私の通っていた幼稚園では、
トイレのドアが大人の腰くらいの高さしか無く、子供でも簡単に覗ける高さだった。
男女区別されていたかどうかは記憶にないが、
区別されていたとしても、男児が女子用のトイレに入ってくることは珍しいことではなかった。
そして和式トイレばかりだったので、
トイレに入る時は誰かに覗かれないか、後ろを振り返りながらいつもヒヤヒヤしていたのを憶えている。
そしてやはりそれは起こった。
ある日、トイレに入って用を足している真っ最中に、
ドアに手をかけて背伸びした男の子に覗かれたのだ。
振り返った私をみて、ニヤッと笑ったその男の子の顔は今だに忘れられない。
生まれて初めて味わった、
恥ずかしく屈辱的な瞬間だった。
消えてしまいたいーーー
言いようのない悔しさが胸に込み上げて、
顔が熱くなり苦しくなった。
女というだけで、隠したい部分を男に無理矢理見られる対象なのだ、
「女なんて嫌だ」
初めてそう思った瞬間でもあった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます