モッコウバラ
是非見て欲しいyoutube (2)
兄は生前石油会社をやっていてアメリカ人家庭に特化して暖房用石油を配達販売を
していた。もう何十年も前のことだがはっきり記憶に残っている。当時私は
安月給だった時期なので時々アルバイトとして働いた。タンクローリーを
運転してホースを引っ張り裏庭にあるドラム缶に石油を注入する仕事だった。
同時にその料金を現金で受け取るのだが、階級の低い兵士の家庭ではなかなか
代金をすんなりと支払ってくれなかったのだ。そればかりか、私以外の配達員も
その未収の伝票の束を持ち帰って整理して手分けして回収に出かけたものだ。
ところが、なかにはどうしても支払ってくれない人がいて伝票が残ってしまう
のだった。その未収の伝票がすべて私の仕事として回ってくる。私が最も集金率が
高かったからだ。土日の休みの日を狙って伝票の束を持って出かける仕事が
回ってきたのだ。私が最も英会話になれていて未収が少なかったからでもある。
私は確実に集金する術を心得ていた。それは忍耐と誠実さの二語で説明できる。
ドアーをノックするかまたはブザーを鳴らす。主が出てきて対応するがたいてい
「今日は都合が悪いから次にしてくれ」と言って支払いを渋るのかお金がない
のかどちからだろう。そこで私は「いつが都合がよろしいでしょうか」と尋ねる。
彼はあるいは彼女は「次の給料日だから00日だ」と返事をする。私はすかさず
「何時頃がよろしでしょうか」と尋ねる。「午前中に来てくれ。10時頃だ」と
返事をする。それで私はそれを伝票にしっかり書き込んで丁寧にお辞儀をして
「有難うございました」と言って去って行く。
私は約束した日のその時刻にきっかりブザーを押す。そして、「約束の集金に
きました」と丁重に挨拶する。2,3ヶ月未収の人の場合はこのとき何らかの
言い訳をして来月に回してくれと頼むことがある。私は承知しましたと快く
返事をして相手の注文に応じて給油もしてあげて帰路につく。これを我慢強く
続けると必ず相手は支払ってくれるようになるのだ。つまり上でも書いた通り
忍耐と誠実さが相手の心を動かすことができるのだと思う。このようにして、
会社の中のすべての未収伝票を既習伝票として処理できたのだった。相手が
外国人でも、こちらが誠実な態度で臨めば必ず相手も変わる。こちら側の
心次第なのだ。日本人はいつまでも日本人であって欲しい。
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