ラブレター
今日はいってきますのチュは無しです
君の遠足の日
ママは怒ってました
つぶらな目で見上げる君の目を
真っ直ぐ見つめ返しながら
「いってらっしゃい。」
ドアを開ける小さな肩が
さらに小さく見えた朝でした
部屋に戻ると
机の上に
財布の忘れ物
ママはすっぴんに
帽子をかぶって まだきな粉もちを食べている幸生の口を拭き
ちょっと考えてから 紙をちぎって
サラサラと書いて
財布の中に入れて
自転車に飛び乗りました
帰ってきてから
もう切符を買う時間かなと
時計を見やりながら
ふふっと笑ったママでした
「圭吾、いってらっしゃい!
ママは 圭吾が
大好きです!!」
そうだよいつだって
死ぬまで好きだよ
それに気がついて欲しいな・・・
(平成二十年六月)
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ちょっとした書きおき、頑張った日の次の朝に見る机の上の走り書きの手紙・・
愛を伝える手段は、こんな小さな場所にもあって、
時には注意事項だったり、お願いだったりもします。
どんどん時間が早くなってて
気持ちが追いつかないと思う時もありますが、
お母さんはいつも、ここにいますから。
いつでも戻ってこられるように。
今日も、同じ場所、いつものところで立っています。
だから安心して、冒険しておいで。
泣いて帰って来ても大丈夫だよー。