先だって 梅田の蔦屋書店さんでのちいさな銅版画展でお世話になった時、近くの古書コーナーでこの本を見つけました。
丸木俊「女絵かきの誕生」
原爆の図
など
ご主人の丸木位里さんと共同で制作されておられる あの丸木俊さんの本...
すごい本を見つけてしまいました。
もうお2人は既に他界されてます。
30代の頃、沖縄の佐喜眞美術館で沖縄戦の図を見た時の 身の毛がよだつ恐ろしさと 悲しさと 憤りをずっと忘れられません。
丸木夫妻を知ったのは この時が初めてでした。
戦争の恐ろしさや愚かしさ 痛々しい傷付けられたり 殺められた人体...
どうして こんなにも このお2人は 描き続けられるのだろう...
反戦や原爆を世にしらしめる使命感がどんなにあったとしても
これほどまでに ひたすら 惨たらしい世界を描き続けていたモチベーションが 信じ難く思います...
辛くは無いのか?
精神をどうやって維持出来るのだろうか?
特別な人達なのか?
この本を読むにつれて
涙が止まりませんでした
俊さんがどんなにも絵が好きで好きでたまらなかったか...
北海道から東京の美術学校に何とか入り
時には 似顔絵を描いて お金を作ったり
ドラマのように 次から次に展開する
エピソードに真夜中5時間くらいずっと本から目が離せませんでした。
そして
広島出身のご主人 丸木位里さんの里帰りの際に
原爆投下があり
そこから
2人は宿命のように 共作で原爆の図シリーズを描くようになります...
最後に 丸木位里さんが 寄稿されてました
「私は何度か焼いてしまおうと思った事がある。しかしこれは俊との共同制作だ。私と俊が夫婦にならなかったら、おそらく 原爆の図も南京大虐殺の図もアウシュビッツの図もなかったろう。」
胸がグッとなります。
夫婦にならなかったら 水墨画で大好きな牛を描いていただろうともありました
悩みながら悩みながら 戦争の辛さを絵にしていたんですね。どんなに使命感を持っていても それをずっと維持していくのは並大抵の努力ではないですね...
周囲からも プロパガンダだの展示禁止だの かなりの圧力があったそうです
信じられないことに...
俊さんのように 絵画で社会の真実を訴えるような活動 は なかなか出来ることではないです
凄い偉業...世界中に原爆の図を持って 反戦運動をされておられたそうです。
大きな衝撃です。
私は
今 平和に暮らせて 好きなような絵をかける
身にあるのだから
精一杯 自分の世界を追求して
私なりに 平和活動に繋がればイイなぁ
ちいさなちいさな幸せを
絶やさず
いずれ
大きな潮流になるように
コツコツ
続けていこうと思います