Landscape diary ランスケ・ ダイアリー

ランドスケープ ・ダイアリー。
山の風景、野の風景、街の風景そして心象風景…
視線の先にあるの風景の記憶を綴ります。

幽(かそ)けき森

2013-05-31 | 
どうしたものか雨の季節は、心が騒ぐ。 低く棚引く雨雲も、篠つく雨に滲む風景も、どこまでも距離感を喪失させる深い霧の森も、 大気に漂う水の粒子が、くっきり形をなしていた世界を淡々と変容させる幽(かそ)けき風情… そして雨の森は、緑が葉先から滲みだしたような、あえかな光に包まれる。 それは午後遅い、光が消え入りそうな時間でした… . . . 本文を読む
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八幡さんの杜

2013-05-25 | 
となりのトトロで、トトロの棲む森と少女が出会うシーンを思い出してほしい。 それ自体が生き物のように、もりもり天空に向かって盛り上がる葉を茂らせた巨大な樹。 あれは小山のように密生した葉叢を茂らせた樹々の集合体である鎮守の森の姿、そのものだった。 目線の低い子供にとっては尚更、それは大きなものに対する憧れと畏れを伴って… . . . 本文を読む
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森の力 / 宮脇昭

2013-05-23 | 
震災後の復興プロジェクトとして、受け入れ先を失くして途方に暮れていた瓦礫処理の 画期的な立案として注目を集めたのが「森の長城プロジェクト」だった。 津波の被害を受けた海岸線に瓦礫による盛り土を築き、そこにその土地本来の植生の森を (瓦礫の利用は、幼木の根が酸素吸入をするための土壌の空間密度と根を絡ませるために有効らしい) 再生させようという壮大なプロジェクトだ。 . . . 本文を読む
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森迷宮

2013-05-21 | 
雨上がりの森を目指した。 見上げる峠越えの山並みは、未だ雨雲が垂れていい感じ。 ところが西の空から、みるみる青空がその領域を広げてゆく。 つづら折れの杉木立から、幾筋もの斜光が射し始める。 「まだ、早過ぎる」 天気予報では天候の回復は、正午過ぎのはず… 峠越えのトンネルを抜けると、燦々と明るい陽射しが射す眩い世界が飛び込んでくる。 う~ん、またしても思惑は外れた。 . . . 本文を読む
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Stay Gold な夕暮れ

2013-05-13 | 風景
あれから三ヶ月、やっと山へ還ってきた。 身体の機能を損なうということが、如何に不自由なことか、 人の運動機能が、どういう身体の部位の連携で動いているのか、 改めて基本に還るというか、 生命体としての身体性(蘇生力)を実感した三ヶ月間だった。 . . . 本文を読む
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わかりあえないことから / 平田オリザ

2013-05-08 | 
平田オリザの本が売れているのは知っていた。 今、盛んにコミュニケーション能力という言葉が持て囃され、求められている。 「空気を読む」とか「和を乱さない」とかの日本特有の従来型のコミュニケーション能力から、 異文化理解能力というグローバル・コミュニケーション・スキルが求められるようになってきた。 . . . 本文を読む
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クリストファー・ロビンの森へ再び

2013-05-06 | 
森歩きへの再開にA・A・ミルンの物語の主人公の名を使ったのは偶然だが、 期せずしてクリストファー・ロビンという少年の名に、この森とイギリス田園地帯の物語世界の森との一致点を見い出すことになる。 . . . 本文を読む
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クリストファー・ロビンの森へ

2013-05-04 | 
五月の森は、香しい若葉の放つ浅緑の光に包まれていた。 耳を澄ませると、そこかしこから春を迎えた野鳥たちの命を謳歌する高らかな囀りが聴こえる。 そして森の林床には、淡い色合いの小さな花々が木漏れ陽の先で風に揺れていました。 . . . 本文を読む
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八日目の蝉 / 角田光代

2013-05-01 | 
「サラの鍵」を観ていて、これは「八日目の蝉」だと思った。 村上春樹の新刊「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」のページを繰る最中にも同じ思いに囚われた。 フラッシュバックのように否、シンクロニシティのように被さってくる「八日目の蝉」が気になって仕様がない。 2007年出版の角田光代のベストセラー小説を、今一度、読み返してみた。 . . . 本文を読む
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