今日という日は……

日々のつぶやき、趣味の写真、ランニング、映画、etc
拙いブログですが…

女優 園井恵子 / 無法松の一生

2021年10月15日 | 映画


『無法松の一生』と言えば、1958年に公開されベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した三船敏郎主演の映画のことだと思っていましたが、同じ台本で製作された1943年公開の作品があることを知りました。

無法松の一生1943(YouTube)

人力車夫の松五郎を演じているのは坂東妻三郎(故田村正和さんの父親)で、松五郎が思慕する軍人の未亡人、吉岡夫人を演じているのは園井恵子(上の写真)という方です。

清楚で美しく気品のある未亡人を演じ大変人気を博したそうです。

園井恵子さんは1945年8月6日、広島に原爆が落とされた時、爆心地からわずか700Mの場所におり爆風で吹き飛ばされたものの外的には無傷で、無事だったことを大層喜ばれたようです。

しかしその後、原爆症(放射線障害)により8月21日死去。わずか32年の生涯でした。

私は古い映画を見ると気になった俳優さんのことをWikipediaなどでよく調べるのですが、亡くなるまでの様子などを知りこれほど哀れを誘われたことはありません。

私の中の『無法松の一生』は1943年版になりました。




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映画『我等の生涯の最良の年』

2021年08月18日 | 映画


『ローマの休日』で有名なウィリアム・ワイラー監督作品『我等の生涯の最良の年』を観た。

1946年に製作、公開されたこの映画、第二次世界大戦の復員兵3人が直面する戸惑いや苦悩が克明に描かれた、社会問題をテーマにした作品です。

75年前の古い映画ですが、見始めから引き込まれ2時間50分の長さを全く感じませんでした。

見終わった後で調べると、この映画はアカデミー作品賞を始め9部門の賞を獲得し、興行的にも大ヒットしたようです。

琴線に触れ、グッとくるシーンも数多くありましたが、復員兵の父と息子の会話の中に『ヒロシマ、原爆』という言葉が出てくるなど、終戦翌年にもかかわらず反戦を訴えている映画でもあります。

俳優さんも皆素晴らしく、特に実際に戦時中両手を失ったハロルド・ラッセルの存在が印象的でした。



NHK-BSプレミアムで放映されたものですが、録画は消さずにいつかまた観たいと思っています。


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戦争映画

2021年01月28日 | 映画


最近レンタルした映画のうち3本が『戦争と若者(子供)』をテーマとしたもので何れも良い作品でした。


『僕たちは希望という名の列車に乗った』

第二次世界大戦後に東ベルリンで暮らす高校生たちが行ったある行為が社会主義国家への反逆行為と見做され次第に追詰められていく。


『ボーダレス ぼくの船の国境線』

イラン・イラク戦争の頃、国境の川に浮かぶ廃船で独りぼっちのイラン人少年が暮らしていた。
ある日、そこに言葉の通じない一人の若いイラク人兵士が侵入してきた。


『ジョジョ・ラビット』

第二次世界大戦下のドイツ、10才のジョジョは青少年集団ヒトラーユーゲントに入団したが、訓練中にウサギを殺すことが出来ずに“ジョジョ・ラビット”というあだ名を付けられる。

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いつも近所のGEOでDVDを借りているのですが戦争映画は『アクション』か『ドラマ』にカテゴリー分けされているんですね。

出来れば『戦争』というカテゴリーを作って欲しいほど戦争映画には秀作が数多くあります。

因みに子供の頃に観た『人間の條件』『二等兵物語』『野火』なども強く記憶に残った作品です。







残酷さや理不尽さなど、ヒューマニズムと対極にある戦争映画に何故魅せられるのでしょうか…

老いを迎え入れるな

2020年12月02日 | 映画


BSで放送されたクリント・イーストウッド監督・主演『運び屋』を観た。

最後、エンディング曲として静かに流れる『Don't Let the Old Man In』(老いを迎え入れるな)がとても良い曲で、老いた主人公C・イーストウッドの姿を重ね合わせながら余韻に浸った。

Don't Let the Old Man Inby トビー・キース

(和訳歌詞)
老いを迎え入れるな…Don't Let the Old Man In
もう少し生きたいから
老いに身をゆだねるな
ドアをノックされても
ずっと分かっていた
いつか終わりが来ると
立ち上がって外に出よう
老いを迎え入れるな…Don't Let the Old Man In

数え切れぬ歳月を生きて
疲れきって衰えたこの体
年齢などどうでもいい
生まれた日を知らないのなら
妻に愛をささげよう
友人たちのそばにいよう
日暮れにはワインで乾杯しよう
老いを迎え入れるな…Don't Let the Old Man In

数え切れぬ歳月を生きて
疲れきって衰えたこの体
年齢などどうでもいい
生まれた日を知らないのなら
老いが馬でやって来て
冷たい風を感じたなら
窓から見て微笑みかけよう
老いを迎え入れるな…Don't Let the Old Man In

