20/2/11(火)
「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が本日2月11日、東京・文京シビックホールにて開催された。
初めて表彰式を見た。
朝7:20に出発し、JR東京駅から地下鉄丸ノ内線へ
後楽園駅で下車
「文京シビックセンター」なので5番出口へ向かう
地下から地上に出ると、近くには「中央大学」
右側には、目指す「文京シビックホール」が見える
振り返ると、下車した「後楽園駅」や「東京ドーム」が見える
となりのこの高い建物は何だ?
(文京シビックセンター:これも文京区の所有)
文京シビックホールの建物に入って「最後尾」の位置を聞く
9:05位に到着。係の人は、この位置で80名位だと言っていた。
開場直前では、列があちらこちらに出来ていた。
座席は、「14-28」
式の開始まで、ロビー内の展示物の見学
実物大のトロフィ(レプリカ)が置かれていたので、持ってみたが結構重くて驚いた(約4kgと書いてあった)。
2本の映画鑑賞の後に「表彰式」
席の最前列に望月衣塑子氏が座っていた(いつものキャリーバックも一緒に)
表彰式、邦画鑑賞が終了したのが21:10頃
急いで後楽園駅へ
この時間の東京駅から横浜方面は品川止まりが連続する。
戸塚駅で乗り換え
自宅着は23:20位
***********************************
以下、
https://natalie.mu/eiga/news/366795
https://movie.walkerplus.com/news/article/222824/p2/
より
「第93回キネマ旬報ベスト・テン」受賞結果
「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」各受賞者
▼作品
日本映画ベスト・テン第1位『火口のふたり』
外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』
文化映画ベスト・テン第1位『i‐新聞記者ドキュメント‐』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『半世界』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』
▼個人
日本映画監督賞 白石和彌『ひとよ』『凪待ち』『麻雀放浪記2020』
日本映画脚本賞 阪本順治『半世界』
外国映画監督賞 トッド・フィリップス『ジョーカー』
主演女優賞 瀧内公美『火口のふたり』
主演男優賞 池松壮亮『宮本から君へ』
助演女優賞 池脇千鶴『半世界』
助演男優賞 成田凌『愛がなんだ』『さよならくちびる』ほか
新人女優賞 関水渚『町田くんの世界』
新人男優賞 鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』『決算!忠臣蔵』
読者選出日本映画監督賞 阪本順治『半世界』
読者選出外国映画監督賞 トッド・フィリップス『ジョーカー』
読者賞 ライムスター宇多丸、三沢和子連載「2018年の森田芳光」
特別賞 和田誠(映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめて)
●荒井晴彦がキネ旬1位獲るも白石和彌、阪本順治に嫉妬?「演出と脚本教わる」
<作品賞>
日本映画1位は荒井晴彦の監督作「火口のふたり」。
配給:ファントム・フィルム
外国映画1位は、「ジョーカー」
(監督:トッド・フィリップス)
/配給:ワーナー・ブラザーズ映画
文化映画1位
i-新聞記者ドキュメント-
(監督:森達也/配給:スターサンズ)
荒井は「赫い髪の女」「神様のくれた赤ん坊」「遠雷」「ヴァイブレータ」など、自身が携わり、過去にベスト・テンにランクインした作品を次々と挙げ「僕の作風で1位は無理なんじゃないかとあきらめてました。自分が3本目に撮った作品でまさか、という感じ。70過ぎた脚本家が撮った、低予算でR18の裸の映画が1位でいいんでしょうか」ととぼけてみせる。続けてキャストやスタッフ、選考委員たちに感謝を伝え「映画はいいのに演出と脚本がよくなかったのか、監督賞と脚本賞をいただけませんでした。演出は白石和彌、脚本は阪本順治に教わってまたこの場に戻ってこようと思います」とジョークを飛ばす。そんな荒井の背後では、日本映画監督賞の白石、日本映画脚本賞の阪本が爆笑していた。
