私が生まれる前から長い年月、神様に不敬をしていると知って心が痛くて、神様が可哀想で申し訳なくて涙が出ました。
村の人々が大変失礼なことをして申し訳ございませんでした。
それだけを誠の心で謝っただけでしたが、神様が笑ってくれていると山さんに教えてもらいました。
それを聴きほっとしたですが、何も状況は変わっていませんでした。
この事を知った以上、少しでも神様に快適にいてもらいたいと母と道をつくり祠を上げる準備を始めました。
背丈ほどある草、荒地となっていたこの場所は、宮の跡地すらわからないくらいでしたが、草を刈って、何とか祠を担いであげるところまで来ました。石も何もかも重かったです。
祠を上げる前、山さんに祠の向きと、いつ上げるのが良いかを聴きました。
向きは南東、いつ上げても良いと教えてもらい、その時に天照大御神様が全て整えてくれてますと言ってくれました。
そして今のお宮の中に入っている祠が上がりました。
神様が全て整えてくれている。
凄い力強いなと思いました。
奇跡のバトンタッチに感謝でいっぱいでした。
私には、ずっとその間、思っていたことがありました。
それはこの美しい景色を、身体の不自由な恵比寿様の山の麓に住む従兄弟にみせてあげたいと。
従兄弟は苦労が多い人生でした。母よりも若いのに、身体がいうことをききません。若くして奥さんを亡くし、三人の息子を育て、自分も病で身体が不自由になりました。
祠を上げた時から、その従兄弟を何とか神様の元に連れて行ってあげたいとずっとずっと思っていました。
そして、神様が上から従兄弟の家を見守っているその景色を、従兄弟に見てもらいたいと思ってました。
山に道はついたのだけれど、普通車では車高が低くて上がるのが難しいし、軽四では最後の坂が急過ぎてタイヤが滑って上がれないのです。
お宮が上がった日に、ジムニーだったら四駆だから、馬力があり上がれるのにと教えてもらいました。
私は、全く車に興味がなくジムニーを知りませんでした。帰って調べると凄い人気の車で手に入らないと知りました。
そのジムニーがありえないような縁で目の前に現れたのです。私の強運に周りはびっくりしてました。
神様が全て整えてくれている。
従兄弟を主人と母が連れて来てくれる時、神様のお遣いとして、ことある毎に私の前にあらわれてくれるカマキリさんが階段側にて従兄弟をお迎えに来ていました。
従兄弟を連れて上がってきなさいだったんだと思います。
母も病気をしたので、これから歩いてお宮に上がるのがしんどくなると思います。私の元にやってきたジムニーがこれからお山で良い仕事をしてくれます。
従兄弟が泣いてました。上から村の景色を眺め、自分の家をみて泣いてました。
そして、鈴を鳴らしお宮を見つめ泣いていました。
神様もよく来たと泣いて喜んでくれたと思います。
従兄弟は子供の頃、昔あったお宮に上がってお詣りをしていたのです。ここには土俵があって相撲をとってたと話してくれました。
そして60年以上の月日を経て、久しぶりに神様のそばにやって来たのです。
神様は村の人と心を通わせたかったのです。
ずっと力になりたいと思って上から見守ってくれていたのです。
全て整えてくれている。
心を清らかにして、神様に全てお任せしていたら良いのです。
私は今回、従兄弟とお山の上から村を眺め、とてつもない幸せを感じることができました。
主人が従兄弟を送ってくれたのですが、お見送りの時、空間が眩しく光りました。
10月のお詣りは終わりです。
ありがとうございます、また来ますと手を合わすと、あたたかい光が包んでくれました。
感動の一日をありがとうございました。
母も私も主人もMOKOちゃんも皆んな、凄く楽しかったね、凄く幸せだねと言って帰路に着きました。
おしまい