ソラ君 鳴き声 朝一番
今年の花粉は 目にくる 腸にくる 頭にくる
お腹の調子がゆるくって 便座に座り
こぼれる朝日 老犬の鳴き声 尻を拭く
拭いても 拭いても キリがなく
こんなもんかと諦めかけて
紙をながめて ため息一つ
くぉ〜ん くぉ〜ん 励ますような
まだまだ いける はずだろう？
ソラ君が 鳴いている
諦めるなんて するなよっと
ソラ君が 鳴いている
景気よく カラカラ紙を畳んで
優しく しっかり拭いたなら
捨てて 流して たちあがる
春本番の一歩手前
梅は散った 桜はまだ蕾のまま
花粉が派手に飛散 いまがピーク
折り返しのタイミング
来た道 戻るの 大キライ
残り湯使って洗濯物 片して
トイレットペーパー 買いにゆく
鼻をかんで 尻拭いて 丸めて捨てて
春に向かって 投げつける
此れでも喰らえ 愛をこめて
けっ
下らねえ 下らねえ
グリュ グリュっと 腹が鳴る
今年の花粉は 腹に来る
まったくもって 頭にくる
扉を開けて 便座に腰掛け
考えるヒト 真似てきいてる
ソラ君の声
くぉ〜ん くぉ〜ん
春遠からじ
しんみりと 便座腰掛け 年を取る
便所の小窓 季節の移ろい
そんな身分じゃねぇ～だろう！！！
くぉ〜ん くぉ〜ん
狂伝佐藤泰志 中澤雄大
自分以外全員他人 西村亨
返却期限３月３１日