荒井晴彦
読者選出日本映画1位「半世界」
(監督:阪本順治/配給:キノフィルムズ)
<個人賞>
日本映画監督賞:白石和彌
「ひとよ」「凪待ち」「麻雀放浪記2020」
外国映画監督賞:トッド・フィリップス「ジョカー」
白石は、昨日2月10日に発表された第92回アカデミー賞でポン・ジュノの監督作「パラサイト 半地下の家族」が作品賞を含む4冠を獲得したことに触れ、「歴史の変わる瞬間だと思ったんですが、同時にすごい悔しさも覚えました。SNSで『日本映画は韓国映画に比べて全然ダメだ』と書かれていて、少し責任も感じつつですが、いつか必ずや満足がいく映画を届けられるようにがんばります」と野望を掲げる。最後に「ちなみに」と付け足した白石は「荒井さんと飲むといつも『お前の映画は全然ダメだ!』と言われていますし、去年公開の『止められるか、俺たちを』は荒井さんが編集長を務める『映画芸術』でワースト1位で、『麻雀放浪記2020』はワースト3位。ですので、特に演出でお教えすることはありません!(笑)」と“反撃”した。
白石和彌
日本映画脚本賞:阪本順治 「半世界」
「半世界」で日本映画脚本賞を受賞し、読者選出日本映画第1位に選ばれた阪本は、「今日は荒井さんにこのあと呼ばれているので、何を言われるのか……」と恐れるふりをして見せ、観客を笑わせる。阪本は2000年に「顔」「新・仁義なき戦い。」で監督賞と脚本賞を獲得しており、「あのときは、のちに賞をもらうことを考えずにやっていましたね」と当時を振り返る。司会が「半世界」には主演を務めた稲垣吾郎の新しい一面が映し出されていると称賛すると、阪本は「かっこいい言い方ですけど、映画監督の仕事は俳優の顔を撮ることです」とコメント。しかし、「偉そうでしたかね……ななめ後ろが気になっちゃって」と背後の荒井を警戒していた。
阪本順治
特別賞 和田誠(2019年10月7日死去)
特別賞が贈られたのは、2019年10月に死去した、イラストレーターであり映画監督の和田誠。代理で登壇した妻の平野レミは「私はこういう場は場違いなんです! しょっちゅうレミパン持って料理ばっかりしてるので」と明るく述べ、「うちの夫はただただ映画が大好きなので、私のライバルは映画だったんです。また映画観てる、今日も観てる!って。でも私は一言も文句を言ったことはありませんでした。もうちょっと長く生きてれば、こういう賞をいただけて、最高だったと思います」と続け、「お父さん、こういう賞をいただきましたよ!」と天国の和田に語りかける。生前の和田の人柄について、平野は「すべてが優しいの。あんまり優しい人と結婚しちゃったから、つらいんですよね。今私、悲しくて悲しくて本当につらいんです。もう泣いちゃうから、やめますね!」と大らかに話しながらも、寂しさをにじませた。
平野レミ
その2
池松壮亮、5年ぶりのキネマ旬報ベスト・テン受賞式で熱いスピーチ!「僕だけの力では到底及ばない場所」
瀧内公美がキネ旬主演賞に声震わせる、池松壮亮は「宮本へ捧げたい」
主演女優賞に輝いた瀧内公美と、主演男優賞を獲得した池松壮亮が登壇した。
日本映画部門の第1位に輝いた、荒井晴彦の監督作「火口のふたり」でヒロインを演じた瀧内。「主演女優賞をいただけたことは本当に光栄です……とても緊張しています」と震える声で切り出し、「お世話になっていた事務所を退所してフリーになったとき、声を掛けていただいた作品が『火口のふたり』でした。もう1度女優としてやっていこうと、この作品に携わって思ったんです」と打ち明ける。
そして瀧内が「相手役を務めてくださった柄本佑さんをはじめ、スタッフの皆さん、いろんな人のおかげで今日があると思っています。この場に連れて来てくださった荒井さんに感謝しています」と後ろに座る荒井に視線を送ると、MCに促され荒井もステージ中央へ。演出について問われた荒井が「ベッドシーンは手取り足取りやりましたね。『もっと脚を反らせろ!』って」と笑いながら振り返ると、瀧内は「『しなるんだ、しならせるんだ!』って言われてました(笑)。毎日、首と腰に湿布を貼ってましたね」と回想。その言葉を受け、荒井は「あとは放し飼いでしたよ」と笑みをこぼした。
