山の神様を麓のお宮におろしたことは母がそんな事してはいけないのにと言っていたから、私自身小さい頃から何となく心に引っかかっていた。
山の麓にも村の人達が氏神さまとしてお祀りしている古い神社がある。そこには樹齢1000年は超えるのではないかと推測される御神木があった。母が言うには、大人5〜6人で手をまわしてやっと囲えるくらいの大木でそれはそれは大きかったと。母はその御神木が好きでずっと誇りに思っていて友達を連れて行っては自慢したりしていたそうだ。残念ながら私はみたことがない。
山の神様を下におろして何年か経ってからその御神木に雷が落ちて枯れたという。それが理由なのかはわからないけれど、その後村の人達がその御神木を切って総出で見送ったという話を聴いた。
今は御神木跡として石碑を建ててある。その御神木を切ったことも山さんに言われてしまった。