サンチョパンサの憂鬱

人形の国の住人

ここの所書いてきたブログが一つのテーマに収斂した様な気がしてとても不思議な気がしている……。
それは『思考』される事が極端に減ってきているんじゃね?……という今の世の中の特徴だ。

思考するというプロセスを経ないプロパガンダ的な正義の受け売りが横行 してる。ヘイトスピーチなどもその典型と言える。
世の中の『尤もらしい正論・正義』が行う暴力も各人の中で思考された形跡は全くない……。

思考する事なく結果のみを短絡的な正義で指弾する『死ぬなら一人で死んでくれ!』という発言……そして私は世の中の情けを、親の情けを語る落語家だ!と善人の城に籠って正義を語った立川志らく。(無思考という悪徳)

凡庸な(思考しない)善人の悪徳を指摘したハンナ・アーレント……自らを悪人と知る事の(思考する)必要を説いた親鸞の『悪人正機説』……。

仏の目線から見れば『善人というものは居ない』……私は善人だと安心し切った善人は自分の『悪徳に気付かない』(無思考の)だけの人。

そんな善人『でも』往生出来るのだから自分の悪徳を知る(思考する)悪人が往生出来ぬ訳がない……という理論……う~ん深い。

コレが!アレが!……安い!高い!……損と得 ……不倫だ!けしからん!……理不尽な殺人だ!けしからん!……頭の中を情報という名の『安易な結果・結論ばかり』が思考される事なく駆け抜けて行く……。

『思考』だけが自分は無知だ!という認識に導いてくれる。

ナチスドイツのアイヒマンはイェルサレムの法廷で『自分の悪魔の仕業』について、自分は『上からの命令を……ただ行っただけ』であると陳述した。

ソコに、アイヒマンの頭の中で上からの命令の中身を思考した形跡がないとハンナ・アーレントは気付いた。
だから『無思考(凡庸)の悪徳』こそが大悪魔へと成長するパスポートなのである!……と。

懇意にしている高校の数学教師と話していて、小学校の教師の内、分数のわり算で『何故?逆さまにして掛け合わせるのか?』を小学生の算数のみを使って説明出来る人は何れくらい?居るか?……となった。

十中八九の教師が『何故か?を説明出来ないと思う』……と彼は言った。教える側が何故?を知らないで、生徒に何故?を教えられる訳がないよね?……となって溜息でその話は終わった。

この国は何時から『何故か?』を一切教えなくなったのか?
そんなの良いから答えが欲しいでしょ?こうすれば答えが貰えるんだよ……結果のみを得られる受験技術を教育と呼び始めたのは何時の頃からだったのだろう?

『何故?』を思考するのも、人の哀しみを理解しようと想像する(エンパシー)のも全ては人間のみ保有している大脳の担当だ。
セックスにおいて大脳を使用するのは人間のみ。人間はセックスにおいてさえ『想像力を使う』のである。

ここ三十年この国はその大脳をお休みさせた来たんだと思う……。
この大脳を目覚めさせるかもしれない一縷の望みが……『酷い困窮』に追い込まれるしかない?という現実。

三万人だった自殺者がここ十年で二万人まで減っていた。
しかし、ここへ来てコロナ禍でまた自殺という『不自然な死』が必然的に増えていくと予想される。

三万人の死は……アメリカの湾岸戦争の両軍と民間人の死者数を大幅に上回る数なのである。

的外れな平和を語る前に……この国は毎年、湾岸戦争より悲惨な格差戦争を繰り返しているという事実を『思考し』、それは『何故?』と想像し考えて見たい……。
それは……そんな社会のOSを是認している僕達の責任であり権利であり義務なのだから……。
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