瀧内公美
左から荒井晴彦、瀧内公美
「宮本から君へ」での演技が高く評価され、主演男優賞受賞を果たした池松。「この映画を作るために一緒に闘った人たち、観てくださった方々に心から感謝しています」と真摯に述べ、「宮本というキャラクターは血だらけになりながら正しくないものに声を上げ続ける男です。周りに鼓舞されてなんとか演じ切ることができたと思っています。スタッフやキャストとともに闘った日々の勲章として、池松から宮本へこの重い賞を捧げたいです」とトロフィーを強く握りしめる。
池松壮亮
続けて池松は「『宮本から君へ』がソフト化するにあたって、あるスタッフが怒って電話を掛けてきました。DVDやBlu-rayにするにはいろんな工程があるんですが、『日本映画はちゃんとやってない!』って言うんです」と回想。「そのとき、ふと思いました。『宮本から君へ』の現場はこうやって闘う“宮本”がたくさんいたなって。お金のなさやいろんな問題を理由にあきらめてしまおうとする自分たちと闘って、みんなで乗り越えてきたなって。そのバトンの先にこの場所があると思っています」と吐露した。そして最後に「2020年になりました。これからの10年、日々精進していきたいと思います。今日はトロフィーを抱きしめて寝ると思います」と喜びをあらわにした。
池松壮亮
池松壮亮
成田凌がキネ旬助演賞に喜びにじませる、池脇千鶴は阪本順治へ感謝
助演女優賞を受賞した池脇千鶴と、助演男優賞を獲得した成田凌が登壇した。
阪本順治の監督作「半世界」で、稲垣吾郎扮する主人公の妻・初乃を演じた池脇。トロフィーを手に「すっごく重いですねこれ!」と笑みをこぼしながら、「基本的には男性3人がメインなので、(初乃は)ともすれば添え物になりかねない役。阪本監督が女、妻、母として、きちんと1人の人間を描いてくださったことが、映画に反映されての評価なのかなと、ありがたく思っています」と阪本に感謝を告げる。1999年に「大阪物語」で新人女優賞を獲得した池脇は「新人賞をいただいたのも、もう20年も前なんですね。もらってうれしいものなので、次は20年も空かずにいただけたら励みになるかなと思います」と茶目っ気たっぷりに語った。
「半世界」で日本映画脚本賞、読者選出日本映画監督賞を受賞した阪本は、初乃役に池脇を選んだ理由について「きれいな30代の女優さんはたくさんいらっしゃるんですが、なかなか私生活の匂いがする方がいなかったんです。池脇さんは、素の彼女を想像できたのでキャスティングしました」と明かす。池脇は阪本の印象を問われると、「すみません」と謝りつつも「怖そうなイメージでしたが、ものすごく愛の深い監督さんでした。すごく厳しいですが、キャストたちを見つめてくれて、撮影も楽しかった思い出があります」と述べた。
池脇千鶴
左から阪本順治、池脇千鶴
成田凌
「愛がなんだ」「翔んで埼玉」「さよならくちびる」など出演作が相次いで公開された成田。「関わってくださったいろんな人に感謝しかないです。現場に行くたび、自分の力が足りないなと思うと同時に、共演者の方からたくさんのことを学んでばかりだったので、そんな僕がいただいていいのかと思いました」と謙遜する。しかし、キネマ旬報誌で得票数を確認したところ、2位に大差をつけての1位だったことから「ダントツでした!」と喜びをあらわに。「カツベン!」で主演を務めたこともあり、主演男優賞の得票数も確認した成田だったが、1位の池松との点差には「やっぱり(力が)足りないんだなあと思います」と悔しさをにじませた。
司会から、2019年の出演作の多さについて触れられると、成田は「自分でもいつ撮ってたんだろうと思います」と苦笑し、多忙だった昨年の裏話を語る。「『愛がなんだ』と『スマホを落としただけなのに』を同時期に撮っていたんです。そして『さよならくちびる』のためにギターの練習をしないといけなかったので、血まみれになりながらギターを練習していました」と振り返り、観客の笑い声を聞くと「大丈夫です! 集中していました」と補足した。
成田凌
キネ旬新人賞の関水渚が石井裕也に感謝、鈴鹿央士は先輩へ「お世話になります」
新人女優賞の関水渚、新人男優賞の鈴鹿央士が登壇した。
関水は、1000人超のオーディションを勝ち抜き細田佳央太とダブル主演を務めた「町田くんの世界」での演技が評価された。スピーチでは、同作で監督を務めた石井裕也に対し「当時、右も左もわからなかった私に何度も向き合って指導していただき、人生で一番自分が生きていることを実感した1カ月でした。お芝居の楽しさを教えてくださった石井監督に頭が上がりません」と感謝する。
関水渚
司会が「笑顔を作るのが苦手だったとおっしゃっていましたが、慣れましたか?」と問うと、関水は「はい!」と晴れやかに笑う。今後目指す女優像を問われると、関水は「お会いする女優さんが皆さん素晴らしくて、憧れの方はたくさんいらっしゃるんですけど、1つの目標としては朝ドラに出演できたらいいな」と意気込みを語り、盛大な拍手を浴びた。
関水渚
「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」に出演した鈴鹿。「東京のことも知らないし、大人の世界や芸能界のこともわからない僕だったんですけど、いろんなことを石川慶監督や中村義洋監督に教えていただきながら、ちょっとずつ成長できたかなと思います」とゆっくりと言葉を選びながら語る。言葉に詰まると「すみません、(自分は)こういう人なんです」とはにかんだ。
■鈴鹿
鈴鹿「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」に出演した鈴鹿。「東京のことも知らないし、大人の世界や芸能界のこともわからない僕だったんですけど、いろんなことを石川慶監督や中村義洋監督に教えていただきながら、ちょっとずつ成長できたかなと思います」とゆっくりと言葉を選びながら語る。言葉に詰まると「すみません、(自分は)こういう人なんです」とはにかんだ。
鈴鹿央士
また、鈴鹿は「次に出演する作品も先日クランクアップしたんですが、現場でもまだまだだなと思っているので」と述べ、主演男優賞を獲得した池松壮亮、助演男優賞の成田凌ら先輩俳優や、荒井晴彦ら監督たちに向き直り、「もし現場でお会いすることがあったらお世話になりたいなと思います」と深々と頭を下げて会場の空気を和ませる。続けて、観客に向け「今日電車で帰ると思うので、見かけたら声をかけていただけるとうれしいです。サインはまだないんですけど……」と恥ずかしそうに笑っていた。
鈴鹿央士
鈴鹿「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」に出演した鈴鹿。「東京のことも知らないし、大人の世界や芸能界のこともわからない僕だったんですけど、いろんなことを石川慶監督や中村義洋監督に教えていただきながら、ちょっとずつ成長できたかなと思います」とゆっくりと言葉を選びながら語る。言葉に詰まると「すみません、(自分は)こういう人なんです」とはにかんだ。
<作品賞>
文化映画1位
i-新聞記者ドキュメント-
(監督:森達也/配給:スターサンズ)
映画『新聞記者』の原案者としても知られる東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の在り方を問う社会派ドキュメンタリー。監督は、オウム真理教の本質に迫る『A』『A2』や、佐村河内守を題材にした『FAKE』などを手掛けた森達也。『新聞記者』に続き、河村光康が企画&製作&エクゼクティブ・プロデューサーを務める。
森
https://movie.walkerplus.com/mv69440/
より
読者賞
読者賞:宇多丸(RHYMESTER)/ 三沢和子 連載「2018年の森田芳光」
三沢和子 (配偶者:森田芳光 1950年1月25日 - 2011年12月20日)
参考)ライムスター宇多丸:ライター、アイドル評論家、映画評論家、クラブDJ、ラジオDJとしても活動。
「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が本日2月11日、東京・文京シビックホールにて開催された。
初めて表彰式を見た。
朝7:20に出発し、JR東京駅から地下鉄丸ノ内線へ
後楽園駅で下車
「文京シビックセンター」なので5番出口へ向かう
地下から地上に出ると、近くには「中央大学」
右側には、目指す「文京シビックホール」が見える
振り返ると、下車した「後楽園駅」や「東京ドーム」が見える
となりのこの高い建物は何だ?
