解体現場の富士山

2022-01-25 | さよなら下町銭湯物語
明けきらない っというより まだ夜 夜中
近所の廃業した 銭湯の解体現場を眺めてる
壁にかかれた銭湯背景画 ひさしぶりにみる富士山
壁を壊され 遺跡のように 壁画さらして解体現場
出勤途中の足とめて じっと眺める 少年時代
かれこれ四十数年も前の事 待ち合わせは夕方六時
家の風呂より みんなで銭湯

てつお よしぞぉ やっちゃん じゅん ・・・あと誰だ?

テーブル替わりのインベーダー おれはいつものフルーツ牛乳
身体に石鹸塗ったくり 床をすべって 転がって
ケロヨン 桶を並べては 怖い大人に叱られた
悄気るなんて しぃ~らんっぺ
カラッと笑って またあした


KOMATSUのユンボ 鉄の爪 沁みつく想いで引っかけて

轟音たてて 崩してく 刻んだ歴史を 壊してく


"それがぁ しごとだぁ 文句があるかぁ"


朝からそんな妄想しながら じっと佇む解体現場
すれ違う 子犬をつれた 昔女子
警戒しながらすれ違う 充分あけた ディスタンス

口角あげて ふにっと微笑み 苦笑い 愛想笑い

深夜 早朝 夜明け前 解体現場に 五十代の男性一人
スマホ片手に なにやら撮影 挙動不審
おもいつめた表情で 佇む姿は これぞ!!! 不審者

おっ立つ煙突 見上げては まだまだこれから!!!

朝の冷気にブルっと 小刻みシバリング
朝の寒さに堪えたか? なんのこれしき 武者震い
冷え込む景気に 感染爆発 気圧の谷で天気くずれる
稼ぐに追いつく貧乏なし 暇なし貧乏 味気なし
稼ぐに追いつく貧乏神 アップはじめた 朝一番

おっと出勤 歩をすすめ 会社にむかって歩きだす。 






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