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「トビウオのぼうやはびょうきです」(いぬいとみこさん作)という紙芝居を知っていますか。
図書の時間に読み聞かせをするため、時々、図書館の紙芝居コーナーに行って、表紙だけを見て、子どもが聞いてくれそうな紙芝居を借りています。
おばけの話や動物や虫が出てくるお話は子どもがよろこびます。
生活科見学で葛西臨海水族園に行ったので、トビウオの絵が描いてある「トビウオのぼうやはびょうきです」という紙芝居を借りました。
事前に読んでおくべきと言われそうですが、日々の仕事で余裕がなく、その時は事前に内容を確認もせずに、読み聞かせをしながら子どもと一緒に読んでいました。
読んでいる途中で、アメリカのの水爆実験による被爆を描いた紙芝居だということに気づき、びっくりしました。
トビウオの親子が海で話をしていたら、遠くの空が夕焼けみたいに真っ赤になって、大きな音がして、海の水がゆれました。
その後、白い粉が降ってきて、粉をかぶったトビウオのぼうやが病気になるというお話でした。
「だれかトビウオの小さいぼうやをたすけてやれるひとはいないでしょうか。」という言葉でこのお話は終わっています。
読みながらこんな紙芝居があったんだと思いました。
読み聞かせ後に、これは実際にあった話をもとに書かれているという話をしたら、1人の子が「えっ、本当に魚が死んじゃったの」と言いました。
水爆実験のことや放射能のこと、魚をとる船に乗っていた人も「死の灰」を浴びたこと、久保山さんが亡くなったこと、大石さんのこと、水揚げされたマグロが埋められたことなどの話ができました。
終わってから、子どもが私のところに来てこう言いました。
「(実験を)やった人は逮捕されなかったの?」
「逮捕されなかったよ。」と言ったら、「何で?ひどい。」と言いました。
こういう子どもが1人でもいてくれてうれしかったです。
偶然「トビウオのぼうやはびょうきです」という紙芝居を見つけられてよかったです。
絵本や紙芝居などを通して、子どもと一緒に戦争や平和、命や人権について考えられる時間は、貴重だなあと思います。
<第五福竜丸展示館に見学に行こう>