(文京シビックセンター:これも文京区の所有)
文京シビックホールの建物に入って「最後尾」の位置を聞く
9:05位に到着。係の人は、この位置で80名位だと言っていた。
開場直前では、列があちらこちらに出来ていた。
座席は、「14-28」
式の開始まで、ロビー内の展示物の見学
実物大のトロフィ(レプリカ)が置かれていたので、持ってみたが結構重くて驚いた(約4kgと書いてあった)。
2本の映画鑑賞の後に「表彰式」
席の最前列に望月衣塑子氏が座っていた(いつものキャリーバックも一緒に)
表彰式、邦画鑑賞が終了したのが21:10頃
急いで後楽園駅へ
この時間の東京駅から横浜方面は品川止まりが連続する。
戸塚駅で乗り換え
自宅着は23:20位
***********************************
以下、
https://natalie.mu/eiga/news/366795
https://movie.walkerplus.com/news/article/222824/p2/
より
「第93回キネマ旬報ベスト・テン」受賞結果
「2019年 第93回キネマ旬報ベスト・テン」各受賞者
▼作品
日本映画ベスト・テン第1位『火口のふたり』
外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』
文化映画ベスト・テン第1位『i‐新聞記者ドキュメント‐』
読者選出日本映画ベスト・テン第1位『半世界』
読者選出外国映画ベスト・テン第1位『ジョーカー』
▼個人
日本映画監督賞 白石和彌『ひとよ』『凪待ち』『麻雀放浪記2020』
日本映画脚本賞 阪本順治『半世界』
外国映画監督賞 トッド・フィリップス『ジョーカー』
主演女優賞 瀧内公美『火口のふたり』
主演男優賞 池松壮亮『宮本から君へ』
助演女優賞 池脇千鶴『半世界』
助演男優賞 成田凌『愛がなんだ』『さよならくちびる』ほか
新人女優賞 関水渚『町田くんの世界』
新人男優賞 鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』『決算!忠臣蔵』
読者選出日本映画監督賞 阪本順治『半世界』
読者選出外国映画監督賞 トッド・フィリップス『ジョーカー』
読者賞 ライムスター宇多丸、三沢和子連載「2018年の森田芳光」
特別賞 和田誠(映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめて)
●荒井晴彦がキネ旬1位獲るも白石和彌、阪本順治に嫉妬?「演出と脚本教わる」
<作品賞>
日本映画1位は荒井晴彦の監督作「火口のふたり」。
配給:ファントム・フィルム
外国映画1位は、「ジョーカー」
(監督:トッド・フィリップス)
/配給:ワーナー・ブラザーズ映画
文化映画1位
i-新聞記者ドキュメント-
(監督:森達也/配給:スターサンズ)
荒井は「赫い髪の女」「神様のくれた赤ん坊」「遠雷」「ヴァイブレータ」など、自身が携わり、過去にベスト・テンにランクインした作品を次々と挙げ「僕の作風で1位は無理なんじゃないかとあきらめてました。自分が3本目に撮った作品でまさか、という感じ。70過ぎた脚本家が撮った、低予算でR18の裸の映画が1位でいいんでしょうか」ととぼけてみせる。続けてキャストやスタッフ、選考委員たちに感謝を伝え「映画はいいのに演出と脚本がよくなかったのか、監督賞と脚本賞をいただけませんでした。演出は白石和彌、脚本は阪本順治に教わってまたこの場に戻ってこようと思います」とジョークを飛ばす。そんな荒井の背後では、日本映画監督賞の白石、日本映画脚本賞の阪本が爆笑していた。
荒井晴彦
読者選出日本映画1位「半世界」
(監督:阪本順治/配給:キノフィルムズ)
<個人賞>
日本映画監督賞:白石和彌
「ひとよ」「凪待ち」「麻雀放浪記2020」
外国映画監督賞:トッド・フィリップス「ジョカー」
