熊本市の西にそびえる金峰山は今ではテレビ塔が立ち並ぶ場所として知られますが市民の憩いの場です。山中には宮本武蔵が五輪書を書いた霊巌洞があり独特の空気があってテレビ局時代はよく通いました。麓には夏目漱石の草枕に出てくる峠の茶屋、温泉宿もあります。
その金峰山に昨年は夏から何度か通いました。今和泉俊子さんの雑草織をご本人の紹介と機織りで織られる衣服やバッグ等の出来上がるまでを映像で描きました。熊本ではポンポン草といいますが正式名称はわかりません。この草を有明海岸沿いで摘んで繊維をとるところからはじまります。大自然の営みに合わせるような暮らしをして自然に教えられた生き方を実践されています。
お母さんが亡くなるまでは元々焼き物をされていたので立体的な織物を好むことなど生活哲学ものんびりと語りながらの今和泉セレクションの紹介ですが久しぶりにこのような映像制作をさせていただきしっかりディレクター魂を吹き返していました。今和泉さんのように哲学を持って生きる色々な方の仕事や暮らしぶりを映像図鑑として描く番組を本年は構想しています。
ちなみにこの映像作品は特定非営利活動法人NPOくまもと未来の副理事長澤啓子さんが取材をしていて企画したものです。くまもと未来はこのような県内の手仕事をかなり多く取材し番組化してきました。「そろそろまとめる時期だね」、と澤さんには話しています。