妄想日記

本当にあったこと、妄想してみたことごちゃ混ぜにして全部詩にしてみた。

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2020-09-07 21:45:00 | poem

あなたと見たことのない景色

    来たことのない場所


その中のどこにでも 

あなたを見つけてしまう


知らない誰かの

後ろ姿に、

服装に、

髪型に。


あなたじゃない誰かの

瞳の中に、

話し方に、

笑い方に。



まだ、まだ、私の中には

あなたが息づいていて。


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2020-09-07 21:45:00 | 妄想日記
彼がいる街を出てから3年が経とうとしている。はじめの頃はただただ寂しくて何もかもがつまらなかった。彼がいない人生を生きていける気がしなかった。

大型のショッピングモール、古くからあるような商店街、隠れ家的な喫茶店、街角の本屋さん。今では彼がいない街の、彼がいない思い出がたくさんできて、お気に入りの場所もたくさんできた。

でもね、でも。

彼と来たことのない場所にいつだって探してしまう。彼と見たことのない景色のなかにいつだって見つけてしまう。彼の姿を。

すれ違う人の歩き方に、前を歩く人の背中に。聞こえてくる笑い声に、一瞬目があったカフェの店員さんの瞳のなかに。
いつだって彼を見つけてしまうんだ。

ようやく彼のいない街で彼のいない人生を歩いていけるような気がしていたのに、まだ私のなかに息づいていて、離れない、離してくれない。

今日もまた彼のいない街の彼じゃない人の後ろ姿にきっと彼を見つけるんだろう。

3回目の秋が来ようとしている。