白石は、昨日2月10日に発表された第92回アカデミー賞でポン・ジュノの監督作「パラサイト 半地下の家族」が作品賞を含む4冠を獲得したことに触れ、「歴史の変わる瞬間だと思ったんですが、同時にすごい悔しさも覚えました。SNSで『日本映画は韓国映画に比べて全然ダメだ』と書かれていて、少し責任も感じつつですが、いつか必ずや満足がいく映画を届けられるようにがんばります」と野望を掲げる。最後に「ちなみに」と付け足した白石は「荒井さんと飲むといつも『お前の映画は全然ダメだ!』と言われていますし、去年公開の『止められるか、俺たちを』は荒井さんが編集長を務める『映画芸術』でワースト1位で、『麻雀放浪記2020』はワースト3位。ですので、特に演出でお教えすることはありません!(笑)」と“反撃”した。
白石和彌
日本映画脚本賞:阪本順治 「半世界」
「半世界」で日本映画脚本賞を受賞し、読者選出日本映画第1位に選ばれた阪本は、「今日は荒井さんにこのあと呼ばれているので、何を言われるのか……」と恐れるふりをして見せ、観客を笑わせる。阪本は2000年に「顔」「新・仁義なき戦い。」で監督賞と脚本賞を獲得しており、「あのときは、のちに賞をもらうことを考えずにやっていましたね」と当時を振り返る。司会が「半世界」には主演を務めた稲垣吾郎の新しい一面が映し出されていると称賛すると、阪本は「かっこいい言い方ですけど、映画監督の仕事は俳優の顔を撮ることです」とコメント。しかし、「偉そうでしたかね……ななめ後ろが気になっちゃって」と背後の荒井を警戒していた。
阪本順治
特別賞 和田誠(2019年10月7日死去)
特別賞が贈られたのは、2019年10月に死去した、イラストレーターであり映画監督の和田誠。代理で登壇した妻の平野レミは「私はこういう場は場違いなんです! しょっちゅうレミパン持って料理ばっかりしてるので」と明るく述べ、「うちの夫はただただ映画が大好きなので、私のライバルは映画だったんです。また映画観てる、今日も観てる!って。でも私は一言も文句を言ったことはありませんでした。もうちょっと長く生きてれば、こういう賞をいただけて、最高だったと思います」と続け、「お父さん、こういう賞をいただきましたよ!」と天国の和田に語りかける。生前の和田の人柄について、平野は「すべてが優しいの。あんまり優しい人と結婚しちゃったから、つらいんですよね。今私、悲しくて悲しくて本当につらいんです。もう泣いちゃうから、やめますね!」と大らかに話しながらも、寂しさをにじませた。
平野レミ
その2
池松壮亮、5年ぶりのキネマ旬報ベスト・テン受賞式で熱いスピーチ!「僕だけの力では到底及ばない場所」
瀧内公美がキネ旬主演賞に声震わせる、池松壮亮は「宮本へ捧げたい」
主演女優賞に輝いた瀧内公美と、主演男優賞を獲得した池松壮亮が登壇した。
日本映画部門の第1位に輝いた、荒井晴彦の監督作「火口のふたり」でヒロインを演じた瀧内。「主演女優賞をいただけたことは本当に光栄です……とても緊張しています」と震える声で切り出し、「お世話になっていた事務所を退所してフリーになったとき、声を掛けていただいた作品が『火口のふたり』でした。もう1度女優としてやっていこうと、この作品に携わって思ったんです」と打ち明ける。
そして瀧内が「相手役を務めてくださった柄本佑さんをはじめ、スタッフの皆さん、いろんな人のおかげで今日があると思っています。この場に連れて来てくださった荒井さんに感謝しています」と後ろに座る荒井に視線を送ると、MCに促され荒井もステージ中央へ。演出について問われた荒井が「ベッドシーンは手取り足取りやりましたね。『もっと脚を反らせろ!』って」と笑いながら振り返ると、瀧内は「『しなるんだ、しならせるんだ!』って言われてました(笑)。毎日、首と腰に湿布を貼ってましたね」と回想。その言葉を受け、荒井は「あとは放し飼いでしたよ」と笑みをこぼした。
瀧内公美
左から荒井晴彦、瀧内公美
