30000円 個人 10000円 (寄付金は一年間一口以上)

応援団登録期間 ■ 登録期間は一年間(登録日の翌年該当月まで)毎年登録の御意思を確認します。

寄付金の使途 ■ 石鎚山トイレ休憩所の維持管理、マナー向上など意識啓発、登山道修復など環境保全。

応援団登録の特典 ■ 石鎚山トイレ休憩所内に御氏名又は名称を掲示いたします。(登録期間中掲示)

その他、クリーンアップ事業のパンフレット等に御氏名又は名称を掲載いたします。

一口につきトイレクーポン券(12枚)を進呈します。

申し込み及び寄付金の入金方法 ■ 登録は以下の申し込み先へ電話またはEメールかFAXでお問い合わせください。

申し込みを頂いた方には、振込先をお知らせしますので、関係金融機関へ寄付金を御入金ください。

〒793-8601 西条市明屋敷164

西条市観光物産課内 「石鎚山クリーンアップ協議会」

電話 0897-52-1446 FAx 0897-52-1200

メールアドレス kanko@saijo-city.jp


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4 コメント

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登録申し込み方法の変更 (ランスケ)
2016-03-15 23:00:29
先程、白石さんから電話があり、登録申し込み方法が変更されました。

送付されたパンフレットには登録申し込み用紙とありましたが、
二度手間になりますので直接「石鎚山クリーンアップ協議会」の方へ電話またはEメール、FAXでお問い合わせください。
振込先をお知らせします。

お山を愛する皆様の善意の志をお待ちしています。
石鎚神社 (鬼城)
2016-03-19 07:56:16
本当にご苦労様といいたいですね。縁の下の力持ち・・・ほとんどの人が知らないと思います。私も当分、総会などには出ていませんので状況は「南尖峰」(会報)でしか分かりません。来年度(もう一月後)に連絡があると思います。開発など進めた国や地方行政に頼むことが出来ないのが不思議です。
難しい問題 (ランスケ)
2016-03-19 10:08:31
う~ん、どうも愛媛県は山の環境整備に予算を使いたくないようです。
同じ四国でも高知や徳島の避難小屋の充実と較べるとね?

確かに地方の人口減少は歯止めがきかないくらい加速していますし、
橋などの耐用年数が来ていてインフラ整備に予算が回らないと聞いています。
高齢化に伴う社会保障費の増大も待機児童の問題も…
優先すべき予算の配分を考えると、あまり大きな声で不満も云えないですね(汗)
本当は、最も大きな無駄遣いがあるのですが、ここでは指摘しません。

唯、白石さんから資料を送られて、ちょっと疑問に思うのは、個人負担の寄付金の額です。
登山人口を支える高齢者は、お金を切り詰めて生活する年金生活者が主体です。
その人たちから毎年一万円を集めるのは、かなり負担が大きいのではないか?と思えるのです。
一口三千円くらいに抑えて、広く沢山の人から集めた方が効果があるのではないか?と思えるのですが。

寄付金者の名前を公表するのも疑問です。
法人なら宣伝効果があるでしょうが、個人だと名前の公表を望まない人もいるでしょう。
まだまだ改善の余地があると思えます。

石鎚神社が登山道整備から撤退した限り、私たちで智恵を出し合って行かなければ。
持続可能な方法を。
土小屋ルート通行止めの経緯 (ランスケ)
2016-03-22 20:58:38
今日、リンク先のサイトを覗いていてwaiwaiさんの2/14付の記事に出会った。
石鎚神社の登山道整備からの撤退に伴う国や県との折衝の経緯を伝える詳細な内容だった。
一読して驚いた。
恥ずかしい話だが、私は、この経緯をほとんど知らなかった。
ここ数年、山から足が遠退いたことと地元紙である愛媛新聞を購読していないので伝聞情報しか入って来なかった。
とは云え、よく調べもしないで、この募金記事を書いてしまった私も軽率でした。
申し訳ありません。
以下にwaiwaiさんの記事を貼ります。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~uekabuto/kyuukeisitsu-16(tozandou).html

事前にwaiwaiさんに記事のリンクを貼ることの了解をお願いしました。
「御自分の私見が入っているのでどうか」という返信でした。
でも、読んでみると分かるように、至極真っ当な内容の、
我々が普段感じている疑問点ばかりです。

石鎚神社撤退による石鎚登山のメインルートである土小屋ルート通行止めという問題は、
解決策を見い出せないまま見切り発車の形で4月のオープンに向かっています。
山へ入る当事者である私たちは、もっと自分自身の問題として向き合わないと、
神社、国、県のお互いの責任放棄の末に、また通行止めという事態になりかねませんよ?

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