江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

そうだったのか二軍監督

2021-12-21 | 随想
今年のプロ野球日本シリーズは面白かった。
ここ数年、セ・リーグ優勝チームは、パ・リーグに(具体的にはホークスにか)ボコボコにされてきた。
2013年の楽天対巨人の4勝3敗を最後に、第7戦までもつれることもなく、あっという間に「蹴散らされて」いたのだ。

第7戦まではいかなかったが、4勝2敗でヤクルトが優勝。
しかも、ヤクルトの4勝は、全て1点差ゲーム。
優勝を決めた第6戦は、延長戦に突入という、野球ファンならずとも「手に汗握る」好ゲームの連発だった。

前置きはこれくらいにして、二軍監督のことだ。




今回日本一になったヤクルトの高津臣吾監督は、去年一軍監督に就任するまでヤクルトの二軍監督をしていた。
そして、二軍監督というあまりスポットライトの当たらないポジションの仕事について「二軍監督の仕事」という本を出版(光文社新書)していた。
サブタイトルには「育てるためなら負けてもいい」とある。

スポーツだけでなく教育に関心がある人にも、ぜひ読んでもらいたいので紹介するわけだ。

例えば、MVPを取った村上宗隆選手のことを次のように書いている。

「2018年のシーズンで言えば村上は4番で固定だった。どんなことがあっても動かすことはない。
これは僕(高津監督)というよりも球団の意思である。現状、村上は一軍に上がれば下位打線を打つ事になるが、
将来的にはヤクルトの屋台骨を背負って立つ選手であり、ファームの時点から4番が打席に立つシチュエーションを叩き込む。
ファームは4番としての帝王学を学ぶ場所なのだ」


球団と二軍監督の「育成方針」がブレることなく徹底したことで(もちろんそれに応えた村上選手の努力もある)、
シリーズ優勝とMVPという結果を出したわけだ。

紹介したい事例は他にもたくさんあるのだが、もう一つだけ練習について次のように書いている。

「練習を重ねれば重ねるほどプロの投手らしくなって行くのだが、若い選手の場合、
難しいのは練習漬けにすると飽きてしまうことがあるのだ。そんなときは『詰め込まず、追い込みすぎず』ということを意識して
少し練習を軽くしたり、あえて投球練習を少なくしたりする。すると、選手の方から投げることへの意欲が出てくるようになる」

また別の箇所では
「基本的に練習は自分でやってほしい。全体練習は1時間で終わります。それ以外のところは、自分で考えて練習してもらいたい」
と書いているのだ。

ごく一部を紹介した。
興味があったらぜひご一読ください。

(2021/12/20)


-K.H-

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