「宮本から君へ」での演技が高く評価され、主演男優賞受賞を果たした池松。「この映画を作るために一緒に闘った人たち、観てくださった方々に心から感謝しています」と真摯に述べ、「宮本というキャラクターは血だらけになりながら正しくないものに声を上げ続ける男です。周りに鼓舞されてなんとか演じ切ることができたと思っています。スタッフやキャストとともに闘った日々の勲章として、池松から宮本へこの重い賞を捧げたいです」とトロフィーを強く握りしめる。
池松壮亮
続けて池松は「『宮本から君へ』がソフト化するにあたって、あるスタッフが怒って電話を掛けてきました。DVDやBlu-rayにするにはいろんな工程があるんですが、『日本映画はちゃんとやってない!』って言うんです」と回想。「そのとき、ふと思いました。『宮本から君へ』の現場はこうやって闘う“宮本”がたくさんいたなって。お金のなさやいろんな問題を理由にあきらめてしまおうとする自分たちと闘って、みんなで乗り越えてきたなって。そのバトンの先にこの場所があると思っています」と吐露した。そして最後に「2020年になりました。これからの10年、日々精進していきたいと思います。今日はトロフィーを抱きしめて寝ると思います」と喜びをあらわにした。
池松壮亮
池松壮亮
成田凌がキネ旬助演賞に喜びにじませる、池脇千鶴は阪本順治へ感謝
助演女優賞を受賞した池脇千鶴と、助演男優賞を獲得した成田凌が登壇した。
阪本順治の監督作「半世界」で、稲垣吾郎扮する主人公の妻・初乃を演じた池脇。トロフィーを手に「すっごく重いですねこれ!」と笑みをこぼしながら、「基本的には男性3人がメインなので、(初乃は)ともすれば添え物になりかねない役。阪本監督が女、妻、母として、きちんと1人の人間を描いてくださったことが、映画に反映されての評価なのかなと、ありがたく思っています」と阪本に感謝を告げる。1999年に「大阪物語」で新人女優賞を獲得した池脇は「新人賞をいただいたのも、もう20年も前なんですね。もらってうれしいものなので、次は20年も空かずにいただけたら励みになるかなと思います」と茶目っ気たっぷりに語った。
「半世界」で日本映画脚本賞、読者選出日本映画監督賞を受賞した阪本は、初乃役に池脇を選んだ理由について「きれいな30代の女優さんはたくさんいらっしゃるんですが、なかなか私生活の匂いがする方がいなかったんです。池脇さんは、素の彼女を想像できたのでキャスティングしました」と明かす。池脇は阪本の印象を問われると、「すみません」と謝りつつも「怖そうなイメージでしたが、ものすごく愛の深い監督さんでした。すごく厳しいですが、キャストたちを見つめてくれて、撮影も楽しかった思い出があります」と述べた。
池脇千鶴
左から阪本順治、池脇千鶴
成田凌
「愛がなんだ」「翔んで埼玉」「さよならくちびる」など出演作が相次いで公開された成田。「関わってくださったいろんな人に感謝しかないです。現場に行くたび、自分の力が足りないなと思うと同時に、共演者の方からたくさんのことを学んでばかりだったので、そんな僕がいただいていいのかと思いました」と謙遜する。しかし、キネマ旬報誌で得票数を確認したところ、2位に大差をつけての1位だったことから「ダントツでした!」と喜びをあらわに。「カツベン!」で主演を務めたこともあり、主演男優賞の得票数も確認した成田だったが、1位の池松との点差には「やっぱり(力が)足りないんだなあと思います」と悔しさをにじませた。
司会から、2019年の出演作の多さについて触れられると、成田は「自分でもいつ撮ってたんだろうと思います」と苦笑し、多忙だった昨年の裏話を語る。「『愛がなんだ』と『スマホを落としただけなのに』を同時期に撮っていたんです。そして『さよならくちびる』のためにギターの練習をしないといけなかったので、血まみれになりながらギターを練習していました」と振り返り、観客の笑い声を聞くと「大丈夫です! 集中していました」と補足した。
成田凌
キネ旬新人賞の関水渚が石井裕也に感謝、鈴鹿央士は先輩へ「お世話になります」
