ボクは誰?
イズミのしあわせは、ボクのしあわせ。
でも、ボクのしあわせは-------
空疎な感じの泡がこぼれた。ぷく・・・
金魚小説!室生犀星の「蜜のあわれ」を連想してしまいました。幻想小説ではなく、一途な純愛もの。
散文ふうで、読みやすい。
金魚のユキが健気。
言葉や鳴き声で伝えることができないユキのもどかしさが伝わってくる。
イズミの辛さは痛ましいが、イズミを受け止めてくれる人と分かり合うことができてよかった。
内容紹介
ひとつ屋根の下の「ふたり」もどかしい愛
都内で一人暮らしをしている、恋に臆病なイズミ。
引っ込み思案なのは誰にも明かしていない心と体に「傷」があったから。
そんな彼女をいつも見つめているユキ。
ひとつ屋根の下に暮らしながら言葉を交わすことはないが、イズミへの思いは誰よりも強い。
もどかしい関係の「ふたり」の間に、新たな男性の存在が。
果たしてイズミの凍った心を溶かす恋は始まるのか。
そしてユキの正体とは……。