不器用なのか、純粋なのか。 どこかにいるような人たちなのに、読み進むうちに独特のざらつき感、いや~な感じが迫ってくる。
短編が4つ。作品を読むたびに思う。今村さんは読み手を思わぬ所に連れて行ってしまう。
「とんこつQ&A」のどかな中華料理店だと思っていたのに、四人ともいびつ。今川さんの一生懸命さが痛々しい。
「嘘の道」これはゾゾゾっとなった。そのうち消えていなくなるのは…。
「良夫婦」この夫婦、酷い、酷すぎ。タムが気の毒です。
「冷たい大根の煮物」いつの間にかスルリと人の懐(財布)に忍び込む芝山さんの生き方。いるかも、いたよ、こんな人。
内容紹介
真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。
あの人のこと、笑えますか。
“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。
人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!