今から8年は昔に、何気なく詩人の知人に「今おすすめの本」を教えてもらいこの大洪水を読むことになる。
けれど、私にはとてもとても難解で、見事に3ページ目で挫折をしてしまったのでした。
読むのがこんなに苦痛な小説があるとは
というか これ 小説っぽくないな・・・
これまで 数回にわたり チャレンジしてみても 10ページくらいで辛くて辛くて先がすすまない。
これは何の話なのだろう?一体?
乏しい自分の理解力では立ち往生。
なんか知ってる小説の進行と違う・・・変な文字の羅列が出てきたし。みたことのない表現?にわくわく感もあるのです。あるのですが
面食らって 読む速度が落ち、見る見るうちに読書意欲が低下し、ついに読むことを諦めていたのです。それが8年前
ある時、まったく別の作者によるまったく別のテッド・チャンの「あなたの人生の物語」というSFっぽい小説を読んでいる時にふっと
何かに似ている感じがよぎりました。
大洪水・・・だ。
具体的に表現が似ているというわけではないのですが、「大洪水」を再びめくってみようと気になったのが
本当に 今でも 不思議です。
しかし大洪水はやはり読みにくく、苦痛な(何が苦痛かというと、理解が追い付かない表現・・・が ずっと続くから・・・混乱する状況を継続したまま読み進むことが苦痛だったこと)ページを耐えて
詩のようなストーリー性があるよなないような・・・でも詩にしてはすごい量の文をかき分けていくような・・・修行かなと思うくらい ほとんど理解不能な中 やっと第一章が終わり、
第三章くらいから小説的な登場人物の会話とか行動が描写され読みやすく感じました。
登場人物に感情移入するようなことも特になく、主人公の13日間に起こる事柄や外界の描写が描かれていました。
たまに ハッとする美しい描写が胸をどきんとさせます。何物でもない自分が嫉妬してしまう。こんな表現力、こんな暗喩ができるのか~~
と感動する箇所もありました。
なんだか それでも 頑張って最後まで読んで
一体何だったのだろう・・・と
思うわけです。
この作者 J.M.G.クレジオさんは2008年に「調書」という小説でノーベル文学賞を受賞されています。
そして この大洪水は1966年に書かれたものでした。
えらい昔の本やったんか!
私はここに一番驚きました。
えっとこれ小説?
と何度も首をかしげる文体やつくりに、この本は最近の新しい実験的なものかのかなと思っていたので
54年も前の・・・
解説は訳者である望月芳郎さんと、文庫版のためにいしいしんじさんのも読めてお得でした。
私のようなちんぷんかんぷんにもわかりやすいように構造を書いてくださっていました。
なんだか国語の時間のようです。ありがたいです。
日本語に訳されてあるからと言って、なんでも理解できるものではないのですねぇ~
フランス文学とかも全く興味もなく無知な私ですが
望月さんの解説より
どうやらクレジオさんは、「フランス文学界における新しいフランス小説の流れを明確化した時期」に前衛的な実験をしたようです。
書き写していてもちんぷんかんぷん度はぬぐえませんが、小説の在り方に挑んだ挑戦だったのかな?と理解しました。
(間違っていたらすみません・・・どなたかわかりやすくご教授ください~)
小説とは何か?と深く掘り下げて 生み出した作品なのなら 私が意味を理解できなくてもしょうがないなと、理解できなかったけど「何かすごいことを考えてやり遂げてノーベル文学賞まで取って頭のいい人はすごいな」というレベルで納得できました。
~抜粋~
登場人物とベッソンの心理描写もさほどなく、ひたすらベッソンの意識を中心として、物語は悲劇的結末に向かって進んでいく。心理描写がフランスの小説のなかで大きな役割を占めてきたことはいうまでもないが、ル・クレジオに言わせると、伝統的な心理描写は真実なものと言いがたく、人間間の心理よりも「ある人間と、テーブルとか風景など、彼の周囲にあるものすべてのもののあいだの心理の方が真実であり、人間存在とは独自なものであり、現実から発し、彼を取り巻く世界から発する関係によって決定される」と大洪水を書いた後まもなく述べている
そして いしいしんじさんの解説では
ベッソンという人間と、その人間をくりぬいた世界との、同じ輪郭を持ったもののせめぎあいが書かれていく。
と くりぬきガム「スポロガム」を引き合いに面白い解釈を与えてくれました。
いしいさんの本を一冊だけ持っているのですが、この人の考えていることも知りたいなぁと思えたことは嬉しい発見です。
クレジオさんの「調書」も読みたいなぁと思います。
解説って大切ですね。
現代アートもそうなのですねぇ。そういえば。
自分の感性や力量だけで理解するのは大切なのですが、解説という他者からの目を通して知ることでさらに新しい価値が付与される。
解釈の幅が広がると自分に新しい価値が生まれる。
読後はへとへとで 読むのがしんどかった大洪水ですが、読書メモで 整理すると、自分の中に新しい余白が広がるような気持ちになりました。
つたない私の文にお付き合いくださりありがとうございます。
けれど、私にはとてもとても難解で、見事に3ページ目で挫折をしてしまったのでした。
読むのがこんなに苦痛な小説があるとは
というか これ 小説っぽくないな・・・
これまで 数回にわたり チャレンジしてみても 10ページくらいで辛くて辛くて先がすすまない。
これは何の話なのだろう?一体?
