村民集会の後、耳の神様はこちらだと、母の同級生が教えてくれました。山の斜面の崖でこんなところに神様??とびっくりしました。草も生え放題で穴のような空洞はあるのですが何が何かわからない。ここですと言われても、誰も手を合わすはずがないという感じでした。
それでも救いは、ここが耳の神様だと知ってくれていた母の同級生がいた事です。教えてくれて有り難かったです。
こうなったら耳の神様の掃除をせねばと思い、母と2人で田舎に行く計画を立てていました。そしたら、姉2人も一緒に掃除をしたいと言って、関東から高知に帰って手伝ってくれることになりました。一番上の姉の息子も手伝うと言ってくれ、総勢5人。草刈りハサミ、スコップ、ノコギリなどなど色々持って田舎に行きました。
はじめて耳の神様のところをお掃除させていただくことになったので、先ず双子の姉と磐笛を吹き、大祓えの祝詞やお経を唱えました。
磐笛ですが、神事なので誤りがあってはいけないから、心で、もしこの神事をやりなさいなら授音させてくださいと神様に言っていました。そしたら、練習の成果かもしれませんが田舎に行く数日前から貴船川の磐笛からピーッと高い音が出るようになりました。
耳の神様は山の崖にあるので、よじ登り、頭から時々落ちてくる土をかぶりながら、石や草、土、木々などなどを皆んなで3時間くらいかかって除けました。70歳を超える母も歳を忘れてます。凄い!
甥っ子が力持ちで良く働いてくれ、大きな石を除けてくれたり、木を切ってくれたり何を頼んでもニコニコと軽やかに爽やかに頑張ってくれました。本当に良い子です。
お掃除が終わり、荒神様でお祀りしていた穴の空いた御神体の石を、耳の神様の所に置き、注連縄をはり、お供えをして、母から順番にお詣りしました。
一番初め、神様のいらっしゃる場所も神様の名前も何もかもわからなくて、ここだとよじ登りました。
そこが金刀比羅様とわかり、続いて恵比寿様を知り、耳の神様と思って荒神様に謝りに行き荒神様を知り、最後の最後に耳の神様がわかりました。
全て耳の神様が、長年の哀しい想いを山さんを通じ人間に伝えてくれ、村人には言わずにこっそり、お詣りが出来るように母と2人で祠を建てようとはじめた事でした。
本当に申し訳なかったのですが、その一番最初に教えてくださった耳の神様が最後になりました。でも、やっと全ての神様のいらっしゃるところをお掃除をすることができました。神様は一箇所ずつここだよと導くように教えてくれました。
まだまだ綺麗にしていきます。金刀比羅様、恵比寿様、荒神様、耳の神様が高い山や低い山に鎮座して、この地区を守ってくれているとわかりました。村を流れる四万十川沿いには水神様もいらっしゃいます。河内五社神社の大山祇神様も守ってくださっています。四万十川の龍神様もいます。
自然溢れるところには沢山の神様が鎮座していらっしゃいます。私もいつかこういうところに住みたいと心のどこかで思うのです。
離れたところから耳の神様のところをみると龍神様のような大きなお顔がみえたような、そんな氣がしました。
みえないけれど、でも繋がっていて、神様を想う私たちを応援してくださってるとわかります。沢山の神様がいらっしゃり、優しく導いてくれていることに心から感謝しています。
お掃除に行く日の前日、自宅からみた夕焼けが綺麗でこの日を待ってくれているようでした。