
今、江戸川区の各公立学校には大手の商業新聞が何紙か置かれ、児童生徒たちが自由に閲覧できるようになっている。
これは、「江戸川区新聞販売同業組合」が昨年の10月から始めた活動で、地域の学校へ各販売所が届けている様に聞いている。
つまり、寄贈しているわけだ。
因みに、同組合は、数年前から江戸川区に対して様々な物品を寄贈しているようだ。
例えば、卓球台とかキャンプ用テント、公園ベンチ、イベント用ワイヤレスアンプ、車椅子等を寄贈したそうだ。
この他にも、熟年者の安否を気遣うパトロールをして日本新聞協会から「地域貢献賞」を受賞したこともあるという。
この活動についての評論はさておき、せっかく無料で届けられている新聞なのだから活用しないという手はない。
まして、スマフォ等のIT機器が普及して紙ベースの出版物がだんだん読まれなくなっている今日において、子どもたちも大人同様に活字離れが懸念されている。
(2014.12.07Blog「新聞を読もう」参照)
こんな中だからこそ、学校で新聞に接するのは貴重なことだと思う。
新聞の活用は色々考えられるが、 何よりまず、いくつかの新聞社から毎朝あの様な形の新聞が発行されている事実を識ることがスタートだ。
私が訪れた小学校には4紙(朝日・東京・日経・読売)が置かれていたが、比べながら読むのも面白い。
内容は小学生には難しいものもあるが、教員が簡単に分かりやすく解説してやればよい。
さて、この日の一面トップだけを並べて比較してみよう。
写真の右から順に見出し部分を抜き書きすると以下の様になった。
・北朝鮮ほぼ同時に4発 弾道ミサイル発射 迎撃阻む意図か(朝日)
・米軍キャンプ座間消防隊 基地従業員の労災認定 「上司の悪口」ぬれぎぬで無期限出勤停止(東京)
・ヤマト、全面値上げ アマゾンと交渉入り 再配達有料化に含み(日経)
・北4発ほぼ同時発射 弾道ミサイル 更なる挑発警戒(読売)
一面トップの記事は、何を一番重要視しているか新聞社の姿勢の表れとも言えるので興味深い。
因みにこの日は、ニュアンスは多少異なるものの朝日と読売が同じものだった。
「NIE」(Newspaper in Education)という教育活動を既に取り入れている学校もあり、それなりに効果を上げているが、そこまでしなくても日常的に新聞を素材にした学習活動は多様に考えられる。
私はある時期に、新聞を切り抜いてノートに貼ってコメントを加える…という自由学習に取り組んだことがあるが、テーマをきちんと定めてはいなかったため、ある子どもが広告部分だけを切り抜いて面白いコメントをしていたことがあった。
思えば、広告は新聞社の重要な収入源である。
この子どもの実践からヒントを得て、新聞の折り込み広告を切り抜いて貼らせる作品作りを図工の授業で行ったこともある。
もちろん、社会科の環境や政治学習での活用は容易にできる。
案外に面白いのは天気図や天気予報の部分だ。
学習にもなるが、記録として保存活用もできるので重宝だ。
Fさんが、かつて教研で新聞の具体的活用例を話されり、保管さている歴史的にも貴重な古い新聞を紹介されたりしたが、子どもだけではなく教員にとっても新聞は重要なツールでありコンテンツでもある。
この学校の新聞が置かれたテーブルの前には、「子どもも大人も自由に読んでください!」と書いてあったが、どれだけ活用されているのかは分からない。
今度行った時には、聞いてみようと思う。
<すばる>