残り花
日照りに耐え 風雨のあとも痛ましく わずかな土に 不平をいわず 枯れそうで枯れない 強靭...
モニュメント
来る日も 来る日も 変わらない 永遠から下った石を 今日も幼子が 思うままに刻むのでした ...
心意気
およそ10歳年上で 本来ならわたしの会社に出ることなどない やり手の社長だが その仕事に対する姿勢には頭が下がる 畑ちがいだろうと喰らいつくように 何でも来いである ...
親父
わたしは父親と銭湯に行くのが嫌だったその痩せて弱々しい体を見たくなかった当時は銭湯が普...
親父
家業を継ぐ責任を 内心放棄したいと思っていたところ おいちょっと皆で山に行こうか 妹たちも連れ 石ころだらけの山に着いて 少し登ると 親父はいつの間に持ってきたのか ...
虹
悪く言えば 男の我がままを通した生き様は 葬儀のときに結実する 日ごろ愛嬌が良いが 怒れば鬼神のような大男が オヤジよー 棺にすがりつき嗚咽する 花が家の周りでは足ら...
あいつ
小さいときから 俺には親がいないのと同じ なまじ居るから始末がわるい たった1回きりだけど 本心をさらけだした そういいながら もう酔っているのか 指からコップを ...
死を超えて
Yピエロさんから 唐突に 亡くなった弟さんが真っ白いスーツを着て 白い車で この施設を出ようと 言われたことを聞いたのが 昨年秋でした 気力と希望に満ちた Yさんの...
余韻
Yさんは晩年見事な雪中花を描いていますそれを体現したかのように女性ながらまるで武将のような見事な散り際でした丁度 皆が集い残る者への感謝と励ましふと安心した間隙をついて眠るごとく・...
春先
海の異変 やはり 動いたが まだ まだ