乏しい自分の理解力では立ち往生。
なんか知ってる小説の進行と違う・・・変な文字の羅列が出てきたし。みたことのない表現?にわくわく感もあるのです。あるのですが
面食らって 読む速度が落ち、見る見るうちに読書意欲が低下し、ついに読むことを諦めていたのです。それが8年前
ある時、まったく別の作者によるまったく別のテッド・チャンの「あなたの人生の物語」というSFっぽい小説を読んでいる時にふっと
何かに似ている感じがよぎりました。
大洪水・・・だ。
具体的に表現が似ているというわけではないのですが、「大洪水」を再びめくってみようと気になったのが
本当に 今でも 不思議です。
しかし大洪水はやはり読みにくく、苦痛な(何が苦痛かというと、理解が追い付かない表現・・・が ずっと続くから・・・混乱する状況を継続したまま読み進むことが苦痛だったこと)ページを耐えて
詩のようなストーリー性があるよなないような・・・でも詩にしてはすごい量の文をかき分けていくような・・・修行かなと思うくらい ほとんど理解不能な中 やっと第一章が終わり、
第三章くらいから小説的な登場人物の会話とか行動が描写され読みやすく感じました。
登場人物に感情移入するようなことも特になく、主人公の13日間に起こる事柄や外界の描写が描かれていました。
たまに ハッとする美しい描写が胸をどきんとさせます。何物でもない自分が嫉妬してしまう。こんな表現力、こんな暗喩ができるのか~~
と感動する箇所もありました。
なんだか それでも 頑張って最後まで読んで
一体何だったのだろう・・・と
思うわけです。
この作者 J.M.G.クレジオさんは2008年に「調書」という小説でノーベル文学賞を受賞されています。
そして この大洪水は1966年に書かれたものでした。
えらい昔の本やったんか!
私はここに一番驚きました。
えっとこれ小説?
と何度も首をかしげる文体やつくりに、この本は最近の新しい実験的なものかのかなと思っていたので
54年も前の・・・
解説は訳者である望月芳郎さんと、文庫版のためにいしいしんじさんのも読めてお得でした。
私のようなちんぷんかんぷんにもわかりやすいように構造を書いてくださっていました。
なんだか国語の時間のようです。ありがたいです。
日本語に訳されてあるからと言って、なんでも理解できるものではないのですねぇ~
フランス文学とかも全く興味もなく無知な私ですが
望月さんの解説より
どうやらクレジオさんは、「フランス文学界における新しいフランス小説の流れを明確化した時期」に前衛的な実験をしたようです。
書き写していてもちんぷんかんぷん度はぬぐえませんが、小説の在り方に挑んだ挑戦だったのかな?と理解しました。
(間違っていたらすみません・・・どなたかわかりやすくご教授ください~)
小説とは何か?と深く掘り下げて 生み出した作品なのなら 私が意味を理解できなくてもしょうがないなと、理解できなかったけど「何かすごいことを考えてやり遂げてノーベル文学賞まで取って頭のいい人はすごいな」というレベルで納得できました。
~抜粋~
登場人物とベッソンの心理描写もさほどなく、ひたすらベッソンの意識を中心として、物語は悲劇的結末に向かって進んでいく。心理描写がフランスの小説のなかで大きな役割を占めてきたことはいうまでもないが、ル・クレジオに言わせると、伝統的な心理描写は真実なものと言いがたく、人間間の心理よりも「ある人間と、テーブルとか風景など、彼の周囲にあるものすべてのもののあいだの心理の方が真実であり、人間存在とは独自なものであり、現実から発し、彼を取り巻く世界から発する関係によって決定される」と大洪水を書いた後まもなく述べている
そして いしいしんじさんの解説では
ベッソンという人間と、その人間をくりぬいた世界との、同じ輪郭を持ったもののせめぎあいが書かれていく。
と くりぬきガム「スポロガム」を引き合いに面白い解釈を与えてくれました。
いしいさんの本を一冊だけ持っているのですが、この人の考えていることも知りたいなぁと思えたことは嬉しい発見です。
クレジオさんの「調書」も読みたいなぁと思います。
解説って大切ですね。
現代アートもそうなのですねぇ。そういえば。
自分の感性や力量だけで理解するのは大切なのですが、解説という他者からの目を通して知ることでさらに新しい価値が付与される。
解釈の幅が広がると自分に新しい価値が生まれる。
読後はへとへとで 読むのがしんどかった大洪水ですが、読書メモで 整理すると、自分の中に新しい余白が広がるような気持ちになりました。
つたない私の文にお付き合いくださりありがとうございます。