父が右と言えば母は左!といった具合だった。
両親に感謝こそすれ不満という不満は無かった。唯一……自分は将来、右と言えば…右と言ってくれる奥さんを貰いたい!だけは念じながら育った。
しかし、この我が家の秘伝……『反対の術』の正当な継承者は僕となった。
何かに付けて論争のネタには事欠かない家庭は何らの努力することもなく出来上がっていた……。
ある時……父は母を見ながら言った。
コイツが川に落ちたと聞いたら間髪入れず俺は上流に向けて走り出す。何をしてるんですか?と人は言うだろう?しかし俺は自信タップリに答える。
普通の人間は下流に流れるだろうが?奴に限ってそんなことはない!必ず奴は『人の反対を演るからな』……と。
ソレを聞いてる苦虫噛み潰した様な母の顔……今でも鮮明に思い出すのである。
『反対の為の反対』……邪魔だてを目的とした批判、反対を唱える人は多く……本気で挑んでる人は何時も頭を悩ませるものである。
『反対の術』の継承者の僕は……最近我が家秘伝の術を進化発展させる事に成功した。
名付けて『100%受け容れの法』である。
何かを言えば速攻『そりゃ駄目でしょ!』に出会う。相手は僕の抵抗を心待ちにしてる。
『なぁるほど!あなたの主張には一考の余地がありますね?』……あなたの言う方法でまんま進めましょう!……ソレで…次にどうしたら良いですか?……と反対者に責任含めて丸投げにして差し上げるという術である……。
『反対・批判のその後』を全く考えていない人は呆気に取られ、不意に振られた責任と、ことの難儀に音を上げるのに大して時間はかからないのである。
相手が期待してるのは『当方の反発』のみ。ソレが…唯一のエネルギー源だから立ちどころにエンプティ状態に陥る運びである。
コイツは侮れんゾ!!……下手に批判反対すりゃ責任ごと丸投げしてくるからな?……重たい責任負わされる羽目になるぞぉ……となる。
『100%受け容れの術』を浴びた人間のその後の批判反対はめっきり影をひそめるという『治験結果』は既に検証済みである。
流石に……自分がもし、川に落ちて上流を捜索されたらみもふたもないって事である。
批判反対しといて……相手には至極真っ当な対応を期待する?という姑息なメンタルに大きな重たい一石を投じるのである。
是非、お試しあれ!
自分の要求が受け容れ認められる?というのは凄く重たい責任が伴うという事を体験して貰うには極めて有効な方法です……。
かつて、批判の限りを尽くして政権という責任を負った民主党の様な惨状と現実の無力を自ら体験して貰うのが『汝自身を知らしめる』には一番良いのです……。