窓から見て微笑みかけよう
まだ老いを迎え入れるな…Don't Let the Old Man In

この曲を作ったカントリー歌手トビー・キースは「絶対に年寄りだと思わない」と言ったC・イーストウッドの言葉がこの曲のモチーフになったと語っています。

C・イーストウッドがこの役を演じたのは88歳の時

小学生の時『ローハイド』で初めてC・イーストウッド見てから半世紀以上が経ちました…

おすすめ映画「ドリーム」

2020年08月29日 | 映画

ツマグロヒョウモン

「法廷映画」&「潜水艦映画」にハズレ無しと言うが「人種問題」を扱った映画にも良い映画が数多くあると思う。
昨夜観た「ドリーム」もそうした中の一本。



舞台は人種分離政策が行われていた1960年代初頭、有人宇宙飛行を目指すNASAで働く黒人女性スタッフの物語。
差別や偏見に負けず、自分達の努力と能力で自らの道を切り拓いていく黒人女性たちを描いた痛快なサクセスストーリーです。
因みにケビン・コスナーや「グリーンブック」のマハーシャラ・アリも出演しているオススメの一本です。

徒然なるままに映画と読書

2012年12月10日 | 映画


8日土曜日は最高気温14.4℃と暖かく日差しを楽しみながらランニング。
日曜日は最低気温が-2.4℃とこの冬一番の冷え込みとなり、家に引きこもったまま
昼間は『八甲田山』を鑑賞…この映画、明治時代の八甲田雪中行軍遭難事件を題材に
したもので「天は我々を見放した」という北大路欣也さんの台詞が有名ですが
もう上映は35年も前になるんですね。
先日のプチ遭難以来、遭難についてネットで調べたり映画を観たり本を探したりで…
『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』…amazonで購入したのでこれから読もうと思います。



映画看板の街青梅…②

2012年06月30日 | 映画
昨日の続きで青梅駅周辺の商店街に掲げられている映画看板の写真を
アップします。子供の頃住んでいた最寄駅、西武線江古田駅そばにも
映画館があって休日に観にいった時など立ち見していたほど混んでいた
記憶があります。
またテレビ放映の時は今のように録画機器がないので他のことは出来る限り
差し置きテレビの前に座ったものでした。
当時観た一本一本の映画は最近の映画よりも強く印象に残っており
とても懐かしく感じられます。
『鳥』『リオ・ブラボー』『明日に向って撃て』…いやぁ面白かったなぁ~

















映画看板の街青梅…①

2012年06月29日 | 映画
青梅駅周辺の商店街に多くの映画看板が掲げられていると知りカメラを持って
出掛けた。これらの看板はプロの映画看板絵師によるものだとか…
若い頃見た映画の看板が昭和レトロの雰囲気を醸し出していてとても懐かしい。
事前にネットで見た看板と違うものが掲げられているので時々変えているのかな。
撮った写真の枚数が多いので2回に分けてアップします。

















樹の海

2008年10月09日 | 映画


青木ケ原樹海での自殺をモチーフにした映画である。

変わったテーマなので以前から気になっていたのだが、遅ればせながら観た。

内容は4つのエピソードが微妙に絡み合いながら、淡々と進んでいき、最後は心地よい余韻が残った。
『大停電の夜に』と似たような構成と雰囲気の映画である。

映画に感情移入するにはリアリティが大切だと思っているが、そういう意味ではいくつか首をかしげたくなる場面や会話もあるが、それを差し引いても良作の部類に入るだろう。



暴力団組織にそそのかされて5億円もの公金を横領、口封じの為に殺されて、樹海に遺棄された朝倉。
「ちゃんと殺してくれればよかったのに……」奇跡的にも一命は取り留めたものの、犯罪者と成り果てた今、彼は完全に行き場を失っていた。森の中を当てもなく彷徨うしか術はない。
森を歩くうちに、朝倉は一人の男に出会う。今まさに自殺しようとしている中年男・田中だった。
「止めないで下さい!」悲痛な田中の叫びに、朝倉は慌ててその場から逃げ出すのだった――。



悪辣な090金融を営むタツヤの携帯電話に、夜逃げした筈の顧客・北村今日子からの突然の着信。自殺をしようと樹海へ入ったはいいが、足を挫いて動けない、というSOSだった。
客を逃したくないという思いから、タツヤは今日子を助けるために樹海の内部へと足を踏み入れる。奥へと歩を進めるうち、忘れかけていたあらゆる感情がタツヤの中に芽生えていく。
タツヤは突然不安に襲われる。
本当にこの森の奥に、今日子はいるんだろうか……。



平凡な日常生活を送る山田は、探偵の三枝に突然呼び出される。誘われるままに入った新橋の居酒屋で見せられた写真には若い女と一緒に自分が写っていた。山田はその写真にも女にも全く憶えがない。三枝が言うには、その女性はこの写真を持って樹海で自殺したらしい。
「彼女が自殺した理由を知りたい……」
三枝の切なる願いを受けて、山田は必死に記憶を辿るのだった。



駅の売店で働く映子には“ストーカー”という過去があった。それまでのキャリアも何もかも全て捨てて、郊外でひっそりと暮らしていた映子だったが、思いもよらない形で、自分が捨てた“過去”と遭遇してしまう。映子がストーカー行為を働いた相手・渡辺との再会だった。しかし、渡辺は映子を覚えていない。気づかぬうちに2年という歳月が映子の心を癒し始めた頃の、あまりにも衝撃的な出来事だった。打ちひしがれた彼女は“樹海”へ向かうバスへと乗り込むのだったが…。