ガサツの表現の系譜もどっこい生き延びており、その代表に竹原ピストルがいる。ボクシング出身だからか?喋ったら少し小粒になり保守の臭いがなくもない。ま、要するに詰まらなくなる。
拓郎だの泉谷だのが吠えまくり、かぐや姫が恥ずかし気もなく、直球で愛を表現して一斉風靡してたのを尻目に、何時の間にかシャラッと登場して来てたのがユーミンだった……。
都会的な男を『守って上げたがる女』はひこうき雲や競馬場を洗練の技でシティなポップに仕立て上げていった。
言わば……ガサツな肉体労働者的な表現に慣れてた僕達の前に、帰国子女の様な考えられない軽さで彼女は現れた。重い問題を超手軽くサッサと処理出来る彼女の曲はある種、魔法の様でもあった。
✳ 明日の朝 ママから叱って貰うわ my darilng ✳
ここに、今日的に散見する、親離れ出来ない僕ちゃんと子離れ出来ない母親という構図も垣間見える。
浮気な彼の問題にママが登場する?という画期的な時代に突入したのはこの頃だった……。
ある時代の沢田研二の様に、郷ひろみ
の様に、『それまで』より圧倒的に軽い処理が出来るアーティスト達は『それまで』をあっという間にカビ臭いモノに変えてしまう……。
ユーミンはその中でも一際、影響力を行使した魔法使いだった様に思う。
その系譜はコンピュータを使いこなす小室哲哉なんかに繋がっていった。
考えなくて良いのよ、観て、聴いて楽しんで!どうせ、泡沫の夢なんだから?的なビジュアルに訴え掛ける彼女のショースタイルは……『シャングリラ』を以て完成を見た……。
『私って天才よね!』……その舞台上で彼女はそう叫んで見せた……。
彼女に負けずに……軽くシティへと自己変革を果たしたミュージシャンって他には井上陽水位しか見当たらない。
彼女は多くのミュージシャン達を過去の遺物に変えてしまったメドゥーサ見たいな女でもあった……。
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