「住民ディレクター」という生き方を提案してから早や27年。熊本県山江村をスタートして、全国行脚の末に福岡県東峰村に舞い降りるように住み込んで14年。この27年間はひたすら「住民ディレクター」という生き方を磨くべく、ふつうの住民の方々とテレビという魔法の箱でありコンテンツ創造の泉を使い倒すことに専念した。さらに戦後の日本人が失ってきた共同体の代わりに「住民主体のテレビ局」が現代の新たなコミュニティの拠点になると考え、そのコミュニティづくりこそ「住民ディレクター」という内面豊かで行動力ある人々の得意技であった。住んでいる地域にとどまらない大きな意味での人間のふるさと「地球」を愛する気持ちが核にある方々の集まりで持続可能な活動を続けてきた。
さて、常に私自身を含むこの凡人たちの広く薄い活動には実に色彩豊かな人間ドラマが溢れている。一人一人のドラマを紡いでいけば地域の大叙事詩になる。さらにスマホで全国を結ぶと新たな地域史の掘り起こしと予想外の繋がりが見える化する。そこにプロのクリエーターたちが少人数でも交われば素晴らしいコンテンツになって世に出る可能性が高い時代に入った。イノベーション、DXという言葉が表そうとしている変革の一つだ。
想定できなかった未知の化学反応が巻き起こす変革がすでに次々と起こりはじめている。「ドラマ爆発!!東峰村」はこの住民ディレクターという生き方を実践している人たちが世界で最も多い!? しかし通常人口は世界でビリから数えても最後尾グループにあるはずの極小のサイズの村が実現するBIGな人間ドラマを描いていく動き全般を言う。この活動のための環境づくりに20年はかかると見込んで1996年にはじめたが、相次ぐ地震、水害などの災害や新型コロナ等の影響で27年が経った。しかし、毎日が高校野球精神だった。怠けてるようであっても内面ではその怠け方も高校野球に賭ける球児のような青春の日々を過ごした、いや今もその青春を過ごしている。
「ドラマ爆発!!東峰村」はこの東峰村からスタートするが当然これまで歩いた九州、全国、世界へと、もっと言えば地球全体、宇宙へと広がっていくものとしてはじまる。最初からそういう気持ちでやってきたので嘘はない。DX時代とはそういうものと身体全体で感じている。一方でこれを正式に発表する11/3(金)まで後3日しかない。このギリギリ感も27年前から一貫している。即興で生きる人間の活動なので、できる限り枠組みを決めずに人と人がその時々の最高のパフォーマンスを出せるプロデュースを追求してきた。つい先ほども3日後の番組の企画・構成案をガラリと変えたところだ。ここからまた「どうなるかわからない」クリエイティブな活動こそ「ドラマ爆発!!東峰村」の真骨頂である。全国唯一の故郷おこし番組のミッションは同じ建物の2階にある「テレワークテラス宝珠」と一体型の活動で実現していくことになる。