お山の神様がいらっしゃるところから10分くらい車で行った場所に年に2回全国の龍神様の集まりがあるという龍神伝説が存在する地がある。洞窟自体が龍の御神体といわれる神秘的な鍾乳洞があって、夏は御神氣が中から吹き出し空気が違うのがはっきりわかるまさに秘境の地といえる。市杵島姫命様が全国の龍神様を連れて人間の能にあたる催しを楽しみに来るとも言われている。
母が子供の頃、自転車でこの洞窟に何人かで探検に行ったと言う。昔だから松明を焚いて4〜5人で洞窟に入っていくと暫くして松明が消えて真っ暗になったと言う。それはそれは怖かったけれど、子供達が帰ってこないことを心配した村の人達が助けに来てくれたという。入り口方向の一点の光を頼りに命さながら出てきたという話をしてくれた。その洞窟のある山は入不山という。名前から禁足地なのではないかと思う。
昔、その地を観光地にしようと開発する計画があったようだ。しかし、それに関わった人々に次々と不幸が続き、困って神職に尋ねると龍神様の棲家を荒らしているから開発をやめて祀りなさいと御告げがあったという言い伝えを残す看板がある。神域を冒してはならないという教えがその地にはしっかり残っている。
あの時助けて貰ったからお神酒を持ってお詣りに行かなきゃと母に連れてってもらった。母が子供の頃は洞窟があるだけで何もなかったところに今は祠や女神様の石像を建ててきちんと村の人がお祀りをしている。
この村は山や川がある自然豊かな四万十川源流の里。清流が流れる川の源流点であり太古の昔から神々に愛されてきた美しい地だと思う。平安時代から1000年以上も続く御神楽が残っていたりするのも神の地だからかもしれない。
山さんに龍神様のお話をしたら、山の神様を降ろした時に龍神様が神界に還ってしまったけど今後龍神様が戻ってきたらこの村に人が集まると教えてくれた。