油が酸化するというのは、ご存じの方が多いと思います。
油は、いい油といわれる魚油やえごま油や、過剰に摂取を控えたほうがいい動物性油など、種類によって分類されています。
そして、油の種類によって劣化のしやすさが違います。今回は、油の酸化の危険性や劣化を防ぐ方法をお話していきます。
1.油の構成成分
2.酸化するとどうなるか
3.酸化の防止方法
4.まとめ
1.油の構成成分
油は、栄養学的に「脂質」とよばれます。脂質は、グリセリンというアルコールと脂肪酸から構成されています。油には、動物性油やオリーブオイル、魚の油など、様々なものがあります。
♢いわゆる中性脂肪 人のからだにもこの形で蓄えられています。
これらの大きな違いは、脂肪酸の種類によって決まってくるのです。脂肪酸は、人のからだの細胞を作るのに必要です。だから、脂質をあまりにも控えてしまうと、皮膚の乾燥や肌荒れの原因にもなります。
さて、脂肪酸ですが、大きく3つに分類されます。
・飽和脂肪酸
・一価不飽和脂肪酸
・多価不飽和脂肪酸
どんな脂肪酸が含まれているかで油の種類が決まるのです。
一価というのは、油の中に不安定な部分がひとつだけある、多価というのは不安定な部分がたくさんあることを意味しています。
つまり、不安定な部分がない飽和脂肪酸が最も丈夫な油になります。それは、固まりやすいということです。
飽和脂肪酸は、バターや牛脂、動物性油、パーム油といったものの構成成分です。固まりやすい油で、摂りすぎると身体によくないといわれている油です。
一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイルの構成成分です。もこみちさんの「もこみキッチン」で話題になった油です。いい印象を与えていましたが、こちらも過剰摂取は炎症の原因になります。
なたね油にも含まれています。なたね油は調合油のことです
多価不飽和脂肪酸は、大豆油やアマニ油、魚油の構成成分です。身体にいいといわれている油です。
そして、脂肪酸の中には人のからだでは作られないものがあります。大豆油に含まれるリノール酸、アマニ油に含まれるα-リノレン酸、そして青魚に含まれるEPA、DHAといわれるものです。EPAやDHAはサプリメントとしても製品化されています。
これらは、ホルモンや細胞を作る材料となります。
また、α-リノレン酸やEPA、DHAは血液をサラサラにする油で、アトピーなどの炎症を抱えている人にとっても、抑制するはたらきがあります。
しかし、上記に記載した不安定な部分が多い油は、酸化しやすいです。では、酸化するとどのような影響を及ぼすのでしょうか。
2.酸化するとどうなるのか
油が酸化する主な原因としては、何度も揚げ物をすること、空気や直射日光に触れることです。
視覚的に最もわかりやすいのは、油が黒くなることです。何度も揚げ物を繰り返すことで、油が黒くなっていきます。
コンビニのカウンターフーズも油で揚げるのですが、上記右のように黒くなるまで使用しています。お客さんからは見えないため、どの程度酸化した油で揚げているのかがわかりません。
店員からすると、買ってくれるのはうれしいのですが、結構申し訳ない気持ちもありました、、店員からもいいづらかったです。。
そして、油が酸化すると味も落ちるのですが、トランス脂肪酸が生成されます。
以前にもお話ししましたが、マーガリンやショートニングに多く含まれ、アメリカでは使用が禁止されています。
トランス脂肪酸の過剰摂取は、活性酸素の発生原因となり、身体のサビを作ります。老化はもちろん、スポーツ選手にとっても、けがの要因のひとつとなり、好ましいものではありません。
マーガリンを控えていても、油の管理方法には注意をしていきたいです。
最後に、油の酸化で注意するものとしてはゴマです。ゴマも大半が油でできています。いりごまなら酸化しにくいのですが、すりごまは中身も露出しているため、開封するとどんどん酸化していきます。
油を再利用する際もそうですが、油が空気に触れやすい場合は、早めに使用することをおすすめします。
では、どうすれば油の酸化を抑えることができるのでしょうか。
3.酸化の防止
前述したように、油は空気に触れる場合は早めに使用することが大切です。
また、保管も直射日光が当たらない暗くて涼しい場所に保存することもひとつの手段です。
とはいえ、どうしても外食やコンビニの揚げ物など、黒い油で揚げたものを食べる機会があるかと思います。
そのような場合は、酸化防止をしてくれる栄養素の摂取をすることも一つの予防手段です。
ビタミンEやポリフェノール、ビタミンといった栄養素が身体の酸化を抑えてくれます。特に、ビタミンAの中のカロテンという物質は、活性酸素の発生を抑える働きがあります。トマトに多く含まれています。
また、ビタミンEやビタミンAといった脂溶性のビタミンは油との相性も抜群です。特ににんじんはビタミンAが豊富で、調理の際も、油でいためるとおいしくなります。
ただし、妊婦さんはビタミンAの過剰摂取に注意する必要があります。
話がそれましたが、身体の老化を防止するため、油の摂取や管理にも気を付けていきましょう。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
油は、過剰に控えすぎるのもよくないですが、摂取方法や保管方法には十分気を付けていきましょう。
また、酸化した油との付き合いに野菜もうまく活用し、身体の老化やサビを防ぎ、充実したアブライフを送っていきましょう。
※アブライフ=油ライフ(油生活)
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