新人女優賞の関水渚、新人男優賞の鈴鹿央士が登壇した。
関水は、1000人超のオーディションを勝ち抜き細田佳央太とダブル主演を務めた「町田くんの世界」での演技が評価された。スピーチでは、同作で監督を務めた石井裕也に対し「当時、右も左もわからなかった私に何度も向き合って指導していただき、人生で一番自分が生きていることを実感した1カ月でした。お芝居の楽しさを教えてくださった石井監督に頭が上がりません」と感謝する。
関水渚
司会が「笑顔を作るのが苦手だったとおっしゃっていましたが、慣れましたか?」と問うと、関水は「はい!」と晴れやかに笑う。今後目指す女優像を問われると、関水は「お会いする女優さんが皆さん素晴らしくて、憧れの方はたくさんいらっしゃるんですけど、1つの目標としては朝ドラに出演できたらいいな」と意気込みを語り、盛大な拍手を浴びた。
関水渚
「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」に出演した鈴鹿。「東京のことも知らないし、大人の世界や芸能界のこともわからない僕だったんですけど、いろんなことを石川慶監督や中村義洋監督に教えていただきながら、ちょっとずつ成長できたかなと思います」とゆっくりと言葉を選びながら語る。言葉に詰まると「すみません、(自分は)こういう人なんです」とはにかんだ。
■鈴鹿
鈴鹿「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」に出演した鈴鹿。「東京のことも知らないし、大人の世界や芸能界のこともわからない僕だったんですけど、いろんなことを石川慶監督や中村義洋監督に教えていただきながら、ちょっとずつ成長できたかなと思います」とゆっくりと言葉を選びながら語る。言葉に詰まると「すみません、(自分は)こういう人なんです」とはにかんだ。
鈴鹿央士
また、鈴鹿は「次に出演する作品も先日クランクアップしたんですが、現場でもまだまだだなと思っているので」と述べ、主演男優賞を獲得した池松壮亮、助演男優賞の成田凌ら先輩俳優や、荒井晴彦ら監督たちに向き直り、「もし現場でお会いすることがあったらお世話になりたいなと思います」と深々と頭を下げて会場の空気を和ませる。続けて、観客に向け「今日電車で帰ると思うので、見かけたら声をかけていただけるとうれしいです。サインはまだないんですけど……」と恥ずかしそうに笑っていた。
鈴鹿央士
鈴鹿「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」に出演した鈴鹿。「東京のことも知らないし、大人の世界や芸能界のこともわからない僕だったんですけど、いろんなことを石川慶監督や中村義洋監督に教えていただきながら、ちょっとずつ成長できたかなと思います」とゆっくりと言葉を選びながら語る。言葉に詰まると「すみません、(自分は)こういう人なんです」とはにかんだ。
<作品賞>
文化映画1位
i-新聞記者ドキュメント-
(監督:森達也/配給:スターサンズ)
映画『新聞記者』の原案者としても知られる東京新聞社会部記者・望月衣塑子の姿を通して、日本の報道の在り方を問う社会派ドキュメンタリー。監督は、オウム真理教の本質に迫る『A』『A2』や、佐村河内守を題材にした『FAKE』などを手掛けた森達也。『新聞記者』に続き、河村光康が企画&製作&エクゼクティブ・プロデューサーを務める。
森
https://movie.walkerplus.com/mv69440/
より
読者賞
読者賞:宇多丸(RHYMESTER)/ 三沢和子 連載「2018年の森田芳光」
三沢和子 (配偶者:森田芳光 1950年1月25日 - 2011年12月20日)
参考)ライムスター宇多丸:ライター、アイドル評論家、映画評論家、クラブDJ、ラジオDJとしても活動。
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