⭕ニホンオオカミ
⭕ニホンオオカミ
絶滅(EX)
ニホンオオカミは、19世紀までは東北地方から九州まで各地に分布していましたが、1905年1月に、奈良県鷲家口で捕獲された若いオスを最後に、現在まで確実な生息情報がなく、この後まもなく絶滅したと考えられています。この最後の標本を購入したアメリカ人採集者、M.P.アンダーソン氏の記録によると、ニホンオオカミは当時すでにまれで、ほとんど絶滅に近い状態だったといいます。絶滅のおもな原因は、明治維新以降、狩猟用の銃が普及したことと、野生動物に対する日本人の意識変化などによる人為的圧力から、ほかの野生動物と同じく、いちじるしい生息数の減少が起こったと考えられています。
ニホンオオカミはオオカミ類のなかではもっとも小型のグループで、胴のわりには足や耳が短いのが特徴です。古記録から推定された頭胴長(尾を含めない体の長さ)は81.2~111.5cm、尾長30.3~41cmとされています。ユーラシア大陸に広く分布するタイリクオオカミの亜種とされますが、独立した種とあつかう説もあります。わが国には3頭の剥製標本(はくせいひょうほん)がありますが、すでに絶滅してしまったニホンオオカミの生態についてもはや調べることはできません。
なお、北海道にはニホンオオカミの別亜種であるエゾオオカミ(Canis lupus hattai)が分布していましたが、明治時代に牧場を荒らす害獣として駆除され、1894年前後に絶滅しています。
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